地域景観チーム

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中南米諸国を対象としたJICA「道の駅」現地調査団において講師を務めました(2023.2.13-28)

(2023年3月22日)

 令和5年2月13日(月)~28日(月)、中米グアテマラおよび南米パラグアイで実施された標記調査団に地域景観チームの岩田主任研究員が講師として派遣され、カリキュラムの検討、帰国研修員のアクションプログラムの改定指導、現地でのセミナーでの講演など、全般にわたって技術指導を行いました。本調査団の概要は以下の通りです。

■中米・カリブ諸国対象のJICA現地研修(令和5年2月13日(月)~21日(火)) 本研修は、R2~R3年度に講師を務めたJICA「中米統合機構加盟国向け 道の駅による道路沿線地域開発コース」オンライン研修のフォローアップと現地技術指導を目的としてグアテマラにて実施されました。グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、ホンジュラス、ドミニカ共和国の中央省庁や自治体から参加した13名の帰国研修員とともに沿道施設を視察し、アクションプラン改定案や今後の取り組みについて議論しました。


■パラグアイの「道の駅」モデル導入予定地等の技術指導(同22日(水)~28日(月)) R5年度からJICA北海道センターで実施予定の南米パラグアイ国対象の研修に向けて、現地の「道の駅」モデル導入予定施設や参考となる沿道施設を訪れ、現地での技術指導や、中央省庁・自治体・沿道施設運営者との意見交換、「道の駅セミナー」での基調講演を行いました。


 中南米・カリブ諸国では、幹線道路の整備が進む中、通過する道路利用者を取り込み地域を豊かにする「道の駅」モデルが注目されています。そのため地域景観チームでは、中南米諸国の沿道施設に「道の駅」のコンセプトを現地の状況にあわせて導入し地域振興に貢献できるよう、2017年から毎年JICA北海道センターが実施する研修を通じて実践的な計画・設計・運営手法について技術指導を実施してきました。現在、エルサルバドル、ニカラグア、ホンジュラスでは「道の駅」をモデルとした沿道施設が設置・運営されており、その取り組みは南米にも広がりつつあります。
 今後も現地の中央省庁や地方自治体などの関係機関が連携しながら、自国への「道の駅」に関する調査や計画を行い、既存施設を活用した整備などが進められる予定であり、地域景観チームもJICA等を通じた技術支援に継続して取り組む予定です。

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▲ガソリンスタンドチェーンの地元オーナーが敷地内に店舗を設けて地域産のコーヒー豆や手工芸品を販売している事例

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▲雄大なカルデラ湖の展望台。景色を活かした道路利用者の休憩スペースに地元生産者が店を構えて工芸品を販売

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▲沿道施設の経営者から地域の生産者や手工芸作家との連携手法などをヒアリング

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▲アクションプランの進捗を報告する研修員

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▲「道の駅」セミナーでの講演の様子

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▲「道の駅」セミナー参加者との記念撮影
 手前の民族衣装を着た方々は地場産品の開発に取組む先住民の方々

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▲国営石油公社のガソリンスタンド
「道の駅」をモデルに休憩スペースを活用した地場産品販売を検討。国内展開に向けて観光庁や農牧省と協定を締結している

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▲市と小規模生産者の協議会が運営している農産物直売所を視察
 販売機会の少なかった生産者の組織化とエンパワメントを実現できている好事例

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▲日系移住者等が観光協会を組織して運営する観光情報センターの視察
 観光庁と市も協力し、道路利用者の取り込み策を検討中

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▲「道の駅セミナー」での講演。関係省庁、自治体、沿道施設の運営者などが参加
 
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▲在パラグアイ日本国大使館表敬訪問
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