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【令和6年度】 [報 文] 「道の駅」の整備効果とその発現プロセスに関する考察 岩田 圭佑/大部 裕次/上田 真代/福島 宏文 寒地土木研究所月報 第860号 2024.8.10 ●概要 道の駅は道路利用者の快適な休憩や移動支援を通じた交流人口の増加により、地域振興へ寄与することを目的とした社会インフラである。一方で、入込数や売上げの確保が難しい中山間地の道の駅では、必要とされる道路利用者の休憩や地域活動の拠点としての公的サービスに取り組みながらも、その機能・効果の発現に必要な運営体制の構築ができず、運営に苦慮している事例がある。また他方では、入込数や売上げを確保しながらも、経済利益に偏った運営がなされ、公的サービスが不十分な道の駅も見られる。こうした状況を踏まえると、道の駅がもたらす整備効果を適正に把握し、計画・設計段階の検討や、運営の支援・改善に取り組むことが重要と言えるが、それに必要となる整備効果の体系的な知見は示されていない。 そこで本研究では、道の駅に関する記事や文献を調査し、道の駅による経済的効果と社会的効果の項目を抽出・類型化することで、整備効果どうしの相互関係を分析した。これらにより、道の駅が道路利用者を取り込み地域振興につながるまでの整備効果の関係性を明らかにし、これまで部分的・主観的に示されてきた整備効果発現プロセスの全体像を体系的に提示した。 【令和5年度】 [論 文] ミニチュア模型を活用した無電柱化出前授業の取り組み (P246~251) 大部 裕次/岩田 圭佑/伊東 里枝子 第67回(2023年度)北海道開発技術研究発表会 2024/02/14 ~ 2024/02/16 ●概要 札幌市立伏見小学校5年生を対象として、電線・電柱方式の課題や無電柱化の効果を学んでもらう出前授業を行った。特徴として、クイズを中心とした座学とミニチュア模型を活用した体験を組み合わせることで、授業への参加意欲を高める工夫を行った。また、授業後の感想カードをテキストマイニングの手法を用いて分析し、出前授業を通じ、無電柱化に関する子供達の理解や関心が深まったことを把握した。 [論 文] スイスと日本の地方小都市を対象とした歩行空間構成要素の比較分析 (P263~268) 岩田 圭佑/笠間 聡/福島 宏文 第67回(2023年度)北海道開発技術研究発表会 2024/02/14 ~ 2024/02/16 ●概要 多くの人が移動を自動車に依存し、街なかを歩きたくなる魅力が不足している地方小都市では、自動車でのアクセスを前提としつつ、道の駅等の局所的な人の賑わいを周辺に波及させる空間の実現が重要と考える。 本研究では、日常から平時の歩行活動が根付いていると考えられるスイスの一般的な地方小都市と、日本および北海道の地方小都市を比較分析し、拠点施設周辺の回遊行動に寄与しうる空間の魅力とアクセス性について考察する。 [論 文] 走行シミュレーション実験によるラウンドアバウト中央島の効果の検証 (P281~286) 増澤 諭香/榎本 碧/福島 宏文 第67回(2023年度)北海道開発技術研究発表会 2024/02/14 ~ 2024/02/16 ●概要 ラウンドアバウト中央島は、マウンドや植栽等のランドスケープの導入により、交通安全面や景観面の向上が期待されている。しかし、中央島のデザインが運転行動へ与える影響は十分に明らかにされていない。 交通安全面と景観面で優れた中央島設計手法の提案に向け、中央島の設計パターンが異なるVR動画を用いた比較実験により、中央島にランドスケープ設計を行った場合の運転者の視線挙動等に与える効果を検証した。 [論 文] 景観検討においてアンケート評価を実施する際の留意点 (P287~292) 田宮 敬士/笠間 聡/福島 宏文 第67回(2023年度)北海道開発技術研究発表会 2024/02/14 ~ 2024/02/16 ●概要 地域景観チームでは、令和5年3月に「景観検討にどう取り組むか-景観予測・評価の手順と手法 Ⅲ.アンケート評価編」を公表した。景観に関する専門家がいない場合や予算に制約があるような場合に、アンケートの計画・準備から回答や評価に至る迄、現場の実務担当者が自ら調査を実践することを意識し作成した。 本稿では、このアンケート評価の実施に関して、ビューポイントパーキングの検討事例を対象とした留意点を解説する。 [論 文] 色彩検討におけるコンピューターシミュレーションの方法と課題について (P293~297) 笠間 聡/榎本 碧 第67回(2023年度)北海道開発技術研究発表会 2024/02/14 ~ 2024/02/16 ●概要 構造物の計画設計にあたり、色彩や塗装色を検討する際には、画像処理ソフトを使ったフォトモンタージュやCGによるコンピュータシミュレーションが多く利用されるが、その際に扱っているのは、ものの「見た目の色」であり、実際の塗装色ではないことに留意が必要である。 そのようなコンピュータシミュレーションを利用する際の留意事項について、色彩の景観設計手法に関する研究成果とあわせて発表する。 [論 文] 街路樹管理への点群データの利用可能性の検証 (P911~914) 榎本 碧/増澤 諭香/福島 宏文 第67回(2023年度)北海道開発技術研究発表会 2024/02/14 ~ 2024/02/16 ●概要 街路樹の強剪定は道路景観の質の低下だけでなく、樹木の健全な生育の妨げや維持管理負担に繋がる。 本研究は、街路樹の適切で効率的な剪定管理に向けた点群データの利用可能性を検証した。据置型レーザースキャナにより剪定適否の評価に必要な樹形等のデータを取得できた。実用性の点では、ポータブル型でも樹形等のデータ取得が可能であり、計測時間やデータ保存量の点から据置型よりも利点があることを明らかにした。 【令和4年度】 [報 文] 「観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間のパターン」に関する研究成果と「観光地等の屋外公共空間の診断マニュアル」について 笠間 聡/松田 泰明 寒地土木研究所月報 第836号 2022.10.10 ●概要 筆者らは、令和3年度までの期間、観光地の屋外公共空間を構成する要素と観光地の魅力の関係に関する研究を行い、これを通じ、「観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間のパターン」を明らかにした。これは、検討対象とする観光地の規模を「個々の滞在空間」「徒歩圏規模の観光地単位」「広域的な観光エリア」の3区分とした上で、その魅力向上に寄与するような屋外公共空間のデザイン上の配慮事項を、事例分析等をもとに明らかにし、計31項目に取りまとめたものである。 本稿では、このうちの「個々の滞在空間」を対象とした「観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間のパターン」の項目について、その研究および検討の経緯を報告する。観光地等の屋外公共空間においては、これらの「パターン」への適合を各項目ごとに評価診断することで、当該屋外空間における課題の抽出が可能であり、また改善案を具体に検討する際の支援ともなる。研究成果をもとに、各「パターン」の項目について、適合状況の診断の基準と診断の例、実際の空間改善にあたり参考となる空間整備事例などを取りまとめて、技術資料「観光地等の屋外公共空間の診断マニュアル」として提示した。 [報 文] 無電柱化事業に伴う地上機器設置における留意点について 大部 裕次/岩田 圭佑/松田 泰明 寒地土木研究所月報 第834号 2022.08.10 ●概要 無電柱化事業によって電線類地中化が行われた道路空間では、電線・電柱が撤去され、防災機能や交通安全性の向上と開放的な景観形成が期待される。一方、それまで電柱上に設置されていた電気設備が地上機器として新たに路上に設置されることで、景観や歩行の阻害が発生する課題がある。 そこで、現地調査を通じて地上機器設置の実態と課題を具体的に把握し、改善に向けた基本的な考え方を提示した。更に、地上機器の配置や形状が道路空間の景観や歩行の阻害に与える影響について、今後想定される無電柱化事業箇所の道路構造や沿道環境を踏まえ、視覚的・身体感覚的評価により検証を行った。以上から、今後の無電柱化事業による道路空間の景観や歩行の阻害を改善するために、地上機器設置にあたり特に配慮すべき事項を示した。 [報 文] ラウンドアバウト中央島構造による車両流入時のドライバーの視線挙動と運転挙動の変化 宗広 一徳(寒地交通チーム)/布施 浩司(寒地交通チーム)/増澤 諭香/榎本 碧/畠山 乃(寒地交通チーム)/金子 恵造(北海道開発局) 寒地土木研究所月報 第832号 2022.06.10 ●概要 上ノ国町大留交差点は、交通事故被害軽減及び同町のまちづくりに寄与する観点から、ラウンドアバウトに改良され、2019年10月より運用されている。同ラウンドアバウトの中央島は、平坦な舗装構造で整備された。2020年9月~2021年3月までの7ヶ月間、同中央島に中央部高さ1.2mの緑化盛土を仮設し、ドライバーの視線挙動と運転挙動の変化を調査した。被験者ドライバーの参加により、ラウンドアバウト流入時の視線挙動と運転挙動を計測した。 被験者の視線計測による注視データを重ねたヒートマップ及び興味関心領域(AOI)分析の結果から、中央島に緑化盛土を仮設したときは、環道右側からの車両への注視が集中する傾向が見られた。また、流入時の運転挙動の計測からは、中央島に緑化盛土を仮設したときは、流入部(ゆずれ線から手前10mの位置)で、減速傾向が明確に見られた。 本実験結果から、中央島に緑化盛土を設置することは、ラウンドアバウトへの流入時におけるドライバーの適切な注視方向と車両の速度低減を促すことが確認された。幹線機能を有する道路にラウンドアバウトを設置する場合、安全性向上のために、中央島の緑化盛土構造は効果を発揮することが示された。 【令和3年度】 [論 文] ラウンドアバウトにおける視距確保と対面見通しの適切な制御に関する検討 増澤 諭香/榎本 碧/松田 泰明 第65回(2021年度)北海道開発技術研究発表会 2022.02.14 ~ 2022.02.17 ●概要 ラウンドアバウトは対面見通しの適切な制御により、安全性が高まるとされ、海外では基準等に示されている。しかし、国内の現行基準には必要な視距の範囲や、対面見通しの適切な制御のために植栽やマウンド等の導入が望ましい範囲は示されていない。 本研究は、中央島の設計手法の提案に向け、海外の事例や基準類等を調査し、視距確保のために植栽等を行わない範囲と、対面見通し制御のため植栽等を導入する範囲を検討した。 [論 文] 剪定強度の違いによる街路樹の生育への影響 榎本 碧/松田 泰明/増澤 諭香 第65回(2021年度)北海道開発技術研究発表会 2022.02.14 ~ 2022.02.17 ●概要 街路樹の強剪定は、生育不良、樹形の乱れによる街路景観の質の低下や維持管理手間の増大などの問題に繋がる。 本研究では、積雪寒冷地で一般的に使用される街路樹の成木を対象に、剪定強度の違いが樹木の生育に与える影響について定量的に分析を行った。調査では、対象木から当年枝を採取し、1年間の伸長量と葉数、葉面積を集計し、その結果、強剪定による葉面積の増大および当年枝の伸長量の増加がみられた。 [論 文] 電線類地中化事業における地上機器設置の課題と景観対策について 大部 裕次/岩田 圭佑/松田 泰明 第65回(2021年度)北海道開発技術研究発表会 2022.02.14 ~ 2022.02.17 ●概要 無電柱化事業(電線類地中化)が行われた道路空間では、防災機能や交通安全性の向上と開放的な景観の形成が期待される。しかし一方で、新たに地上機器が路上に設置されることで、道路空間の機能低下や魅力的な景観形成に繋がっていない事例も少なくない。 本報告では、調査結果を基に、無電柱化の目的でもある道路の機能や沿道の魅力向上を効果的に進めるため、地上機器設置の現状と課題及びその景観対策について提案する。 [論 文] 「道の駅」の地域振興効果発現プロセスからみた効果的な運営手法に関する研究 岩田 圭佑/大部 裕次/松田 泰明 第65回(2021年度)北海道開発技術研究発表会 2022.02.14 ~ 2022.02.17 ●概要 「道の駅」では、運営上の課題から地域振興効果が十分発揮されていない事例も見られる。その理由のひとつに効果の発現プロセスと効果発現に繋がる運営手法の知見が体系的に示されていないことが挙げられる。 本研究では、文献と現地調査から整備効果の発現事例を収集した。これらに基づき効果と運営手法の関係性を分析することで、主な30項目の地域振興効果発現モデルを作成し、効果発現に繋がる効果的な運営手法を示した。 [論 文] より良いインフラをつくるために景観検討にどう取り組むか 田宮 敬士/笠間 聡/松田 泰明 第65回(2021年度)北海道開発技術研究発表会 2022.02.14 ~ 2022.02.17 ●概要 より良いインフラをつくるために、本来、完成後の姿や周辺景観との調和などを予め知り、議論・評価を行い設計に反映させること(景観予測・評価)が必要である。しかし、景観検討の経験が少ない技術者にとってその取り組みは難しい。 本稿では、調査研究に加えて、学識者や技術者らとの議論も踏まえ、3つの手順(①着眼点の整理・発見、②パースや模型、BIM/CIMなど予測ツールの活用、③議論・評価)を提案する。 [論 文] 道路ルートの観光的魅力に影響する要因に関する調査分析 笠間 聡/松田 泰明 第65回(2021年度)北海道開発技術研究発表会 2022.02.14 ~ 2022.02.17 ●概要 移動中に体験する道路からの景観は、当該道路ルートおよび沿道地域の観光的魅力に大きな影響を与える。これらの観光的魅力を磨き上げるには、道路からの景観と観光的魅力の関係に関する知見が欠かせない。 そこで、道路附属物や擁壁等の道路構造物の形態や量、出現区間、休憩施設等において提供される滞在空間やサービスが、当該道路ルートの魅力に与える影響について、アンケート調査結果のコンジョイント分析から明らかにした。 [論 文] 積雪寒冷地での気泡混合固化土の施工例と経年評価 佐藤 厚子(寒地地盤チーム)/林 宏親(寒地地盤チーム)/松田 泰明 基礎工 2021.11.30 ●概要 埋設管の埋め戻し、土木構造物に作用する土圧の軽減、軟弱地盤の沈下対策、現地発生土の有効利用などに対応する方法として、各機関において軽量な流動化処理土の研究がされ、十分な長期耐久性を有していることが報告されている。寒地土木研究所においても、北海道で発生する土砂を原土とした新たな軽量盛土材として気泡混合固化土の開発を行ってきた。 本文は、気泡混合固化土の施工例と、これを施工してから25年以上経過した気泡混合固化土について物性値を調べたその結果、時間が経過しても、乾燥密度に変化はなく、強度増加し、気泡混合固化土はほとんど劣化しなかった。 [報 文] 日本におけるラウンドアバウト中央島の設計の現状と課題 増澤 諭香(地域景観ユニット)/榎本 碧(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/太田 広(研究調整監)/宗広 一徳(寒地交通チーム) 寒地土木研究所月報 第819号 2021.6.10 ●概要 ラウンドアバウトは2014年から国内で導入が始まり、速度抑制の機能による重大事故リスク低減、中央島の緑化による景観向上の効果などが期待されている。欧米諸国では、安全性と景観を両立した中央島の設計が行われているが、国内では中央島の設計手法の詳細について規定されておらず、交通安全面と景観面で課題がある。 そこで、ラウンドアバウトの機能を高める設計手法の検討に必要な基礎的知見を得ることを目的に、国内の全101箇所のラウンドアバウト中央島の緑化に関する現状分析を行った。 [報 文] 木材を利用した土木工作物における腐朽劣化の発生率の予測式とそれに基づく維持管理頻度等の算定方法 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 寒地土木研究所月報 第817号 2021.4.10 ●概要 土木分野における木材利用の普及拡大に向けて、その前提として必要となる、木材を利用した工作物の耐久性能やそれにより必要となる維持管理などに関する知見を収集することを目的に、2015年度 ~ 2019年度の研究期間において、研究を行ってきた。 本稿ではまず、既存の木製工作物の腐朽劣化状況の調査結果に基づく、経年と腐朽劣化の関係に関 する分析結果について報告する。腐朽劣化の傾向は、部材ごとにその設置条件によって大きく異なり、「地際部材」「一般部材」「良環境部材」の3区分で整理できる。これら3区分について、経年と腐朽劣 化の関係に関する調査結果から、その傾向を回帰分析により求めた。 また、この予測式をもとにして、木製工作物を屋外空間で供用する際に必要となる、メンテナンス の頻度やコストについて算定方法を提案した。これについて算定例を用いて報告する。 【令和2年度】 [論 文] 北海道における河川及び農業土木施設を対象とした色彩評価 榎本 碧/笠間 聡/松田 泰明 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 橋桁や水門など広い面積を持つ面的な部材や、柵や樋門など規模は小さくとも連続して存在する土木施設が地域景観に与える影響は大きい。こうした土木施設の色彩は、設置場所や構造物の特性、機能等に合わせて景観に調和する色彩を検討する必要がある。 本研究では一般市民を対象としたWEBアンケートにより、北海道に立地する河川及び農業土木施設の色彩について、背景となる風景との調和及び選好性の評価を行った。 [論 文] 画像に映る雲や日光が景観評価結果に及ぼす影響 田宮 敬士/笠間 聡/松田 泰明 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 公共事業では、完成後の姿や周辺景観との調和などを予め知り、設計に反映させること(景観予測・評価)が重要となる。景観予測・評価ではフォトモンタージュなどの画像を用いることも多いことから、画像作成における留意点の提示が有効となる。これに関し、雲量や日光の強さが評価結果に及ぼす影響とその程度について、印象評価実験により明らかにした。 [論 文] 国内におけるラウンドアバウト中央島の緑化の現状分析 増澤 諭香/榎本 碧/松田 泰明 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 2014年に改正道路交通法が施行されて以来、国内でもラウンドアバウト導入が進む。ラウンドアバウトの中央島は、適切な緑化による事故率の低下が先行研究で示され、また地域の魅力向上効果も期待できる。しかし国内では中央島の緑化設計の参考となるような技術資料等はみられない。 本研究は中央島の緑化の計画設計手法の提案に向け、国内全101箇所を対象に中央島の緑化に関する資料を収集し、現状分析を行った。 [論 文] 郊外部における電線・電柱類の地中化促進に向けた合理的な設計について 大部 裕次/岩田 圭佑/松田 泰明 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 電線電柱類の地中化は、電力通信需要密度の高い都市部を前提とした電線共同溝がほとんどであり、観光振興に寄与し潜在ニーズも高い郊外部における道路構造や少ない需要に適した工法や合理的な設計の基準類が示されてなく、高コスト・非効率となっている。 本稿では国内外の事例や事業者ヒアリングを通じた分析から、路外も含めた埋設位置や条数の少ない断面設計など、郊外部に適した合理的な設計の考え方を検討したので報告する。 [論 文] 滞在や利用を誘発する広場等の公共空間のあり方について 笠間 聡/松田 泰明/柳田 桃子 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 観光地や市街地、駅前などでは、人々に積極的に利用され、一時の滞在や滞留にも利用されるような広場空間が期待されるが、既存の広場等には利用者がまばらであったり、通過するだけになっている広場も少なくない。 魅力的で滞在や利用を誘発するような広場等の空間のあり方について、著者らの既往の研究成果である「広場等の設計上の配慮事項」に基づき、国内外の広場等の事例分析を通じて考察した結果を報告する。 [論 文] 利用実態に基づく安全で使いやすい「道の駅」駐車場の設計提案 岩田 圭佑/大部 裕次/松田 泰明 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 「道の駅」では、駐車場内の歩行者と車両の錯綜リスクが高い事例や、駐車マス幅員が不十分で安全に乗降できない事例がみられ、利用状況を踏まえた基準適用や設計が求められることを昨年度発表した。 本報告では、札幌近郊の「道の駅」駐車場における歩行者と車両の動きや車両の駐車間隔等の実態調査から、効果的な歩車動線の分離手法や必要な駐車マスの幅員の考え方を示し、安全で使いやすい駐車場設計に向け提案する。 [論 文] 「道の駅」の計画段階における景観配慮事項の提案 柳田 桃子/松田 泰明/岩田 圭佑 第64回(2020年度)北海道開発技術研究発表会2021/02/15 ~ 2021/02/19 ●概要 「道の駅」の登録要綱では景観配慮が求められているが、具体的要求事項やその手法は示されておらず、地域の魅力や良好な沿道景観の形成に寄与していない事例もみられる。そこで「道の駅」の景観向上手法を示した技術資料を作成するため、良好な景観創出の視点から「道の駅」の事例調査を行った。 本報告では、既往研究と本調査を基に主に計画段階や増改築時に配慮すべきポイントやその手法について提案する。 [論 文] 自治体の景観計画からみた観光資源としての道路景観の活用に関する課題 松田 泰明/笠間 聡 日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2020.11.28 ●概要 魅力的な景観は重要な観光資源となる。なかでも道路からの景観は、地域の印象に大きく影響する。このため、欧米を中心に観光資源としての道路景観を活かした施策も多い。 しかし、日本では道路空間に対する景観配慮の不十分さから、魅力ある地域景観が十分に生かされていない。これら課題の根源的原因としては、観光資源としての道路景観が地域のブランドの形成や観光振興へどのように影響するのか、またその価値についての認識が十分ではないことを指摘できる。 一方、直接的な原因としては国土・地域計画の視点からの問題、すなわち道路の計画・設計や、自治体の景観計画、都市計画、土地利用計画、建築物・工作物等の規制・誘導、さらには観光施策などにおいて、道路景観の重要性が十分に考慮されていないことが考えられる。この原因の一つに行政計画に道路景観の重要性が反映されていないことが考えられる。 そこで本研究では、国土・地域計画の視点から、観光資源としての道路景観を活かした観光まちづくりに向け、道路景観の保全や活用に有効な手法である、景観法に基づく景観計画を活用するにあたって、現状の課題を明らかにし、得られた課題を踏まえて観光資源マネジメントとしての景観重要道路の指定に有効と考えられる方策の提示を試みた。 [論 文] 送配電線の地中化計画および事業手法に関する欧米の事例調査 岩田 圭佑/大部 裕次/松田 泰明 日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2020.11.28 ●概要 日本では、市街地を対象とした電線類地中化は計画的に進められている。しかしながら、農村自然域を対象とした送配電線の地中化は市街地と比べると極めて少なく、事業の制度や評価の仕組み、技術開発も進んでいない。 一方、日本よりも送配電線の地中化が進む欧米諸国では、そのような制度・仕組み・技術の開発が進み、地域性を踏まえた進め方や長期的ビジョンに基づいて送配電線の地中化に取り組んでいる。 そこで本報告では、日本の国土全体でみた送配電線の地中化計画や事業検討に向けた基礎資料とするため、デンマーク、英国、米国の送配電線地中化事業の報告書等を調査し、以下についての考え方を示す。 [論 文] 国内外のラウンドアバウト緑化に関する技術指針について 太田 広/榎本 碧/松田 泰明 日本計画行政学会第43回全国大会研究報告要旨集 2020.11.27 ●概要 ラウンドアバウトは、1966年に英国で交差点流入部における環道優先のルールが導入され、1980年代以降、英国、フランスをはじめとする欧米諸国で多く整備されている。日本では、2014年より改正道路交通法が施行され、同法第4条第3項に規定される環状交差点の運用が開始された。 本報告では、欧米諸国におけるラウンドアバウト緑化に関する技術指針等を収集、比較し、ラウンドアバウト緑化に期待される有効性を考察した。 [論 文] 欧州におけるラウンドアバウト修景緑化の事例調査 榎本 碧/太田 広/松田 泰明 寒地技術論文・報告集vol.36 2020.11.25 ●概要 ラウンドアバウトは、2014年に施行された改正道路交通法第4条第3項に規定される環状交差点(車両の交通の用に供する部分が環状の交差点であって、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているもの)である。 本報告では、欧州諸国におけるラウンドアバウト中央島の緑化事例を収集し、ラウンドアバウト緑化の有効性等を考察した。 [論 文] 国内におけるラウンドアバウト中央島の緑化に関する現状分析 増澤 諭香/榎本 碧/松田 泰明/岩田 圭佑/太田広/宗広 一徳 第62回土木計画学研究発表会・秋大会 2020.11.13 ●概要 2014年に改正道路交通法が施行されて以降、国内でラウンドアバウトの導入が進んでいる。ラウンドアバウトは中央島やエプロン、環道などで構成され、特に中央島の緑化は交通安全機能や景観機能を向上させ得る。しかし国内では、中央島の具体的な利用事例、及び緑化の基準や設計手法の確立は進んでおらず、現状も明らかとなっていない。 そこで本研究では、国内全101箇所のラウンドアバウト中央島の利用事例の体系化、設計手法の確立に向け、中央島の利用や緑化に関する資料収集し、現状分析を行った。 [論 文] 既往文献のレビューにもとづくラウンドアバウトの中央島のランドスケープのあり方 榎本碧/増澤諭香/松田泰明/岩田圭祐/太田広/宗広一徳 第62回土木計画学研究発表会・秋大会 2020.11.13 ●概要 ラウンドアバウトの緑化は、対面の見通しの制御や交差点への進入速度の低減など交通安全機能の確保の点から効果が期待される。加えて、運転者の視線が集中し一種のビスタ景となる中央島などの道路の景観機能や都市における生物多様性の保全等の環境保全機能も期待できる。 しかし、現在、日本では中央島の具体の利用事例や設計等の基準や手法の確立は進んでおらず、運用されているラウンドアバウトにおいて交通安全機能や景観、環境などの多様な機能を考慮しランドスケープ設計が実施されている事例は少ないと考えられる。 そこで本研究では、国内外のラウンドアバウトに関する既往文献のレビューを行い、ラウンドアバウトの中央島のランドスケープのあり方について考察した。 [論 文] 産業連関表を用いた「道の駅」の経済波及効果の算定手法に関する提案 大部 裕次/緒方 聡/岩田 圭佑/松田 泰明 第62回土木計画学研究発表会・秋大会 2020.11.13 ●概要 「道の駅」の整備効果は、ドライバーの疲労回復、沿線地域の交通安全や移動環境の向上などの社会的効果と、地場産品の売上増や地域の雇用増などの経済的効果が直接・波及的に現れる。「道の駅」の整備目的を考えたとき、これら効果の発現状況を把握することは、重要かつ本来必要なことであり、持続可能な「道の駅」を目指す上でも有効となる。 しかし、現状ではその評価手法が示されていないこともあり、多くの「道の駅」ではこれらの評価は十分行われていない。 そこで本研究では、「道の駅」の整備効果のうち、経済波及効果について自治体や管理運営者が比較的簡易に把握できる方法として、産業連関表に基づいた「道の駅」版経済波及効果の算定手法の提案を試みた。具体には、実際の「道の駅」をケーススタディに、自治体や「道の駅」運営者らの協力を得て、「道の駅」の売上項目と産業連関表の部門分類との整合性や算定結果の活用方法などについて検証し、これらを手引きにとりまとめたので報告する。 [論 文] 「道の駅」の景観配慮に関する項目の試案 柳田 桃子/松田 泰明/岩田 圭佑/大部 裕次 第62回土木計画学研究発表会・秋大会 2020.11.13 ●概要 「道の駅」の登録要綱には、施設の整備にあたって景観に十分配慮するよう示されている。また、先行研究より、「道の駅」における内部景観の良好さは利用者の「道の駅」全体の評価に影響することを確認している。 しかし、実際は利用者が快適に感じる景観配慮が十分になされていない事例が多い。その要因として、「道の駅」の計画・設計の際に具体的に景観配慮すべき項目が示されていないことが考えられる。 そこで本研究は、「道の駅」の景観配慮すべき項目の抽出を目的とする。具体には、「道の駅」の景観に影響する観点を先行研究より仮定し、実際の事例について仮定した観点が配慮出来ているか分析した。その結果より景観配慮の具体的なポイントと評価の視点をまとめ、「道の駅」の景観配慮項目を提案した。 [論 文] 観光資源としての道路景観の価値に関する考察 松田 泰明/笠間 聡/田宮 敬士 第62回土木計画学研究発表会・秋大会 2020.11.13 ●概要 道路移動中に体験する地域固有の魅力的な沿道景観は、重要な観光資源となり、例えばノルウェーのNationalTouristRouteなどの取り組みも、魅力的な沿道景観をベースとしている。 一方、国内でも日本風景街道などの取り組みが進められているが、実際の道路景観をみると地域が本来有している魅力ある景観が十分生かされているとはいえない。この原因の一つとして、観光資源としての道路景観が観光振興へどのように影響するのか明らかでないことや、またその価値が十分に認識されていないことが考えられる。 そこで本報告では、観光資源としての道路景観の重要性や価値、効果について、優れた沿道景観を生かした欧米の観光街道の取り組み事例の調査から、これらがどのように評価をされているのか把握を試み、その課題等について考察した。 [論 文] 途上国への「道の駅」モデルの展開に必要な技術協力に関する考察 岩田 圭佑/松田 泰明/田中 努/小笠原 奈央 第62回土木計画学研究発表会・秋大会 2020.11.13 ●概要 近年、途上国の道路整備が進む中、道路沿線地域の経済的・社会的な振興を図るモデルとして、日本の「道の駅」が注目され、「道の駅」をモデルとした沿道施設の整備事例も増えている。 しかし、中には沿線地域の振興に繋がらない整備事例も少なくない。そのため、途上国の地域の実情にあった「道の駅」モデルによる地域開発の技術が求められている。 本稿では、キルギス共和国、および中米・カリブ地域を対象とした「道の駅」整備の技術指導を通じて、途上国から求められている日本の技術協力の内容を考察した。その結果、「道の駅」の建設と管理運営における関係者の連携手法、地域コミュニティの参画と組織化の手法、「道の駅」モデルによる地域開発の効果の明確化、国と地域の実情にあわせた計画と設計の手法について示した。 [論 文] 維持管理性を考慮した街路樹の景観検討 太田 広/榎本 碧/松田 泰明 土木学会令和2年度全国大会第75回年次学術講演会講演概要集 2020.09.09 ●概要 北海道において維持管理性を考慮して樹種転換を図るとき、道路景観の印象がどのように変化するのか予測するための知見は十分ではない。 そこで、街路樹更新に伴う道路景観の印象の変化を把握するため、道路景観の印象評価実験を行ったので結果の一部を報告する。 【令和元年度】 [論 文] 積雪寒冷地の河川空間における土木施設の色彩の印象評価 榎本 碧/笠間 聡/松田 泰明 第63回 (2019年度) 北海道開発技術研究発表会 2020.02.18 ●概要 公共空間において土木施設等の色彩が景観に及ぼす影響は大きい。北海道では積雪期と非積雪期の環境色が大きく変化するが、土木施設の色彩設計に関する技術資料等では、寒地土研発行の色彩ポイントブックを除くと、積雪寒冷地の条件を考慮した検討や記述は限られる。 本研究は、積雪寒冷地の河川景観に融和する色彩について検討するため、河川護岸において、土木技術者と一般市民を対象に、色彩の印象評価実験を実施した。 [論 文] BIM/CIMの3次元モデルを用いた計画・設計の有効性に関する一考察 田宮 敬士/笠間 聡/松田 泰明 第63回 (2019年度) 北海道開発技術研究発表会 2020.02.18 ●概要 公共事業において、事業完成後の姿や周囲との調和などを事前に知っておくこと(予測)は良いものをつくる上で必要である。この予測を効果的・効率的に行うために、導入が進むBIM/CIMの3次元モデルの適用が期待されているが、予測に必要な精度などは明確にされていない。 そこで本研究では3次元モデルの景観予測への適用性に関する評価実験を行い、簡易的な3次元モデルでも周囲との調和などを予測できることを把握した。 [論 文] 「道の駅」駐車場の課題と機能向上にむけた計画・設計手法の提案 岩田 圭佑/緒方 聡/松田 泰明 第63回 (2019年度) 北海道開発技術研究発表会 2020.02.18 ●概要 これまで著者らは、「道の駅」をはじめとする国内の沿道休憩施設の駐車場において、安全性や快適性、使いやすさに関する様々な課題を把握してきた。 本報告では、「道の駅」駐車場の計画・設計手法の課題を示したうえで、「道の駅」の現地調査やヒアリング、国内のみならず欧米濠の事例分析から、施設配置、施設利用と駐車場規模、自動車や歩行者の安全性向上への配慮、緑化、駐車マス幅などの計画・設計手法について提案する。 [論 文] 観光地の屋外公共空間と観光客の滞在行動の関係に関する調査 笠間 聡/松田 泰明 第63回 (2019年度) 北海道開発技術研究発表会 2020.02.18 ●概要 観光地としての魅力向上、特に近年課題となっている滞在型観光の促進や観光地における滞在時間の向上を考える上で、景観や空間(屋外公共空間)の質および機能は重要である。 そこで、日本人および外国人の観光経験者を対象として、国内外の観光地における滞在経験や評価に関するアンケート調査を実施し、観光地の公共空間と観光客の滞在行動の関係などに関して分析を行ったので報告する。 [論 文] 道路景観改善からみえる積雪寒冷地での持続可能な道路管理についての考察 緒方 聡/松田 泰明/田宮 敬士 第63回 (2019年度) 北海道開発技術研究発表会 2020.02.18 ●概要 魅力的な沿道景観は観光資源ともなり、道路景観の改善や配慮に努めているが、人口減少や社会縮小の時代を向かえ、将来とも持続可能な道路整備・管理が求められる。 本報告では、道路景観改善の取り組み事例と、その技術支援となる北海道の道路デザインブック(案)及び同チェックリスト(案)の改訂作業を通じた知見を一つの事例に、持続可能な道路整備・管理、更には各種要領等の今後のあり方についても考察する。 [論 文] 積雪寒冷地の道路景観の改善からみえる持続可能な道路管理について 緒方 聡/松田 泰明/田宮 敬士 2020ふゆトピア・フェアinとまこまい 2020.01.23 ~ 2020.01.24 ●概要 北海道では雄大な自然や雪景色など他地域にない貴重な景観資源を有し、増加する来道者が移動中に景観を楽しむ機会が多い。また、「シーニックバイウェイ北海道」など沿道の美しい景観を地域資源として活用し地域振興や魅力ある観光空間作りも継続して行われ、観光振興の面からも道路景観の向上は昨今の道路事業における地域貢献としてきわめて重要なテーマとなっている。 本報告では、積雪寒冷地の道路景観の改善について「シーニックバイアウェイ北海道」での道路景観改善の取り組み事例と、その活用の技術支援となる技術資料「北海道の道路デザインブック(案)」及び「北海道における道路景観チェックリスト(案)」の改訂作業を踏まえ、これからの持続可能な道路管理を考察する。 [論 文] 北海道の道路環境特性とこれに適合する色彩について 笠間 聡/松田 泰明 2020ふゆトピア・フェアinとまこまい 2020.01.23 ~ 2020.01.24 ●概要 北海道の道路は、「広大で開放的な景観」「冬期の雪景色」などの点で、本州以南の地域と比較して特異であり、これらを考慮すると、旧来から用いられているダークブラウンなどの茶系の有彩色は北海道の環境・景観に融和しにくい。 代替となる候補色としては、ダークグレー・亜鉛めっき仕上げ・緑系のグレーといった色彩が考えられる。 寒地土木研究所で実施した被験者テストの結果からは、夏・冬ともにダークグレーや緑系のグレー(中でもGY系のグレー)の評価が高かった。緑系のグレーは、道内においても多数の採用例があり、良好な例もある。 寒地土木研究所では、これらの知見を「北海道の色彩ポイントブック」として取りまとめ、提供をはじめた。 [論 文] カーブ区間における線形誘導標示板がドライバーの視線挙動に与える影響 石田 眞二/松田 泰明 交通工学論文集 2020.01.01 ●概要 線形誘導標示板であるシェブロンマーカーは、設置基準が明確に定められていないため、設置の過多や設置位置の不統一などにより、設置効果の低下が懸念されている。 本研究の目的は、シェブロンマーカーが、ドライバーの注視行動に与える影響を昼間と夜間に分けて調査を実施し、シェブロンマーカーなどの設置基準やマニュアルを作成するための基礎資料を収集することである。アイマークレコーダーを用いた供用道路における調査を実施した結果からシェブロンマーカーの高い誘目性が明らかとなり、カーブ手前の直線(ストレート)区間の走行中に視認している傾向が強いことがわかった。 また、設置数が増加することにより、ドライバーの注視点が分散される傾向が認められた。 [論 文] アンケート調査に基づく観光客の観光行動と観光地評価の国内外比較 笠間 聡/松田 泰明 景観・デザイン研究講演集 No.15 2019.12.07 ●概要 観光振興や観光地としての魅力向上、特に、観光客の滞在時間の向上とそれによる域内観光消費額の増加は多くの地域で期待されているところである。 本研究では、日本人および外国人の観光経験者を対象にアンケート調査を実施し、国内外の観光地における観光客の観光行動や各観光地に対する印象や評価を把握し、種々の分析と考察をおこなった。 [論 文] 積雪寒冷地の河川空間における色彩の印象評価 榎本碧/笠間聡/松田泰明 第15回景観・デザイン研究発表会 2019.12.07 ●概要 公共空間において土木施設の色彩が景観に及ぼす影響は大きい。視認性のみを考慮した結果、色彩が景観を損ねる事例や、それとは逆に、景観への調和を重視した色彩が、構造物の認知を低下させている事例が存在する。また、北海道では積雪期と非積雪期の環境色が大きく変化するが、一般的な土木施設の色彩設計に関する技術資料等では、こうした積雪寒冷地の条件を考慮した検討や記述は限られる。 本研究では、積雪寒冷地における土木施設の設計、維持管理の現場で色彩の計画や設計を支援する参考資料を作成することを目的に、積雪寒冷地の河川景観に融和する色彩について検討した。 [論 文] Methods and Issues of Regional Development Using the "Michi-no-Eki" Model in Growing Countries 岩田 圭佑/松田 泰明/田中 努 第60回土木計画学研究発表会 講演集 2019.11.30 ●概要 近年、途上国において道路インフラ整備と交通需要の増加が進んでいる。それらの効果を道路沿線地域の経済・社会的な振興を図るモデルとして、日本の「道の駅」が注目されている。そのような中、アジアをはじめとした海外諸国で、「道の駅」をモデルとした沿道施設"Michi-no-Eki"の整備事例が増えている。しかし、それらが沿線地域の振興に繋がらない事例も少なくない。"Michi-no-Eki"モデルによる地域開発手法をそれらの途上国に提供するノウハウが求められている。 著者らは、中央アジアや中米諸国を対象とするJICA北海道による"Michi-no-Eki"研修に2013年から協力してきた。 本研究では、そこで得られた知見を通じて、途上国で"Michi-no-Eki"に期待する効果やその整備手順について示し、途上国での道の駅を通じた地域開発の課題と方策を考察した。 [論 文] 行政計画からみた観光資源としての 行政計画からみた観光資源としての道路景観の活用に関する課題 松田 泰明/笠間 聡/田宮 敬士 第60回土木計画学研究発表会 講演集 2019.11.30 ●概要 魅力的な景観は大きな観光資源となるが、なかでも主な移動路である道路からの景観は地域の印象に大きく影響する。このため、諸外国では観光資源としての道路景観を生かした施策を進める事例も多い。日本でも、シーニックバイウエイ北海道や日本風景街道の取り組みが進められている。 しかし、日本では道路景観への配慮の不十分さから、本来の魅力ある景観が十分生かされていない。この直接の原因の一つとして、道路計画や地域計画及び観光施策などの行政計画において道路景観の重要性が反映されていないことが考えられる。 そこで本研究では、観光資源としての道路景観の活用について、主に景観法に基づく景観計画への反映状況を調査し、その課題などについて考察する。 [論 文] 積雪寒冷地における景観向上を目的とした無電柱化事業の優先度に関する考察 緒方 聡/岩田 圭佑/松田 泰明 第35回寒地技術シンポジウム 2019.11.27 ●概要 北海道では雄大な自然や雪景色など他地域にない貴重な景観資源を有し、増加する来道者がレンタカーなどで移動中に景観を楽しむ機会が多い。しかしながら、電線電柱類が沿道景観を阻害している事例も少なくない。特に、近年の通信需要の拡大に伴い農村部や自然域においても通信ケーブルが増加し、それを支える為の新たな通信柱も増えている。 景観向上を目的とした無電柱化事業の優先度の考え方を示すことを目的に、景観形成を主な目的とした自治体による無電化に関する整備事例と無電柱化に関する整備事例と無電柱化推進計画を分析した。 その結果をもとに、無電柱化事業で優先度を検討する際の条件について考察した。 [論 文] 海外におけるラウンドアバウト緑化の事例調査 太田 広/髙橋 哲生/中村 直久/宗広 一徳/榎本 碧/松田 泰明 寒地技術論文・報告集vol.35 2019.11.27 ●概要 ラウンドアバウトは、2014 年9 月1日に施行された改正道路交通法第4条第3項に規定される環状交差点(車両の交通の用に供する部分が環状の交差点であって、道路標識等により車両が当該部分を右回りに通行すべきことが指定されているもの)である。 本報告では、欧米諸国におけるラウンドアバウト緑化に関するガイドライン等及び主に中央島の緑化事例を収集し、ラウンドアバウト緑化の有効性等を考察した。 [論 文] 海外における日本の「道の駅」モデルによる地域開発の可能性について 松田 泰明/岩田 圭佑/田中 努 令和元年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2019.11.16 ●概要 日本の国際協力により、海外においても日本の「道の駅」をモデルとした沿道施設がアジア地域や遠くはアフリカなどにも整備されている。 本報告では、これまでの著者らの調査研究や6年間の国際協力機構(JICA)の課題別研修への協力の経験をふまえ、海外における「道の駅」モデルによる地域開発の可能性と今後の国際協力に向けての方策について述べる。 [論 文] 自然・田園域における電線電柱類の無電柱化による景観向上効果と無電柱化技術 緒方 聡/岩田 圭佑/松田 泰明/大竹 まどか 土木技術資料10月号特集報文 2019.10.1 ●概要 本報告では、本来、大きな景観向上効果が期待でき潜在的なニーズも高い良好な景観資源を有する自然・田園域で無電柱化を実施した場合の景観向上効果や、地中化以外での沿道環境に応じた多様な手法を提案する。 また、寒冷地での課題克服やコスト縮減にむけた技術開発について紹介する。 [論 文] 樹林景観に関する既往知見を活用した河道内樹林伐採手法の検討 岩田 圭佑/松田 泰明/柏谷 和久 寒地土木研究所月報 第794号 2019.7.10 ●概要 河道内樹林の維持管理においては、河川の流下能力阻害や巡視活動の支障を防ぐ目的で"皆伐"(対象地全ての樹林伐採)が行われる事例も少なくない。一方、皆伐は景観や生態系に与える負荷や、伐採後の萌芽と再繁茂により、結果的に治水、生態系、景観の各機能の持続可能性を低下させるなどの課題がある。そのため近年では、治水上の支障が小さいことを前提に、景観や生態系に与える負荷を減じ良好な樹林環境への更新を目指した伐採事例もみられ、管理者が目標とする河道内樹林の姿を共有して持続的に維持管理するための参考となる技術資料が求められている。 本研究では、樹林景観に関する既往の知見を河道内樹林の伐採へ適用する可能性や方法を考察することを目的として、樹林景観に関する既往研究から、樹林景観の印象を構成する評価軸と、樹木・樹林の物理的特徴の関係を分析した。 [論 文] 木塊舗装の技術的変遷に関する文献調査 岩田 圭佑/原口 征人/今 尚之 第39回土木史研究発表会 2019.6.22 ●概要 明治末期から昭和初期にかけて全国各地で採用された木塊舗装は、札幌市の道庁正門前木塊舗装が土木学会選奨土木遺産に認定されるなどその価値が再認識されている。その施工方法および特徴については様々な専門書において述べられている一方、海外や国内の木塊舗装整備の歴史的経緯は詳らかにされていない。これを整理体系化することで、道庁正門前木塊舗装の学術的な価値付けを深めることができる。 本研究では、国内外の木塊舗装の事例を当時の専門書から収集し、技術的検討の変遷をまとめた。 [論 文] 英国の歴史的橋梁保全におけるデザイン諮問機関の役割 榎本 碧 第39回土木史研究発表会 2019.6.22 [論 文] 白杖の打音を利用した木製バリアフリー歩道の視覚障害者に対する有効性の検証 樋口 明彦/佐々木 裕大/榎本 碧/原田 大史/荒巻 祥大/永村 景子/羽野 暁 第59回土木計画学研究発表会・春大会 2019.6.8 ●概要 本研究は視覚障害者の車道への飛び出し等を防止し安全性を高めるバリアフリー歩道の改善策として、音により視覚障害者を誘導する木製バリアフリー歩道の開発を目的とし、車道に使用されるアスファルト等の一般的な舗装材と木製舗装材を用いた試験歩道を用いた木製バリアフリー歩道の歩行試験を行った。 試験の結果、屋外であっても全盲者、日常的に白杖を使用する弱視者ともにアスファルトからウッドデッキへと舗装が変化したことに気づき、さらにその理由として「音の違い」が有効であることがわかった。また、試験後のヒアリング調査でもウッドデッキの音の違いにより、自分のいる位置のわかりやすさやそれによる歩行の安心感が得られることがわかった。これにより、歩道における木材利用の有効性の検証ができた。 今後は、防腐処理等の耐久性や維持管理に関する検証が必要である。 【平成30年度】 [論 文] 北海道における道路附属物等の色彩の課題と選定方法について 笠間 聡/榎本 碧/松田 泰明 第62回(平成30年度)北海道開発技術研究発表会 2019.2.18 ●概要 地域景観ユニットでは平成30年6月に、それまでの研究成果をもとに「北海道の色彩ポイントブック」を取りまとめ、北海道の道路環境の特異性について整理し、北海道における道路附属物等の色彩の選び方のポイントについて提案を行った。 ポイントブックで提案した「推奨色」のうちのいくつかについて、その後も季節・時刻・天気等による色の見え方や印象の変化を追跡的に調査しているので、本発表ではその経過について報告する。 [論 文] 欧米の沿道休憩施設からみた「道の駅」の計画・設計に関する課題 岩田 圭佑/松田 泰明/大竹 まどか 第62回(平成30年度)北海道開発技術研究発表会 2019.2.18 ●概要 「道の駅」は、今では重要な地域振興施設となっている。一方、本来の整備目的の一つである"安全で快適な道路交通環境の提供"という視点からみると、駐車場や休憩施設の計画・設計における課題も少なくない。 本研究では「道の駅」の計画・設計技術の向上と観光振興への貢献を目的に、機能性が高く観光振興にも貢献している欧米諸国の沿道休憩施設の計画・設計事例を分析し、日本の「道の駅」の計画・設計の課題について考察した。 [論 文] 地域振興効果の発現からみた「道の駅」の運営に関する考察 緒方 聡/松田 泰明/岩田 圭佑 第62回(平成30年度)北海道開発技術研究発表会 2019.2.18 ●概要 「道の駅」は制度発足から25年が経ち、沿道の快適な休憩施設としてだけでなく、観光拠点や地域コミュニティを支える重要な施設となっている。しかしながら、整備の目的でもある地域振興への効果を十分に発現していない駅も存在している。 そこで、本研究では、運営状況についてのアンケート調査結果から、地域振興効果をどの程度実感しているか把握するとともに、調査結果の分析から地域振興効果を高める方策について考察する。 [論 文] 公共事業の景観性を評価・判断する際に用いる評価手法の検討について 田宮 敬士/笠間 聡/松田 泰明 第62回(平成30年度)北海道開発技術研究発表会 2019.2.18 ●概要 公共事業において、ストック効果の最大化など効率的な投資や運用が求められ、観光立国推進などの観点から景観面でも慎重な検討が必要とされている。 しかし、定量的に景観性を評価・判断することは難しく、公共事業における景観評価には課題が多い。 そこで本研究では、景観評価において一定の有効性が確認されているSD法をベースとして、それを改良し現場で適用可能な景観評価手法について検討を行ったので報告する。 [論 文] 土木施設の色彩設計に関する既往研究の整理 榎本 碧/松田 泰明/笠間 聡 第62回(平成30年度)北海道開発技術研究発表会 2019.2.18 ●概要 土木施設にはその役割や期待される機能から望ましい色彩が存在する。しかし、現状では土木施設の設計において、特に色彩検討を行わずに慣例色をそのまま使用する例や、景観色としてダークブラウン等の色を使用するも必ずしも北海道の環境に適合した色彩となっていない例もみられる。 本研究は、北海道の気候や環境において望ましい色彩設計を行う上で留意すべき色の性質について、既往研究の整理及び分析を行った。 [論 文] 海外との比較からみた国内の無電柱化推進に向けた考察 高橋 哲生/岩田 圭佑/松田 泰明 第62回(平成30年度)北海道開発技術研究発表会 2019.2.18 ●概要 日本の無電柱化は、今やアジア諸国と比較しても大きく遅れ、喫緊の課題である。この原因の一つに、電線共同溝方式に偏重した整備手法が挙げられるが、この手法は工法のみならず整備主体やその仕組みなど、世界的にも特異とされている。 そこで欧米との比較に加え、日本と同様に架空線の地中化を進めるアジア諸国を対象とした現地調査を行った。本報告では、これらの調査結果を基に国内の無電柱化推進にむけた考察を述べる。 [論 文] 寒地土木研究所で公表した「北海道の色彩ポイントブック」とその概要について 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/髙橋 哲生(地域景観ユニット) 第14回景観・デザイン研究発表会 2018.12.8 ●概要 平成29年に制定された「景観に配慮した道路附属物等ガイドライン」では、景観に配慮した道路附属物等の色彩の考え方と、基本となる景観4色が示された。しかし、北海道の道路環境は本州以南の地域や非積雪寒冷地とは大きく特性が異なることから、道路に設置される道路附属物等の色彩に関しても、全国標準とは異なる色彩を選定する必要が考えられる。 そこで筆者らは、過去に行ってきた北海道における色彩の調査結果や、色彩サンプルを用いた被験者評価実験の結果などをもとに、平成30年6月に「北海道の色彩ポイントブック」を取りまとめた。これは、前述のような北海道独自の色彩ルールの制定に向けて、現状の課題を確認したうえで、考え方や論点を整理し、また、標準的な北海道の道路環境を想定した際に望ましいと考える色彩を試案として提案を行ったものである。 本発表では、当該「色彩ポイントブック」の記載内容およびその要点について紹介する。 [論 文] SD法における形容詞の対極語が景観評価結果に及ぼす影響について 田宮 敬士(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/小栗ひとみ(国土交通省国土技術政策総合研究所) 第14回景観・デザイン研究発表会 2018.12.8 ●概要 空間や景観に対するイメージを評価する代表的な手法の一つにSD 法がある。この手法では、対象をイメージする形容詞とその対となる形容詞(以下、対極語という)を組合せて評価するが、意味尺度と呼ばれる評価言語としての形容詞の設定が極めて重要となる。この対極語には一般に複数の類義語が存在する場合が多く、対極語によって評価結果が変わることが指摘されており、形容詞の組合せも重要となる。 本研究では、対極語の違いが評価結果に及ぼす影響と要因を示すことを目的に、道路、河川及び公園緑地の画像を対象に対極語を変化させたSD法による実験を行った。これにより対極語の違いにより評価結果がどのように異なるかを確認し、対極語の性質(意味)が影響していることを試案として示した。 [論 文] 街路樹の景観向上機能に着目した印象評価実験について 髙橋 哲生(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/太田 広(地域景観ユニット) 第14回景観・デザイン研究発表会 2018.12.8 ●概要 街路樹は、景観向上機能をはじめ、交通安全機能、緑陰形成機能など、様々な機能を有しており、これらの機能が総合的に発揮される必要がある。しかし、現在植えられている街路樹には、倒伏・落枝が高い樹種や剪定頻度が多い樹種があることなどから、管理者は維持管理に苦慮しており、必要な機能を確保できていない事例が散見される。 昨今では、更新時期を迎えた樹木等を対象に樹種転換が行われており、その際には成長が遅い樹種など、樹木特性に配慮した樹種選定が行われている。 しかし、街路樹には、円錐形や卵形、不整形など、様々な樹冠の形状があるが、中心市街地や住宅地などの景域毎に景観機能を考慮して樹種選定が行われている事例は少ない。 本報告では、景観向上機能をはじめとする街路樹の効果的な機能を踏まえた樹種選定の参考とするため、樹形や景域の違いによる印象を評価するための実験を行ったので、その結果と考察を述べる。 [論 文] 木製バリアフリー歩道の開発に向けた白杖の打音に着目した舗装材の官能評価 榎本 碧(地域景観ユニット)/樋口 明彦(九州大学)/原田 大史(九州大学)/永村 景子(日本大学)/荒巻 祥大(九州大学)/羽野 暁(九州大学) 第14回景観・デザイン研究発表会 2018.12.8 ●概要 本研究は視覚障害者の車道への飛び出しを防止する改善策として、音により視覚障害者を誘導する木製バリアフリー歩道の開発を目的とする。今回、車道に使用される舗装材と木材の音の違いを明らかにするため、視覚障害者を対象とした「白杖による打音の差異」、「歩行感の差異」についての官能評価試験を行った。試験は、板厚の異なるスギ材2種類、アスファルト、コンクリート、歩道用ブロックの計5種類の舗装材を使用した試験舗装を用いて室内で実施した。全盲者31名、日常的に白杖を利用する弱視者16名を対象に試験を行った。 試験の結果、木材とアスファルトの比較では、被験者の障害歴や訓練歴によらず、「白杖による打音の差異」により舗装材の違いを認識できることが明らかになった。一方、アスファルト、コンクリート、ブロックの比較では、「白杖による打音の差異」、「歩行感の差異」のどちらでも違いが認識できない可能性が高いことが分かった。 [論 文] 良好な河川景観の創出に向けた河道内樹林伐採手法の検討 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/柏谷 和久(北海道開発局帯広開発建設部) 第14回景観・デザイン研究発表会 2018.12.8 ●概要 河道内樹林の維持管理においては、河川の流下能力阻害や巡視活動の支障を防ぐ目的で、対象地全ての樹林伐採(皆伐)が行われる事例も少なくない。一方で、皆伐は景観や生態系に与える負荷が大きいと考えられるほか、伐採後の樹木の根や株から一斉に再萌芽し繁茂する。その結果、治水や生態系、景観の各機能の持続可能性を低下させるなどの課題がある。 そのため著者らは、景観や生態系に与える負荷を減じ、良好な樹林環境への更新を目指すための河道内樹林伐採手法について研究を進めてきた。 本発表では、樹林景観に関する既往研究から「樹高・樹齢・樹種」「樹木の間隔・立木密度」「林床の被度・草丈」「視点場」に関する指標と知見を抽出し、良好な河川景観の創出に向けた河道内樹林伐採手法を検討した。 [論 文] 滝の上発電所 榎本 碧(地域景観ユニット) 土木学会誌見どころ土木遺産 2018.12.1 ●概要 夕張に千鳥ヶ滝という景勝地がある。アイヌ語で「カムイソウ」と呼ばれた。「カムイ」とは人の力の及ばない、様々な恩恵や災厄をもたらす存在を表し、地名であれば難所を示すことが多く、「ソウ」は滝を意味する。開拓使に招聘された米国人技師ライマンは、明治7(1874)年、炭鉱開発のための地質調査の過程で夕張川を遡上し、川辺に石炭転石を発見したことで大石炭層・夕張炭鉱の存在を予見したが、千鳥ヶ滝付近の急峻に阻まれ、上流の調査を断念したと言われる。滝の上発電所は、この千鳥ヶ滝の地形と夕張川の豊富な雪解け水を利用した石炭産業用の水力発電所である。 [論 文] 予測ツールの違いが景観検討に及ぼす影響について 田宮 敬士(地域景観ユニット)/笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第58回土木計画学研究発表会・秋大会 2018.11.23 ●概要 国土交通省所管公共事業において景観検討の実施が原則化され、景観予測・評価の重要性が示されている。しかし、具体的な景観予測手法(以下、予測ツールという)の適用方法が明確に示されていない事から、現場で効果的に運用する上で課題がある。 そこで本研究では、予測ツールの違いが景観検討に及ぼす影響について検証するため、土木コンサルタントや行政の担当者らを被験者として、異なる予測ツールを用いた被験者実験を室内及び現地で実施した。 [論 文] 北海道の環境および景観に適合した道路附属物等の色彩に関する提案 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 日本都市計画学会北海道支部 平成30年度 研究発表会 2018.10.27 [論 文] 日本型フットパスの観光利用の可能性 太田 広(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 日本都市計画学会北海道支部 平成30年度 研究発表会 2018.10.27 ●概要 日本では、英国のパブリック・フットパスをモデルに、各地でフットパスを整備する事業が展開されるようになり、自然環境や農村景観を生かしたフットパスが観光資源の一つとなっている。本報告では、フットパス利用者へのアンケート調査結果と、英国の類似アンケート調査結果と比較することにより、フットパス利用の実態や観光利用の可能性等を議論する。 [論 文] 海外の沿道休憩施設の事例と比較した「道の駅」の計画・設計に関する考察 松田 泰明(地域景観ユニット)/大竹 まどか(地域景観ユニット) 日本都市計画学会北海道支部 平成30年度 研究発表会 2018.10.27 ●概要 本研究では「道の駅」の計画・設計技術の向上を目的に、欧米豪の沿道施設の整備事例や関連するガイドラインなどの調査分析、さらに施設の計画・設計時の検討プロセスと検討内容に関する事例調査を行い、「道の駅」の計画・設計上の課題や参考となる知見の把握を試みた。 [論 文] 国営滝野すずらん丘陵公園におけるインバウンド観光利用の特徴と課題 太田 広(地域景観ユニット)/玉田 隆志(北海道開発局)/寺岡 伸幸(北海道開発局) 日本造園学会北海道支部大会研究・事例報告発表要旨 2018.10.13 ●概要 国営滝野すずらん丘陵公園では増加するインバウンド観光利用への対応が求められている。そこで、同公園の外国人利用者を対象に実施したアンケート調査結果をもとに、同公園におけるインバンド観光利用の実態や特徴、課題及びこれらに対応して同公園でとられている運営管理について検討し、国営公園が今後のインバウンド観光促進に寄与するための基礎的資料とした。 [論 文] 北海道における街路樹の管理と街路景観 太田 広(地域景観ユニット)/髙橋 哲生(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 日本造園学会北海道支部大会研究・事例報告発表要旨 2018.10.13 ●概要 近年、道路の維持管理コスト削減等により、街路樹の過度なせん定など、景観向上機能をはじめとする道路緑化機能が損なわれている例が見られる。 そこで、本報告では、北海道における道路の街路樹管理の実態や街路景観形成上の問題点を含む種々の事例を収集し、今後、緑のストックとしての街路樹の有する道路緑化機能を維持向上する上での課題を考察する。 [論 文] 公園緑地をモデルとした景観予測ツールの比較 田宮 敬士(地域景観ユニット)/笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 日本造園学会北海道支部大会研究 2018.10.13 ●概要 国土交通省所管公共事業において景観検討の実施が原則化され、景観予測・評価の重要性が示されている。しかし、具体的な景観予測手法(予測ツール)の適用方法が明確に示さていない事から、現場で効果的に運用する上で課題がある。 本研究では,予測ツールの違いが景観検討に及ぼす影響について検証するため、土木コンサルタントや行政の担当者らを被験者として、公園緑地等をモデルとした予測ツールを用いた被験者実験を室内及び現地で実施した。 [論 文] 寒冷地域の電線類の浅層埋設実現に向けた管路内滞留水の凍結実験 大竹 まどか(寒地機械技術チーム・地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/髙橋 哲生(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(北海道開発局開発監理部開発連携推進課開発専門官)/吉田 智(北海道開発局小樽開発建設部防災対策官付防災係長) No.782 2018.7.10 ●概要 無電柱化の推進には高額な整備コストの削減が必須であり、低コスト手法の一つとして浅層埋設手法がある。一方北海道のような寒冷地では、凍結や凍上による電力・通信線や管路の機能障害に対する安全性を考慮し、凍結深さより深い位置へ管路・ケーブルを埋設している。しかし、埋設深さの安全性が過大に見積もられている可能性もある。 そこで本研究では、管路内滞留水の凍結メカニズムや凍結による光ケーブルヘの影響の有無を確認するため、埋設管路の屈曲や満水になった状況を再現した供試体を用いた屋外暴露実験を行った。今回の実験条件においては、ケーブルを凍結深より浅く埋設する場合の問題点は生じなかった。そのため管路内滞水が凍結した場合でも、水が移動できる解放された空間がある状況下であれば、浅層埋設できる可能性があると考えられる。 [論 文] 観光振興に向けた農村自然域の無電柱化による景観向上効果の考察 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高橋 哲生(地域景観ユニット) 第57回土木計画学研究発表会 2018.6.9 ●概要 電線共同溝事業に代表される無電柱化は、これまで市街地等を主な対象として実施されてきた。一方、特に北海道においては、雄大な景観をいかした観光周遊ルートの形成促進の観点から、農村自然域での無電柱化による景観改善の潜在的ニーズも高い。今後、電線共同溝方式以外の枠組みでの無電柱化事業推進が期待される中1)、これまで対象となりにくかった農村自然域でも無電柱化が進められる可能性は高い。 本研究では、農村自然域における無電柱化の対策手法や効果について考察を行うため、景観の効果に関する被験者実験を行った。その結果、沿道に良好な景観資源を有する農村自然域で無電柱化を実施した場合は、市街地等と比較しても特に高い景観向上効果が得られること、電線共同溝をはじめとする電線類地中化以外であっても、沿道環境に応じた手法により景観向上効果が得られることなどを示した。 [論 文] 海外の沿道休憩施設の事例からみた道の駅の計画・設計に関する考察 松田 泰明(地域景観ユニット)/大竹 まどか(地域景観ユニット)/笠間 聡(地域景観ユニット) 第57回土木計画学研究発表会 2018.6.9 ●概要 「道の駅」は、沿道の休憩施設として広く全国に整備され、今では1,000駅を超え重要な地域振興施設ともなっている。設置主体が市町村等である「道の駅」は、施設の設計自由度も高く、地域性や独自性が重視されるが、他の施設と比べて参考となる技術資料も極めて少ない。そのため、自治体や設計技術者は「道の駅」の計画や設計に苦慮し、機能や安全性、魅力が十分でない事例もみられる。他方、沿道の休憩施設は海外にも多く存在し、機能性が高く観光振興に貢献している魅力ある施設も多い。 そこで、本研究では「道の駅」の計画・設計技術の向上及びこれによる地域振興への貢献を目的に、欧米の沿道休憩施設の整備事例及びこれらに計画・設計に関連する技術資料について調査を行い、「道の駅」の計画・設計時の検討プロセスとの比較から、これらに関する有用な知見を把握した。 [論 文] ビジョン型プランニングによる市民主体形成に関する研究 榎本 碧(地域景観ユニット)/島谷 幸宏(九州大学大学院)/樋口 明彦(九州大学大学院)/林 博徳(九州大学大学院) 第57回土木計画学研究発表会 2018.6.9 ●概要 本研究は地域のまちづくり計画を作成する手法としてのビジョン型プランニングについて検証する.ビジョン型プランニングは、既存の行政境界や管理境界にとらわれず、ある地域の履歴や住民の昔がたりから導きだされる将来ビジョンを具体的なイメージとして示す計画づくりの一手法です。 本研究は、NPO法人塩田津町並み保存会の主催により平成27年に実施された塩田津川と町並み夢ぷらんフォーラムにおいて、塩田津の再生をテーマに住民ワークショップ形式による昔語り、夢語り、しようの提案をまとめるプロセスを経て、塩田津再生のビジョンを作成した経緯を対象にビジョン型プランニングによる市民主体形成への効用の可能性を整理する。 【平成29年度】 [論 文] A Case Study on Footpaths Running Through Public Space in Hokkaido 太田 広/松田 泰明/岩田 圭佑 Urban and Regional Planning Review 2018.3.12 ●概要 本研究では、公共空間を活用した北海道のフットパスの実態やフットパスコースの設置、運営・維持管理上の課題を把握することを目的として、北海道の主なフットパスの資料調査及び現地調査、運営管理者へのヒアリング調査、利用者へのアンケート調査を行った。. [論 文] 無電柱化事業における景観形成の効果発現に関する考察 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高橋 哲生(地域景観ユニット) 第61回(平成29年度)北海道開発技術研究発表会 2018.2.20 ●概要 近年、電線類地中化の低コストな施工方法等の検討が盛んになっている。一方、限られた予算と人的余裕の中で事業対象箇所を選定するための知見が求められているが、それらの根拠となる無電柱化の事業効果に関する調査事例は乏しい.本研究では、昨年度に筆者らが報告した無電柱化の景観向上効果について事例分析を進め、どのような場所でどのように効果が発現するのかや、それらの調査手法について整理・考察した。 [論 文] 景観予測手法の違いが予測・評価結果に及ぼす影響について 田宮 敬士(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第61回(平成29年度)北海道開発技術研究発表会 2018.2.20 ●概要 国土交通省所管公共事業において景観検討の実施が原則化され、景観予測の重要性が示されている。しかし、具体的な予測手法の適用方法が明確に示されていない事から、現場で効果的に適用する上で課題がある。そこで本研究では、土木コンサルタントや行政の担当者らを対象として、予測手法に関する印象評価実験を室内及び現地で実施した。その結果、予測手法の情報量等の違いが予測結果に影響を及ぼすことを明らかにした。 [論 文] 北海道の環境及び景観に適合した道路附属物等の色彩のあり方について 笠間 聡(地域景観ユニット)/髙橋 哲生(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第61回(平成29年度)北海道開発技術研究発表会 2018.2.20 ●概要 平成29年10月に公表された「景観に配慮した道路附属物等ガイドライン」では、道路附属物等に望ましい色彩として、新たにオフグレーを追加した4色が提示されたが、北海道の道路環境は本州以南の地域や非積雪寒冷地とは大きく特性が異なる。そこで、既存事例の分析や色彩に関する印象評価実験を通じて、北海道の道路環境特性に適合した色彩のあり方について、検討および考察を行った結果について報告する。 [論 文] 樹形・樹種の違いによる印象評価実験からみた街路樹の機能評価について 髙橋 哲生(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第61回(平成29年度)北海道開発技術研究発表会 2018.2.20 ●概要 街路樹は、景観向上機能、交通安全機能など様々な機能を有しており、これらの機能が総合的に発揮されることが必要とされる。しかし、樹木更新ができないことによる大木化や強剪定、適さない樹種が植えられていること等により、倒木や枯死を招く一因となっている。そこで、本研究では、街路樹の維持管理マネジメントの一環として、樹木更新に着目し、樹種の違いによる印象評価実験を実施したので、その結果と考察を報告する。 [論 文] 寒冷地域における電線類の浅層埋設実現に向けた考察 大竹 まどか(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第61回(平成29年度)北海道開発技術研究発表会 2018.2.20 ●概要 電線類地中化の整備コスト削減のため全国的に埋設基準が緩和された。一方、寒冷地では管路内滞留水の凍結膨張が通信性能に支障をきたすことを懸念し、未だ地盤の凍結深より深い位置へ管路を埋設している。しかし、実際に支障が生じるのか否かは把握されていない。そこで管路内滞留水の凍結に着目した実験を行い、凍結メカニズムや凍結による通信障害の有無を検証した結果、寒冷地でも浅層埋設できる可能性があることを確認した。 [論 文] 地域の自然的環境をつなぐフットパスコース設定に関する基礎的研究 太田 広/笠間 聡/松田 泰明/岩田 圭佑 土木学会北海道支部平成29年度年次技術研究発表会 / 平成29年度土木学会北海道支部論文報告集 2018.1.27 ●概要 英国のフットパスをモデルに、各地でフットパスを整備する事業が展開されるようになり、地域活性化に向けた新たな資源と期待されている。本報告では、河川、道路、都市公園等を利用した北海道のフットパスの実態やフットパスコースの設定、運営・維持管理上の課題について議論する。 [論 文] 地域の自然的環境をつなぐフットパスコース設定に関する基礎的研究 太田 広(技術開発調整監)/笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 平成29年度土木学会北海道支部論文報告集 2018.1.27 ●概要 英国のフットパスをモデルに、各地でフットパスを整備する事業が展開されるようになり、地域活性化に向けた新たな資源と期待されている。本報告では、河川、道路、都市公園等を利用した北海道のフットパスの実態やフットパスコースの設定、運営・維持管理上の課題について議論する。 [論 文] 北海道における道路附属物の色彩のあり方に関する論点整理 ~主に柱もの附属物について 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 景観・デザイン研究講演集 No.13 (CD-ROM) 2017.12.2 ●概要 北海道の道路環境は,本州以南の地域や非積雪寒冷地とは大きく特性が異なり,冬期積雪期に対応して多数の道路附属物が設置されている。これらの多くは亜鉛メッキ仕上げあるいは焦げ茶系の塗装仕上げがなされてきたが,焦げ茶系の色彩では,北海道でよくみられるスカイラインの低い,遠景の山並みや空を背景とする道路景観や,冬期の積雪景観に融和せず,逆に際立って見えるケースが散見される。 国土交通省の各種景観形成ガイドラインでは,色彩などに関して,地域独自のローカルルールの制定を推奨しているが,本論文では,道路附属物に関する北海道ローカルの色彩基準制定に向けた論点整理として,北海道における道路附属物の色彩や仕上げに関する現状と課題について整理する。 [論 文] 郊外部の沿道景観向上に資する無電柱化のための電線類地中化技術に関する基礎的研究 大竹 まどか(地域景観ユニット)/小林 勇一(寒地機械技術チーム)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/田所 登(北海道開発局)/澤口 重夫(寒地機械技術チーム)/太田 広(技術開発調整監) 土木学会 第13回 景観・デザイン研究発表会 2017.12.2 ●概要 日本の沿道には多くの電線電柱類が存在し、景観の魅力を低下させている。特に郊外の農村・自然域など、開放的で美しい沿道景観を有する地域においてその影響は大きい。しかし、電線共同溝事業に代表される電線類の地中化事業は、中心市街地や都市部の幹線道路を中心として進められ、高額な整備コストなどから、郊外部で電線類地中化が行われた事例は少ない。景観改善効果が大きく期待できる郊外部の無電柱化推進のためには、より安価で効率の良い施工技術が必要である。 無電柱化が進んでいる諸外国では、電線類地中化に電線類埋設用掘削機械を使用し、日本と比較して大幅に短時間で施工している事例がある。そこで、低コスト・高効率の電線類地中化技術検討のための基礎的研究として、海外で使用されている電線類埋設用掘削機械の実態調査を行ったので、これについて報告する。 [論 文] 無電柱化の推進に向けた景観的課題と方策に関する考察 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高橋 哲生(地域景観ユニット) 土木学会 第13回 景観・デザイン研究発表会 2017.12.2 ●概要 日本では、これまで主に中心市街地や幹線道路などを対象として無電柱化事業が行われてきた。しかしながら、無電柱化率やその整備延長は、欧米やアジアと比較しても大きく遅れている状況にある。そのような中、無電柱化推進にむけた法整備や計画・設計の議論が活発になっているが、無電柱化の推進方策、期待される事業効果に関する調査・研究事例は乏しい。 本研究では、景観の観点から無電柱化の課題と要因を整理し、課題解決にむけた考え方を示した。その上で、景観の観点から無電柱化を推進するための方策について考察し、電線電柱に対する認識の転換や、無電柱化を実施する新たな枠組み等に関する提案を行った。 [論 文] SD法に比較・順位要素を加えた景観評価手法の試行 ~公共事業の景観評価に向けて~ 田宮 敬士(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 土木学会 第13回景観・デザイン研究発表会 2017.12.2 ●概要 抄録 国土交通省所管公共事業において、景観検討の実施が原則化されたことから、現場レベルで採用できる景観予測・景観評価の技術支援が求められている。そのため、筆者らはこの技術支援を目的とし、適切な景観予測・評価技術のパッケージ化に向けた研究を進めている。 このうちの一つとして、本報告では公共事業に関する複数の画像サンプルを用いて被験者実験を行い、景観評価手法の違いが評価結果に及ぼす影響について分析を行った。その結果、計量心理学的評価手法の中で景観評価にも用いられているSD法、一対比較法、ME法に加えて、SD法に比較・順位要素を加味した新たな景観評価手法による景観評価を試行し、この新たな手法の有効性とその課題を確認した。 [論 文] 事業目的の提示による河川空間内の樹木維持管理に対する心理的印象の変化 柏谷 和久(水環境保全チーム)/藤浪 武史(研究連携推進監)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 土木学会 第13回景観・デザイン研究発表会 2017.12.2 ●概要 河川空間内の樹林は洪水流の安全な流下のため伐採等の維持管理が必要となる。しかし、河川景観の重要な一部分である樹林の伐採等については、河川利用者などから様々な意見が出るため合意形成に苦慮することがある。これは、河川管理に関する知識や経験の違いが、伐採等の維持管理による景観変化に対する心理的印象に影響を与えることも考えられる。そこで、維持管理目的の適切な提示により伐採後景観に対する心理的印象が改善できれば、事業への理解がより深まると考えた。 本研究は、河川敷地内の樹林を対象に、伐採等の維持管理の事業目的を提示することで、維持管理前後の心理的印象がどの程度変化するかをSD法により調査した。調査の結果、維持管理目的提示前と比べ提示後は、樹林の維持管理による心理的印象の改善効果がより大きくなった。また、維持管理前樹林の危険性の説明により、樹林の心理的印象が全体的に下がることも確認された。 [論 文] 寒冷地域における電線類地中化に向けた光ケーブル管路滞留水の凍結実験 大竹 まどか(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(北海道開発局)/吉田 智(北海道開発局)/高橋 哲生(地域景観ユニット) 第33回寒地技術シンポジウム 2017.11.29 ●概要 景観・防災等の観点から電線類地中化等の無電柱化が強く求められている。そこで、国土交通省の道路空間における埋設基準が緩和され、浅層埋設による低コスト化が可能となった。他方寒冷地では、凍結や凍上による電力・通信線や道路の機能障害に対する安全性を考慮し、その基準を適用できていない。しかし、その安全性は過大に見積もられている可能性もある。 そこで本研究では、実際の埋設管路の屈曲や満水になった状況を供試体で再現した屋外暴露実験を行い、管路内滞留水の凍結が通信性能へ与える影響の有無、及び滞留水がどのように凍結するのかについて考察した。 [論 文] A study on footpaths as an open space using regional resources for tourism in Hokkaido 太田 広/笠間 聡/松田 泰明/岩田 圭佑 The 33rd International Symposium on Okhotsk Sea & Polar Oceans 2018 / Proceedings of The 33rd International Symposium on Okhotsk Sea & Polar Oceans 2018 2017.11.16 ●概要 With the aim of clarifying problems concerning construction, management and maintenance of footpath courses using regional resources for tourism, this study selected three footpaths in Hokkaido to carry out their case study. To grasp detailed characteristics of land where a footpath course is laid across, three cases of footpaths were defined by land use according to GPS-based on-site surveys. [論 文] 現地調査から把握した「道の駅」の計画・設計の現状と課題について 大竹 まどか(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/吉田 智(北海道開発局小樽開発建設部防災対策官付防災係長)/笠間 聡(地域景観ユニット) 寒地土木技術研究 第774号 2017.11.10 ●概要 本研究では、「道の駅」が抱える計画・設計上の課題や多様化する利用者や地域のニーズなどについて把握するため、「道の駅」の関係者に対する現地ヒアリングと現地調査を行い、その結果について整理・考察を行った。 [論 文] 寒冷地における通信ケーブルの浅層埋設に向けた管路滞留水の凍結実験 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(北海道開発局) 第32回日本道路会議 2017.10.31 ●概要 電線類地中化の低コスト手法の一つに、浅層埋設手法が挙げられる。H28.2月に埋設基準が緩和され、浅層埋設が可能となった。一方で、北海道のような寒冷地では、凍結や凍上による電力・通信線や道路の機能障害に対する安全性を考慮し、凍結深さより深い位置へ埋設している。このことが、施工費が高くなる原因となっている。 しかし実際には、凍結深よりも浅く埋設した場合にどのような支障がなぜ生じるかは把握されておらず、埋設深さの安全性が過大に見積もられている可能性もある。仮に浅層埋設でも支障のないケースがあれば、低コスト化につながる基準類の改訂を行う必要がある。 そこで筆者らは、H27年度の道路会議において、管路内に滞留した水の凍結による体積膨張が通信性能に支障をきたすことが主な懸念事項であること、しかしながらそれを示すための管路内滞留水の凍結メカニズムや、支障の要因が明らかにされていないことを示した。 以上から、H27年度の室内実験により、管路内滞留水の凍結圧迫が光ケーブルの通信性能に影響を与えなかったことを確認した。その上で、本報告では実際の埋設管路の不陸状況や満水になった状況を供試体で再現し、屋外暴露実験を行ったので、その結果を報告する。 [論 文] 海外のケーブル埋設用掘削機械の活用について 小林 勇一(寒地機械技術チーム)/澤口 重夫(寒地機械技術チーム)/大竹 まどか(地域景観ユニット) 第32回日本道路会議 2017.10.31 ●概要 日本の無電柱化は、防災、景観・観光、安全・快適の観点から推進されており、特に近年は「無電柱化の推進に関する法律」の施行など無電柱化推進に向けた動きがより一層進んでいる。無電柱化が進んだ諸外国では、ケーブル埋設用掘削機械としてトレンチャーを使用しており、日本の主工法であるバックホウ掘削と比較し、大幅に短時間で施工している事例がある。 そこで、低コスト・高効率の電線類地中化技術を検討する基礎資料とするため、ケーブル埋設用トレンチャーの仕様諸元の調査、および活用の検討を行った。 [論 文] 沿道景観を阻害する屋外広告物が広告効果に与える影響について 田宮 敬士(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 第32回日本道路会議 2017.10.31 ●概要 屋外広告物に関しては、自治体の条例による規制や誘導が行われているが、規制の限界もあり依然として多くの屋外広告物が沿道や観光地などに設置され、ときに地域の景観を大きく損ねている。そのため、広告主や広告事業者の主体的な取組みによる沿道環境の改善を促すことも必要と考える。一方、沿道景観や地域の魅力を低下させる屋外広告物は、広告効果自体にも負の影響を及ぼす可能性があり、これを示すことが出来れば広告主等の主体的な取組みによる沿道環境の改善に有効となる。 そこで、本研究では屋外広告主の自主的な取り組みや自治体の景観行政の支援を目的に、沿道景観を阻害する屋外広告物が広告効果などに与える影響を把握するために実施した被験者実験について考察する。 [論 文] 海外における「道の駅」による地域開発の可能性と課題について 松田 泰明(地域景観ユニット) 第32回日本道路会議 2017.10.31 ●概要 「道の駅」は、快適な沿道休憩施設としてだけでなく、観光貢献など地域の重要な振興施設として、今では国内に1,117駅(2017年4月現在)を数え、年間の購買者数だけでも2億人を超える社会インフラとなっている。他方、日本の協力により、海外においても「道の駅」をモデルとした沿道施設が、アジア地域や遠くはアフリカなどにも整備されている。 本報告では、これまでの著者らの研究や技術指導および4年間のJICA課題別研修への参加協力の経験をふまえ、海外における「道の駅」による地域開発の可能性と国際協力に向けての課題について述べる。 [論 文] 「道の駅」の現地調査から把握した計画・設計時の配慮事項について 大竹 まどか(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/吉田 智(北海道開発局小樽開発建設部) 第32回日本道路会議 2017.10.31 ●概要 「道の駅」は、道路利用者の沿道休憩施設としてだけでなく、観光や地域の振興にとっても重要な施設となっている。他方、「道の駅」は地域性や独自性が強く意識され、施設全体の設計自由度が高いことに加え、計画や設計を支援する技術資料が存在しない。そのため、各自治体などの担当者は「道の駅」の計画や設計に苦慮し、専用施設であっても機能や魅力が十分でない事例や、多様化するニーズに対応できていない事例もみられる。 そこで本報告では、「道の駅」の現地調査や関係者に対するヒアリングにより「道の駅」の計画・設計上の現状と課題について調査し、その結果を配慮事項としてまとめたので報告する。 [論 文] 街路樹の更新による景観機能の変化に関する被験者実験 髙橋 哲生(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(北海道開発局)/葛西 聡(地域景観ユニット) 第32回日本道路会議 2017.10.31 ●概要 街路樹は、景観形成や快適な街並みの創出などに大きな役割を担っているが、道路整備時に植えられた街路樹は年数の経過とともに大きく生長する一方、老朽化する樹木も少なくない。昨今では、台風などによる倒木の被害も相次ぎ、更には、維持管理コスト削減の観点から、剪定回数を減らすための過度な剪定により、樹勢の衰退や枯死を招き、樹木の健全度や景観など、街路樹の機能低下を招いている事例も見受けられる。 本報告では、効果的なマネジメントに向けて、街路樹の更新に資する、樹高・樹形の違いによる印象評価実験を実施したので、その結果と考察を述べる。 [論 文] 札幌市内の街路樹の現状と景観機能の変化に関する被験者実験 髙橋 哲生(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(北海道開発局開発監理部開発連携推進課開発専門官)/松田 泰明(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(寒地交通チーム) 寒地土木技術研究 第773号 2017.10.10 ●概要 本報告では、樹木医による精密診断の対象となる街路樹の樹木本数低減等、効率的な維持管理を行うための道路管理者による初期診断の点検項目の検証を行うとともに、成長しすぎた街路樹を更新することによる効果について、印象評価実験の結果から考察する。 [論 文] 農村・自然域の景観向上に寄与する無電柱化のための電線類埋設用掘削機械に関する基礎調査 大竹 まどか/小林 勇一/岩田 圭佑/田所 登/澤口 重夫/太田 広 平成29年度日本造園学会北海道支部大会 2017.10.7 ●概要 日本の沿道には多くの電線電柱類が存在し、景観の魅力を低下させ、観光振興にも影響を与えている。特に農村域や自然域など、開放的な沿道景観ではその影響は大きい。しかし、高額な整備コストなどから、市街地以外での無電柱化事業の事例は極めて少ない。無電柱化推進のためには、より安価で効率の良い施工技術が必要である。 そこで、低コスト・高効率の電線類地中化技術を検討する基礎資料とするため、農村・自然域でも無電柱化が進んでいる諸外国において使用されている電線類埋設用掘削機械の実態調査を行った。また、当該機械を用いて道路路盤における掘削試験を実施した。 [論 文] 街路樹の更新による印象評価実験に関する考察 高橋 哲生/蒲澤 英範/松田 泰明/佐藤 昌哉 平成29年度日本造園学会北海道支部大会 2017.10.7 ●概要 街路樹は、景観向上機能をはじめ、交通安全機能・緑陰形成機能など、様々な機能を有しており、これらの機能が本来、総合的に発揮される必要がある。しかし、昨今における街路樹は、年数の経過とともに大きく生長する一方、老朽化する樹木も少なくない。さらに、台風などによる倒木の被害や、過度な剪定により、樹勢の衰退や枯死を招き、街路樹の機能低下を招いている事例も確認されている。 本報告では、街路樹の維持管理を行う上での効果的なマネジメント手法の提案を行うため、更新直後から成長木に至る過程を想定した樹高の違いや、剪定の影響による樹形の違い等による印象評価実験を実施したので、その結果と考察を述べる。 [論 文] 公共空間を利用したフットパスの課題 太田 広(技術開発調整監)/笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 日本計画行政学会第40回全国大会 2017.9.8 ●概要 (作成中) [論 文] Utility Line Undergrounding Projects in Japan: Changes, Benefits and Detriments 岩田 圭佑/松田 泰明 International Conference of Asia-Pacific Planning Societies 2017.8.24 ●概要 本研究では、我が国でこれまで行われてきた無電柱化事業に関連する計画や事業規模の変遷を示すこと、および無電柱化による景観向上・観光振興効果を分析することを目的として、無電柱化事例の収集および画像サンプルを用いた室内での印象評価実験を行った。 [論 文] A Case Study on Footpaths Running Through Public Space in Hokkaido 太田 広/松田 泰明/岩田 圭佑 International Conference of Asian-Pacific Planning Societies 2017.8.24 ●概要 本研究では、公共空間を活用した北海道のフットパスの実態やフットパスコースの設置、運営・維持管理上の課題を把握することを目的として、北海道の主なフットパスの資料調査及び現地調査、運営管理者へのヒアリング調査、利用者へのアンケート調査を行った。 [報 文] 自然・田園域における通信線が景観へ与える影響と単独埋設の有効性について 松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/井上 利一(NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク事務局長) 寒地土木技術研究 第771号 2017.8.10 ●概要 本稿では、現在増加している通信線を対象に、自然・田園域における景観への影響や、通信線のみを単独埋設する有効性について考察し、この手法に一定の効果があることや、その際の対策箇所選定の考え方などを示した。 [論 文] 北海道の高規格幹線道路に設置されたカラマツ製立入防止柵の劣化状況調査について 笠間 聡(地域景観ユニット)/小林 裕昇(地方独立行政法人北海道立総合研究機構 林産試験場)/今井 良(地方独立行政法人北海道立総合研究機構 林産試験場)/松田 泰明(地域景観ユニット) 土木学会 第16回木材利用研究発表会 2017.8.8 ●概要 北海道の高規格幹線道路に設置されたカラマツ製の立入防止柵(防腐剤加圧注入処理、設置後9~16年経過)について、ピロディン等を用いた腐朽劣化状況の調査を行った。 結果、ACQ加圧注入処理カラマツ材について、設置9~12年程度では地際部を除き腐朽劣化はほとんどないことなどが確認され、地際部等一部の構造を工夫することで構造物全体としての耐用年数を飛躍的に伸ばせる可能性などが確認された。一方で、設置後12年以下の木製柵と13年以上の木製柵とでは腐朽劣化の傾向に大きな差がみられ、これには防腐処理等の仕様の違いが影響している可能性がある。このため、設置後13年以上の長期の耐久性については正確な知見は得られなかった。 [論 文] 観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間の「パターン」の仮説とそれを用いた観光地評価の試行 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第55回土木計画学研究発表会・春大会 2017.6.10 ●概要 近年、「世界水準の観光地の形成」や観光地の魅力向上が言われるが、このためには観光地の魅力を効果的に引き上げるべく、これに寄与する観光地の屋外公共空間のあり方についても明らかにしていく必要がある。筆者らは、先行する研究において、国内のいくつかの温泉街型観光地とその屋外公共空間の現状に関する調査・分析の結果から、観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間の「パターン」について仮説を得た。 本発表では、この「パターン」の仮説を用いて新たに12の観光地の評価を試行し、その結果から、これらの「パターン」の温泉街型観光地以外の観光地への適用可能性、および、観光地の評価手法としての有用性について検討を行った。 [論 文] 沿道の屋外広告物が景観へ与える影響と広告効果に関する考察 松田 泰明(地域景観ユニット)/田宮 敬士(地域景観ユニット) 第55回土木計画学研究発表会・春大会 2017.6.10 ●概要 屋外広告物等に関しては、自治体の条例による規制や誘導が行われているが、規制の限界もあり依然として多くの屋外広告類が沿道や観光地などに設置され、ときに地域の景観を大きく損ねている。そこで、広告主や広告事業者の主体的な取組みによる沿道環境の改善を促すことも必要と考える。一方、沿道景観や地域の魅力を低下させる屋外広告物は、広告効果自体にも負の影響を及ぼす可能性があり、これを示すことが出来れば上記の主体的な取組みによる沿道環境の改善に有効となる。 そこで、本研究では屋外広告主の自主的な取り組みや自治体の景観行政の支援を目的に、屋外広告の景観へ与える影響と広告効果との関係などを把握するために実施した被験者実験について考察する。 【平成28年度】 [論 文] 道路の維持管理における街路樹の効果的なマネジメント手法について 蒲澤 英範/松田 泰明/佐藤 昌哉 第60回(平成28年度)北海道開発技術研究発表会2017/02/13 ~ 2017/02/16 ●概要 街路樹は景観形成や快適な街並みの創出などに大きな役割を担っている。しかし道路整備の実施から年数が経ち、当時植えられた街路樹は大きく成長した一方で老朽化した樹木も少なくない。更に維持管理コストの削減から、過度な剪定がなされ樹木の健全度や道路緑化機能が低下した例もみられる。 そこで安全で良好な道路空間の創出を目的とする街路樹の管理、更新を効率的で効果的に行うマネジメント手法を提案する。 [論 文] 「道の駅」の現地調査から把握した計画・設計の現状と課題について 吉田 智/松田 泰明/笠間 聡 第60回(平成28年度)北海道開発技術研究発表会2017/02/13 ~ 2017/02/16 ●概要 「道の駅」は設計自由度が高く、独自性も強いことに加えて設計事例も少なく、計画や設計を支援する技術資料が存在しない。そのため地域振興などに寄与していない計画・設計事例も少なくない。また近年「道の駅」へのニーズは多様化し、これらに対応した適切かつ一定水準の計画・設計ノウハウを提供する必要がある。 本報告では、現地調査や関係者ヒアリングから把握した「道の駅」の計画・設計上の現状と課題について報告する。 [論 文] 景観まちづくりにおける無電柱化の整備効果に関する事例分析 岩田 圭佑/蒲澤 英範/松田 泰明 第60回(平成28年度)北海道開発技術研究発表会2017/02/13 ~ 2017/02/16 ●概要 無電柱化推進の機運が高まる一方、景観向上効果をはじめ、無電柱化の様々な整備効果を定量的に示すことは難しく、無電柱化推進の支障となっている。 本研究では、景観面での無電柱化整備効果を具体的に示すことを目的として、市街地や農村自然域を対象に景観まちづくりを主たる目的とした無電柱化事例を抽出し事業効果を分析した。そのうえで、事業スケールや関連施策に着目し、景観面の整備効果が発現する要件について考察した。 [論 文] 観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間のあり方について 笠間 聡/松田 泰明 第60回(平成28年度)北海道開発技術研究発表会2017/02/13 ~ 2017/02/16 ●概要 観光地としての魅力向上を考える上で、観光地の景観や空間の質および機能は大変重要である。これらの改善のポイントを明らかにしていくことは、将来の観光地の競争力向上のために不可欠である。実施した全国で評価の高い6温泉街型観光地の調査からは、それらの屋外公共空間について「6の共通点」のあることが見つかった。その他の観光地の分析からも、これらの共通点への適合が観光地の高評価に寄与している可能性を確認できた。 [論 文] 沿道の屋外広告物が景観へ与える影響と広告効果に関する被験者実験 田宮 敬士/松田 泰明 第60回(平成28年度)北海道開発技術研究発表会2017/02/13 ~ 2017/02/16 ●概要 景観阻害となる屋外広告物に関して、自治体条例による規制等も実施されているが十分とは言えない。そこで広告事業者等への主体的な取組みを促すために、地域の魅力を低下させる広告物は広告効果自体も低下する事を示すのが有効と考える。 本研究では、沿道の屋外告物が景観へ与える影響と広告効果との関係を把握する被験者実験を行った。 [論 文] ルーラルエリアにおける通信線の景観への影響と単独埋設の有効性について 松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/井上 利一(NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク) 土木学会論文集D3(土木計画学)Vol.72 No.5[土木計画学研究・論文集33巻] 2016.12 ●概要 我が国の沿道には多くの電線電柱が存在し、景観の魅力を低下させ、観光振興にも影響を与えている。さらに、近年の通信需要への対応により通信線が増加し、新たな電柱も設置され、さらなる景観悪化を招いている。特に自然域や田園域など、開放的な沿道景観ではその影響は大きい。しかし、高額な整備コストなどから、市街地以外での無電柱化事業の事例は極めて少ない。一方、通信線は配電線に比べて無電柱化のコストが安く、地上機器も必要ないことから整備のハードルは相対的に低い。 本稿では、現在増加している通信線を対象に、ルーラルエリアにおける景観への影響や、通信線のみを埋設する単独埋設の有効性について考察し、この手法に一定の効果があることや、大幅なコスト縮減の可能性があること、さらに効果的な対策箇所選定の考え方などを示した。 [論 文] 積雪寒冷地の季節変化と機能を踏まえた道路施設の色彩について 吉田 智(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(国土技術政策総合研究所 道路環境研究室)/松田 泰明(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(地域景観ユニット) 土木学会 第12回景観・デザイン研究発表会 2016.12 ●概要 土木施設には、期待される機能の観点から望ましい色彩が存在すると考えられるが、整備する施設周辺の環境の中で、その機能を発揮する必要がある。しかし、土木施設の色彩に関する基準類では、地域特性や季節変化が考慮されていないため、現在、使用されている道路施設の色彩が、積雪寒冷地の道路施設周辺の環境において、その機能を十分に発揮していない可能性がある。そこで、当研究所では、現場での色彩設計の技術支援を目的に、積雪寒冷地における道路施設の機能と景観の向上に寄与する効果的な色彩設計について研究を進めている。 本報告では、積雪寒冷地の北海道における道路施設周辺の環境色の季節変化と道路施設の色彩の関係を把握するため、季節毎に撮影した道路景観写真を用いて道路施設のカラーシミュレーション画像を作成し、一対比較法による被験者評価実験を実施したので、その結果について報告する。 [論 文] 温泉街型観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間の「パターン」に関する分析 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 土木学会 第12回景観・デザイン研究発表会 2016.12 ●概要 観光振興や観光地としての魅力向上、特に近年課題となっている滞在型観光の促進や観光地における滞在時間の向上を考える上で、観光地の景観や空間の質や機能は重要である。しかしながらこの点で、日本の観光地の多くは海外の観光地に見劣りし、一方で、真に観光地の魅力向上に寄与するような観光地の改善にうまく投資ができていない。 本研究は、筆者らが先行研究において提案した「観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間の6つのパターンの試案」をベースに、追加の事例分析等を通じて、観光地の魅力向上と屋外公共空間の関係について新たに分析と考察を行い、「6のパターン」の観光地の診断方法としての有効性について検討を行ったものである。 本研究とこれに続く成果により、今後観光地の効果的な魅力改善が全国で進められるよう、貢献できることを期待している。 [論 文] 沿道の屋外広告物が景観へ与える影響と広告効果との関係に関する被験者実験 田宮 敬士(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 土木学会 第12回景観・デザイン研究発表会 2016.12 ●概要 抄録 沿道の屋外広告物は、景観への影響が大きく、国交省の調査結果では、「残したくない景観」として上位に挙げられている。こうした背景から全国各地の自治体で屋外広告物条例等が定められているが、十分な景観向上効果を発揮していない状況も散見される。その原因として、条例による規制の限界等が挙げられる。本研究の目的は、周辺景観を阻害し地域の魅力を低下させる屋外広告物は広告効果が低いことを示し、それにより広告事業者の自主的な取組みによる周辺景観の改善を促し、地域の魅力向上と行政支援に貢献するものである。 本報告は、代表的な景域に分類した写真等を基に、条件を変えた屋外広告物を掲示したサンプル資料を用いて被験者実験を行い、屋外広告物が周辺景観に与える影響や地域イメージの低下と屋外広告物への印象との関係について取りまとめたものである。 [論 文] 観光地の屋外公共空間の魅力に寄与する"パターン"の試案を用いた観光地評価の試行と有効性の検証 松田 泰明(地域景観ユニット)/笠間 聡(地域景観ユニット) 土木学会 第12回景観・デザイン研究発表会 2016.12 ●概要 観光振興や観光地としての魅力向上、特に近年課題となっている滞在型観光の促進や観光地における滞在時間の向上を考える上で、景観・空間の質や機能は重要である。しかしこの点で、日本の観光地は海外の観光地に見劣りしている事例が多い。 本研究は、観光地の屋外公共空間を対象に、観光地の魅力に寄与する要素や要因を明らかにし、観光地の効果的な魅力向上手法について知見を得ることを目的としている。筆者らはこれまでに、評価の低い国内のいくつかの温泉街型観光地の現状調査を行い、それらの観光地の共通点から、魅的な滞在型観光地に求められる屋外公共空間の要件について、6つのパターン(仮説)の整理を行っている。 本報告ではこの6つのパターンについて、温泉地以外の観光地に適用を試行することにより、これらのパターンの有効性の検証と新たなパターンの提案を試みる。 [論 文] 景観まちづくりにおける無電柱化の事業効果に関する事例分析 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(地域景観ユニット)/吉田 智(地域景観ユニット) 土木学会 第12回景観・デザイン研究発表会 2016.12 ●概要 これまで、景観を生かした観光や地域振興などのまちづくりを目的として、無電柱化事業が多く実施されてきた。昨今、無電柱化推進の機運が高まる中、これまでの事例をレビューし、景観まちづくりにおける無電柱化の景観向上効果やまちづくりへの波及効果を整理することは、今後の無電柱化事業の路線や手法を計画・検討するうえで有意義な知見と考える。 本研究では、景観行政団体をはじめ、伝建地区や歴史まちづくり法認定都市、NPO法人「日本で最も美しい村」連合の加盟自治体などの市街地や農村自然域を対象として、景観まちづくりを主たる目的とした国内の無電柱化事業50事例を抽出・整理した。また、それらの対象範囲や事業目的に着目して、"特定シーンの景観"、"ルート全体のシークエンス景観"、"エリア全体の景観"等の景観向上効果やまちづくりへの波及効果について考察した。 [論 文] 寒冷地における道路緑化を考慮した街路樹のマネジメント技術に関する研究 蒲澤 英範(地域景観ユニット) 第14回環境研究シンポジウム 2016.11 ●概要 景観形成や沿道環境の保全に街路樹は大きな役割を担っており、近年は都市戦略を考える際や快適な街並みの創出にもその必要性が増しています。また道路整備が盛んに行われた時代から約40年が経過し、当時植えられた街路樹は大きく成長しています。それに加え、老木化が進行している街路樹も少なくありません。 一方,近年の維持管理コストの大幅な削減から、街路樹の過度なせん定により樹木の樹勢や健全度が低下し、枝葉が広がりやすい状況です。 しかしながら早生な樹種を生長の遅い樹種への転換も行われていないため、景観向上機能などの道路緑化機能が損なわれている例も見受けられます。 そこで、安全で良好な道路空間の創出を目指し、街路樹の整備、管理、更新を効率的で効果的に行うためのマネジメント手法を提案します。 [論 文] 「道の駅」計画・設計の現状と課題について 吉田 智(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/笠間 聡(地域景観ユニット) 第54回土木計画学研究発表会(秋大会) 2016.11 ●概要 「道の駅」は、道路利用者の沿道休憩施設としてだけでなく、観光や地域の振興にとっても重要な施設となっている。他方、「道の駅」は地域性や独自性が強く、施設全体の設計自由度が高いことに加え、計画や設計を支援する技術資料が存在しないこともあり、各自治体などの担当者は「道の駅」の計画や設計に苦慮し、休憩施設としての機能や魅力が不十分であったり、多様化するニーズに対応できていない事例も多くみられる。そこで、本研究では多様化する「道の駅」のニーズや機能に対応した、適切かつ一定水準の計画・設計技術の提供を目的として研究を行っている。 本報告では、「道の駅」の現地調査や関係者に対してヒアリングやアンケート調査を行い、これらから「道の駅」の計画・設計上の現状と課題について整理した。 [論 文] 形容詞の組合せが評価結果に及ぼす影響 田宮 敬士(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(国土技術政策総合研究所)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(地域景観ユニット) 第54回土木計画学研究発表会(秋大会) 2016.11 ●概要 国土交通省所管公共事業では、すべての事業において景観検討の実施が原則化されているが、現場レベルで採用できる景観評価の手法が示されておらず、その確立が求められている。本研究では、客観的かつ定量的な評価手法として古くから用いられ、空間評価に一定の有効性が確認されているSD法(Semantic Differential法:意味微分法)に着目し、その調査設計から分析までをパッケージ化するための検討の一環として、形容詞の組合せが評価結果に及ぼす影響を分析した。その結果、評価対象の特性やコンセプトに応じた形容詞の組合せにおける留意点が明らかになった。 [論 文] 被験者数が景観評価結果に及ぼす影響 佐藤 昌哉(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(国土技術政策総合研究所)/松田 泰明(地域景観ユニット)/田宮 敬士(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 第54回土木計画学研究発表会(秋大会) 2016.11 ●概要 国土交通省では平成19年以降、すべての事業において景観検討の実施が原則化されている。また近年、地域振興や地域活性化のため、景観を活用したまちづくりの必要性が高まっているが、現場レベルで採用できる簡易な景観評価の手法がないことから、これに対する技術支援が求められている。このため、筆者らは景観分野で客観的かつ定量的な評価手法として用いられているSD法(Semantic Differential法)について、その調査設計から分析までをパッケージ化しマニュアルとして提示することを目的とした研究を進めている。本報告では、SD法を用いた景観評価において、全体の評価傾向を説明しうる被験者の最低必要数を検証することを目的として、被験者実験を行った結果について報告する。 [論 文] 観光地の魅力向上に寄与する屋外公共空間のあり方に関する研究について 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 平成28年度 日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2016.10 ●概要 全国で評価の高い温泉街型観光地から6つを選び(黒川、由布院、有馬、城崎、加賀山中、野沢)、現地調査やヒアリング調査の結果から、その屋外公共空間の共通点の抽出を行ったところ、「6のパターン」が見つかった。 本研究はこれらの「6のパターン」を用いて具体のいくつかの観光地の評価を試行し、各観光地における「6のパターン」との適合状況や、それらと観光地の魅力評価との関係について分析を行ったものである。 結果からは、前述の評価の高い6温泉地の中でも野沢については「6のパターン」への適合点数が低いこと、道内の温泉街型観光地はおしなべてパターンへの適合点数が低いこと、それが観光地における再来訪意欲と正の相関を示すこと、温泉街に限らず小布施や小樽などの一般の観光地でも「6のパターン」への適合が観光地の高評価につながっている可能性があること、などが確認できた。 [論 文] 「道の駅」の地域振興効果と経営状況の関係に関する一考察 松田 泰明(地域景観ユニット)/吉田 智(地域景観ユニット) 平成28年度 日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2016.10 ●概要 「道の駅」は、今や沿道の快適な休憩施設としてだけでなく、重要な地域振興施設となっている。そのため多くの自治体では、「道の駅」の設置目的に地域振興効果を謳っている。この「道の駅」による地域振興効果を少しでも高めるために、効果の発現に経営状況がどのように影響するかを把握することは重要である。 そこで北海道内の「道の駅」を対象に、入り込み数や地場産品の売り上げなどの経営状況と地域振興効果の実感度との関係性についてアンケート調査を行ったのでこれらの結果について報告する。 [論 文] SD法による景観評価において評価サンプルの作成方法が評価に及ぼす影響 田宮 敬士(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(国土技術政策総合研究所)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(地域景観ユニット) 平成28年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2016.10 ●概要 国土交通省所管事業では、すべての事業において景観検討の実施が原則化されているが、現場レベルで採用できる景観評価の手法が示されておらず、その技術支援が必要になっている。そこで寒地土木研究所では、客観的かつ定量的な評価手法として古くから用いられ、空間評価に一定の有効性が確認されているSD法(Semantic Differential法)に着目し、評価の対象・目的に応じて調査・設計から分析、結果の活用方法までをパッケージ化し、マニュアルとして提示するための研究を進めている。 このパッケージ化にあたっては、以下の項目の検討を行い、標準的な方法や実施上の留意点を整理する必要がある。①最適な評価サンプルの作成・提示方法、②評価結果の信頼性確保のために必要な被験者数、③適切な形容詞対の選定方法、④具体的な分析方法とその結果の解釈、⑤評価結果の計画・設計への反映方法。本研究では、このうち①を対象とし、評価サンプルの作成方法の違いが評価結果に及ぼす影響を印象評価実験により分析した。 [論 文] 道路施設の色彩に関する現状と課題について 吉田 智(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(地域景観ユニット) 第71回 土木学会全国大会 年次学術講演会 2016.9 ●概要 土木施設における色彩の影響は大きく、不適切な色彩の採用は、景観へのダメージのみならず施設の機能低下をもたらす。しかし、土木施設の色彩設計に関しては、一般にその具体的な方法を示した技術的指針がないため、現場技術者は色彩選定に苦慮している。そこで、現場での色彩設計を支援するため、特に積雪寒冷地、高緯度地域において、道路施設の機能と景観の向上に寄与する効果的な色彩設計方法の提案を目的とした研究を進めている。 本論文では、そのうち、積雪寒冷地における道路施設の色彩の現状と課題を、現地調査及び画像解析により分析した結果を報告する。 [論 文] 電線電柱類の景観対策手法と景観向上効果について 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(国土技術政策総合研究所)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第71回 土木学会全国大会 年次学術講演会 2016.9 ●概要 近年、電線電柱が景観に与える影響を改善するべきとの世論の高まりをうけ、電線類地中化を低コストで進める手法なども検討されている。 電線電柱類が沿道の景観に与える影響は大きく、特に道路背景に美しい農村・自然景観を有する北海道では、その魅力を損なっている事例が少なくない。 著者らは、土地制約が比較的少ない農村自然域において、「片寄せ(反対側への移設)」「セットバック(道路から離して設置)」「通信線のみ地中化」など、電線類地中化も含む、実現性が高く景観の底上げに寄与する手法についても提案してきた。 本研究では、北海道の農村・自然域を対象として、電線電柱類の評価項目を検討した上で、印象評価実験を実施し、①農村自然域と市街地等における景観向上効果の違いについてSD法による比較分析を行うと共に、②農村自然域における各景観向上策の有効性についてマグニチュード推定法により考察した。 [論 文] 暴風雪災害における避難施設としての「道の駅」と災害時のニーズについて 松田 泰明(地域景観ユニット)/吉田 智(地域景観ユニット)/高田 尚人(寒地土木研究所) 第71回 土木学会全国大会 年次学術講演会 2016.9 ●概要 2004 年新潟県中越地震にて、「道の駅」が避難場所や災害復旧、情報拠点として活用された。この経験から国土交通省では、休憩・情報提供・地域連携の3つの機能に加え、一部の「道の駅」について2007 年より防災拠点化を進めている。 また、多くが防災拠点化されていない中で、2011 年3 月の東日本大震災をはじめ、台風や暴風雪災害において避難施設として活用されるなど、避難者支援や復旧支援に大きく貢献した。 このため、「社会資本整備重点計画(2012.8.31 閣議決定)」や「国土強靱化政策大綱(2013.12)」においても、「道の駅の防災拠点化」が示されている。 本報告では、2013 年3 月の北海道オホーツク地域暴風雪災(死亡者9 名)における「道の駅」の避難者支援の状況をふまえ、これまで暴風雪災害に遭遇した道路利用者などにアンケート調査を実施し、「道の駅」の防災機能や災害時のニーズについて考察した。 [論 文] 積雪寒冷地における道路施設の色彩に関する現状と課題 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/吉田 智(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 日本色彩学会第47回全国大会 2016.6 ●概要 土木施設には、期待される機能の観点から望ましい色彩が存在すると考えられるが、施設単体の機能発揮だけではなく、整備する空間全体の景観にも配慮する必要がある。しかし、土木施設の色彩設計に関しては、一般に現場技術者が参照できる技術的指針がないため、不適切な色彩の採用による景観へのダメージだけでなく、施設の機能低下に繋がっている事例も少なくない。景観ガイドライン等における色彩の記述も限定的であり、さらに積雪寒冷地といった条件は考慮されていない。 そこで、施設の機能発揮と景観向上に貢献する効果的な色彩設計方法の検討に向けて、まず積雪寒冷地における環境色の変化と道路施設の色彩の関係を分析した。北海道の沿道特性の異なる5路線において、夏、秋(紅葉・黄葉期、落葉期)および冬に撮影した道路景観写真から15×10分割のモザイク画像を作成し、各モザイクの色相・明度・彩度を計測した後、ムーン&スペンサーの色彩調和論をもとに積雪寒冷地における道路施設の色彩の現状と課題を考察した。 その結果、環境色の季節変化が著しい積雪寒冷地においては、標準的に用いられているダークブラウンは環境色に対し調和的でない可能性が確認された。 [論 文] 温泉街型観光地の屋外公共空間の魅力に関する試行的な調査および分析 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第53回土木計画学研究発表会 2016.5 ●概要 観光振興や、観光地としての魅力向上、特に近年課題となっている滞在型観光の促進や観光地における滞在時間の向上を考える上で、景観や空間の質や機能は重要である。しかしこの点で、日本の観光地は海外の観光地に大きく見劣りしているのみならず、実行されている改善の取組みの面でも効果的なものとなっていない事例が多くみられる。 そこで、滞在型観光を念頭に、魅力的な観光地の条件を外部公共空間の面から明らかにすることで、外部公共空間の効果的な改善と、観光地の魅力向上とに貢献していくことを考え、これに関する研究に取り組みはじめたところである。 本発表では、この目的のため行なった、国内のいくつかの温泉街型観光地とその屋外公共空間の現状に関する試行的な調査の結果と、これに基づく分析や考察の結果について報告を行う。 【平成27年度】 [論 文] 現場で採用できる景観評価技術の提案について 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第59回(平成27年度)北海道開発技術研究発表会 2016.2 ●概要 国土交通省所管公共事業では、すべての事業において景観検討の実施が原則化されているが、現場レベルで採用できる景観評価の手法が示されておらず、その確立が求められている。そこで、客観的な評価手法の1つであるSD法に着目し、その調査設計から分析までをパッケージ化するための検討を行っている。その一環として、紙媒体を用いた評価方法における評価サンプルの作成方法の違いが評価結果に及ぼす影響について報告する。 [論 文] 被験者評価に基づく歩行空間の魅力向上手法に関する分析と提案 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第59回(平成27年度)北海道開発技術研究発表会 2016.2 ●概要 街路や広場などの歩行空間の魅力向上は地域に大きく期待されている一方、効果的でない整備もある。そこで、実在の歩行空間の写真等を用いたSD法に基づく被験者実験から、「歩行空間の印象」と「歩行空間の魅力」との関係に関する分析を行い、魅力的な歩行空間の要件について考察を行った。この知見が歩行空間の設計・整備に際し参照されることで、その効果的な魅力向上に寄与できると考えられる。これらについて報告を行う。 [論 文] 電線類地中化における寒冷地での浅層埋設手法に関する技術開発 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第59回(平成27年度)北海道開発技術研究発表会 2016.2 ●概要 電線類地中化の推進に向け、昨年度国交省が設置した「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」において、整備コスト削減に寄与する埋設基準の浅層化が議論されている。一方、寒冷地の埋設基準では、地盤の凍結深以上の土被りが必要とされており、浅層化に向けた凍結や凍上に対する技術的検討が求められている。本研究では、寒冷地における埋設基準浅層化に向けた技術的課題や必要な技術開発について、国内外の調査結果から考察する。 [論 文] 道路施設の機能と色彩に関する現状と課題について 吉田 智(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/佐藤 昌哉(地域景観ユニット) 第59回(平成27年度)北海道開発技術研究発表会 2016.2 ●概要 土木施設における色彩の影響は大きく、不適切な色彩の採用は、景観へのダメージのみならず施設の機能低下をもたらす。しかし、土木施設の色彩設計に関しては、一般にその具体的な方法を示した技術的指針がないため、施設の機能と景観に寄与する効果的な色彩設計の方法を提案する必要がある。そこで、道路施設を対象として、積雪寒冷地における環境色の季節変化を踏まえた色彩の現状と課題を、現地調査及び画像解析により分析した。 [論 文] 街路樹の景観機能に資する樹形管理の考え方と効果について 蒲澤 英範(地域景観ユニット)/ 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第59回(平成27年度)北海道開発技術研究発表会 2016.2 ●概要 良好な沿道景観の形成や環境保全に街路樹は大きな役割を担っている。しかし近年、台風等の自然災害による倒木の予防や落ち葉等が原因の沿道住民からの苦情により、過剰な剪定がなされている。その結果樹勢の低下や沿道の景観機能低下がみられる。そこで街路樹の樹勢や景観機能を維持する方法として、樹形管理が有効である事がわかった。また分かりやすい管理方法として目標樹形の設定の考え方とその効果について考察を行った。 [論 文] 路側式道路案内標識の活用に向けた報告 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(地域景観ユニット) 第59回(平成27年度)北海道開発技術研究発表会 2016.2 ●概要 標識令における案内標識の設置方法(型式)の一つに、路側式が示されている。路側式は片持式と比較して「景観に与える影響が小さい」、「経済性に優れる」などのメリットがあり、それらを踏まえると、近年の採用事例は増えつつあるが、さらなる活用の余地があると考えられる。そこで本報告では、今後の路側式の活用に向けて、その設置が有効となる現地条件や、設置検討時に考慮すべき事項について、とりまとめを行った。 [論 文] 景観と調和する積雪路に有効なシェブロンマーカーの配置と配色について 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/宗廣 一徳(寒地交通チーム) /髙田 哲哉(寒地交通チーム) ゆきみらい2016 2016.2 [論 文] 社会インフラツアーにおける土木遺産の活用とその効果に関する研究 原口 征人((一社)北海道開発技術センター)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/今 尚之(北海道教育大学教育学部札幌校) 土木学会北海道支部 平成27年度年次技術研究発表会 2016.1 ●概要 土木学会北海道支部では、選奨土木遺産委員会の活動として土木遺産ツアーを実施している。平成20年から年に1、2回、バスツアーにて、道央圏を主な実施場所にしている。本稿では、土木遺産ツアーの実施経験・知見を考察していき、土木施設を巡るツアーにより一般市民参加者の意識変容について明らかにし、土木の広報活動や教育活動がどのような意味を土木界にもたらすのかを考察する。 [論 文] 河川敷地内の樹林への枝打ち等による景観評価の変動 柏谷 和久(水環境保全チーム)/藤浪 武史(研究連携推進監)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 土木学会北海道支部 年次講演会 2016.1 ●概要 (準備中) [論 文] SD法を用いた景観評価における評価サンプルの作成方法が評価結果に及ぼす影響 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第11回景観・デザイン研究発表会 2015.12 (地域景観ユニット) ●概要 国土交通省所管公共事業では、すべての事業において景観検討の実施が原則化されているが、現場レベルで採用できる景観評価の手法が示されておらず、その確立が求められている。 そこで本研究では、客観的かつ定量的な評価手法として古くから用いられ、空間評価に一定の有効性が確認されているSD法(Semantic Differential法:意味微分法)に着目し、その調査設計から分析までをパッケージ化するための検討の一環として、評価サンプルの作成方法の違いが評価結果に及ぼす影響を分析した。 その結果、最も汎用性の高い紙媒体を用いた評価方法について、評価サンプル作成における画像の大きさ、画角、空間の利活用状況の留意点が明らかになった。 [論 文] 道路施設の色彩規定に関する基準類の現状と課題 吉田 智(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/ 第11回景観・デザイン研究発表会 2015.12 (地域景観ユニット) ●概要 景観デザインにおいて、色彩はさまざまな効果や影響を及ぼす重要な要素の一つである。本来、土木施設にはその役割や期待される機能の観点から望ましい色彩が存在するが、施設単体の機能発揮だけではなく、整備する空間全体としての機能の最適化にも配慮する必要がある。 しかし、土木施設の色彩設計に関しては、一般にその具体的な方法を示した技術的な指針等は見当たらず、景観ガイドライン等にも記述は限定的である。そのため、不適切な色彩の採用による景観へのダメージだけでなく、施設の機能低下に繋がっている事例も少なくない。 そこで、筆者らは、道路施設を対象として、特に積雪寒冷地、高緯度地域において、機能と景観の向上に寄与する効果的な色彩設計方法を提案し、現場技術者が参照可能な技術資料として提供するための研究を進めている。本発表では、国内外で運用されている基準類における、色彩に関する規定や考え方の現状と課題について報告する。 [論 文] 道路付属施設の機能性と道路景観の相乗的な向上に関する考察 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/ 第11回景観・デザイン研究発表会 2015.12 (地域景観ユニット) ●概要 魅力的な景観が観光などを通じて地域振興に貢献しているなか、道路整備においても景観に配慮した対応が求められている。一方、道路空間には案内誘導や注意喚起など、道路利用者のニーズに応じた様々な機能が必要とされ、一般的に道路付属施設類の設置によって補われているが、それらは道路からの眺め(道路内部景観)に自然と入り込み、沿道に広がる素晴らしい景観の質を低下させることも少なくない。しかしながら道路景観の評価は、「道路付属施設から視覚的に感じる機能性」にも影響を受けていると考えられる。 そこで本発表では現道における実験を通じて、道路空間で発現される道路付属施設類の「機能性向上」に焦点をあて、よりわかりやすく、より走りやすい道路空間は景観の向上に資することを表現した。 [論 文] サンプルの作成方法が評価結果に及ぼす影響 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第52回土木計画学秋大会 2015.11 (地域景観ユニット) ●概要 国土交通省所管公共事業では、すべての事業において景観検討の実施が原則化されているが、現場レベルで採用できる景観評価の手法が示されておらず、その確立が求められている。 本研究では、客観的かつ定量的な評価手法として古くから用いられ、空間評価に一定の有効性が確認されているSD法(Semantic Differential法:意味微分法)に着目し、その調査設計から分析までをパッケージ化するための検討の一環として、評価サンプルの作成方法の違いが評価結果に及ぼす影響を分析した。 その結果、最も汎用性の高い紙媒体を用いた評価方法について、評価サンプル作成における画像の大きさ、画角、空間の利活用状況の留意点が明らかになった。 [論 文] 海外における無電柱化のためのケーブル埋設機械に関する基礎調査結果 田所 登(寒地機械技術チーム)/大槻 敏行(寒地機械技術チーム)/ 土木建設技術発表会2015 2015.11 (地域景観ユニット) ●概要 防災・景観・観光の観点から電線電柱類の対策が求められている中、日本においてはこれまで主に市街地の幹線道路や観光地の歴史的町並みなどを対象とした無電柱化(主に電線地中化)が進められてきた。国土交通省においては「無電柱化低コスト手法技術検討委員会」(H26.9発足)において低コスト化につながる埋設方法の浅層化や直接埋設などの手法が検討されている。 日本国内において先進諸外国並の無電柱化率を達成するためには、高額な整備コストの大幅な削減や施工性の向上を図る必要があり「積雪寒冷地における浅層埋設技術」および「郊外部における専用の施工機械を用いた施工技術」についての検討が重要である。 そこで、寒地土木研究所では、凍上地域での非市街地における効率の良い掘削やケーブル埋設の方法を確立すべく、施工機械に求められる性能を把握して、効率的に電線の埋設できる専用機械の仕様を検討する予定である。 そのための事例収集として、海外で使用されているケーブル埋設用掘削機械の基礎調査を行った。 その結果、掘削+ケーブル直接埋設+埋め戻しの一連作業を行う専用機械や、バックホウやトラクタショベルのアタッチメントとして掘削のみを行う機械などが使用されていることがわかった。 本稿ではこれら機械の特徴や国内への適応の可能性について概要を報告する。 [論 文] 景観形成等の取組みの効果・発現の考え方とその評価手法に関する提案 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 平成27年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 事業の「効果」を適切に評価することへのニーズは高い。 本発表では、景観の効果に関する筆者らの過去数年の研究成果をもとに、景観の効果の発現プロセスモデルと、それをもとにした景観の効果とその評価手法について提案を行う。 [論 文] 走行実験からみた田園地域における道路のシークエンス景観の評価について 松田 泰明(地域景観ユニット)/兵庫 利勇(地域景観ユニット)/二ノ宮 清志(地域景観ユニット) 平成27年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 魅力的な沿道景観は重要な観光資源の一つである。そこで道路の計画や設計において、この地域資源である美しい沿道景観を上手く生かしていくことが重要となる。その際、道路利用者が安全快適に走行できるよう、必要な道路機能を確保しながら良好な道路景観にも資する道路空間づくりが求められる。 本研究では道路インフラが生み出す効果の一つとして道路景観に着目し、道路機能と景観が両立した効果的で効率的な道路景観の向上手法の提案を目指している。 本報告では、このうち道路(沿道)景観の評価手法の提案を目的に行った道路走行中のシークエンス景観の評価実験をもとに、被験者に共通する景観の評価やその評価に影響を与えている要因や要素について考察する。 [論 文] 農村・自然域の電線電柱類が景観に与える影響の評価分析手法について 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット) 平成27年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 電線電柱類が沿道の景観に与える影響に与える影響は、道路背景に美しい景観を有する北海道では特に大きく、地域の魅力を損なっている事例が少なくない。特に近年では、「電線電柱類の増加」「道路占用の増加」など、電線電柱類が景観に与える影響が増加している。 一方、現場では、電線電柱が景観に与える影響をどのように捉え、適切な対策手法をとるかが求められるが、その際、様々な対策手法が、どの程度効果をあげられるのか、場所によってどの程度効果が異なるのかは把握されていない。 本研究では、北海道の農村・自然域を対象とした、電線電柱類の景観阻害を低減する景観向上策の評価手法を整理・提案するため、室内・現地において実施できるSD法などを活用した評価実験により景観向上策の有効性を分析するとともに、画像による評価手法の考察をおこなった。 [論 文] 無電柱化のためのケーブル埋設機械について 田所 登(寒地機械技術チーム)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/山口 和哉(寒地機械技術チーム)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 防災・景観・観光の観点から電線電柱類の対策が求められている中、日本においてはこれまで主に市街地の幹線道路や観光地の歴史的町並みなどを対象とした無電柱化(主に電線地中化)が進められてきた。日本国内において先進諸外国並の無電柱化率を達成するためには、高額な整備コストの大幅な削減や施工性の向上を図る必要があり「積雪寒冷地における浅層埋設技術」および「郊外部における専用の施工機械を用いた施工技術」についての検討が重要である。事例収集として、海外で使用されているケーブル埋設用掘削機械の基礎調査を行った。 本稿ではこれら機械の特徴や国内への適応の可能性について概要を報告する。 [論 文] 事例からみた災害時に求められる「道の駅」へのニーズについて 吉田 智(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高田 尚人(寒地技術推進室道北支所) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 「道の駅」は沿道の快適な休憩施設として整備されているため、自治体などの防災施設への位置付けがされていなかったり、指定管理制度の委託契約にも災害対応が規程されていない場合も多かった。そのため、災害を経験していない「道の駅」の中には、災害時のニーズや役割、対応の仕方などについて十分に理解していないことを調査で把握している。 本報告では、「道の駅」の関係者が災害時にどの様な対応が必要かについての理解と防災機能向上を目的に、「道の駅」へ避難した経験がある方々が、災害時に何を求めて「道の駅」に避難したかについて調査を行った。これらを踏まえ、災害時に求められる「道の駅」のニーズについて考察する。 [論 文] 走行実験による視覚的な評価からみた道路付属施設の適切な配置に関する考察 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/宗廣 一徳(寒地交通チーム)/髙田 哲哉(寒地交通チーム) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 「シーニックバイウェイ北海道」や「日本風景街道」のような地域振興施策にみられるように、優れた道路景観は重要な観光資源であり、快適な走行環境の創出が必要となっている。 一方、道路空間には案内誘導や注意喚起などの様々な機能が求められ、道路付属施設類の整備により補われている。 しかし、これらの施設類は個々の基準やガイドラインなどに基づき設計・整備され、施設相互の関係性はあまり考慮されていないため、新たなニーズの発生と共に増加することはあれど、削減されることはまれである。また、設置基準等のない補助標識の中には、明らかに過剰な設置がされている例や、機能の発現度が不明瞭と考えられる例もある。 その結果、施設類が景観を損ねる要因となるばかりでなく、施設同士の重複・煩雑により分かりづらい・走行しづらいなど、走行環境の低下をもたらす可能性もある。 本報告は、研究テーマである景観と機能が調和する道路付属施設の配置1)に向けて、走行実験による視覚的な印象から、道路空間における評価が道路付属施設類の数や大きさ、統一感ある配置などと相関性が高いことを明らかにした。 [論 文] 景観形成の取組みの効果に関する評価手法について 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 美しい国づくり政策大綱の発表から10年、この間、景観検討の原則化を打ち出した「国土交通省所管公共事業における景観検討の基本方針」など、景観関連の施策は拡充が進んだ。 しかしながら、景観形成の取組みの効果に関する考え方や評価手法は十分に確立されておらず、公共投資削減等の逆境もある中、これが景観に関する取組みの推進・普及あるいは合意形成に際しての課題のひとつとなっている。 本報告では、筆者らが進めてきた景観形成の取組みが地域にもたらす効果の範囲やその評価手法に関する研究から、その成果として得た「景観の効果の発現プロセスモデル」と、これに基づいた取組みや事業の効果の評価手法の考え方について報告する。 [論 文] 街路樹の景観機能からみた樹形管理の有効性について 蒲澤 英範(地域景観ユニット)/上田 真代(北海道開発局)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 道路空間において街路樹は、道路景観機能の向上をはじめ、歩車分離による交通安全機能、季節感、心理的やすらぎなど、良好な沿道環境の維持に寄与している。しかし、街路樹に期待される機能を低下させるような管理をしている事例もみられる。 例えば、本来、電線管理者等が鞘管を設置すれば剪定の必要がない街路樹が、架空線を避けて過度に剪定している事例や、剪定を要しない樹種であるナナカマドなどが、通行や標識等の視認性の阻害となっていないにもかかわらず剪定されている事例もある。こうした不適切な剪定は、景観機能の喪失だけでなく、樹勢の衰退や枯死を招く原因ともなる。 そこで、街路景観機能を維持しつつ、適切な剪定による管理方法の検討を目的に、街路樹の管理状態と景観機能の評価に関する印象評価実験を実施したので、その結果と考察を述べる。 [論 文] 寒冷地での電力・通信線の浅層埋設に関する課題と必要な技術開発について 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/蒲澤 英範(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 国土交通省「無電柱化低コスト手法技術検討委員会(H26.9~)」において、地中化の施工費用縮減に向けた浅層埋設手法や直接埋設手法の技術的検討が進められている。今後、無電柱化推進法案の制定を経て基準が見直されていくものと考えられる。一方で、北海道のような寒冷地では、凍結や凍上による電力・通信線の管路・ケーブル・道路機能の障害を防ぐ観点から凍結深さより深い位置への埋設が一般的であり、施工費が高くなる一因となっている。このことから、今後凍結深より浅い位置へ埋設する際の課題把握や技術開発が必要といえる。 そこで本研究では、国内外の埋設基準等の収集、国内の事業者等へのヒアリングに基づき、我が国の寒冷地で浅層埋設を行う際の配置場所・深さ・幅・材料等の技術的課題や必要な技術開発を整理した。 [論 文] 「道の駅」の経営状況からみた地域振興への貢献について 松田 泰明(地域景観ユニット)/吉田 智(地域景観ユニット)/柴田 哲史(北海道開発局) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 「道の駅」は、沿道の快適な休憩施設としてだけでなく、観光貢献など地域の重要な振興施設となっている。特に北海道では二次交通の脆弱性に加え、観光資源がカントリーサイドに点在することから、道民はもとより国内外からのドライブ観光需要が大きく、道の駅が果たす役割は他の地域よりも大きい。そこで、これまで屋内外の休憩空間の快適性が滞在時間と売上に大きく影響することや、防災機能の向上にあたっても平時の基本機能の充実や空間への負の影響への配慮が重要であることなどを報告してきた。 今回の報告では、農水産物などの「産直品」やそれ以外の「地場産品」に着目し、物販を中心とした経営状況からみた地域振興への貢献について、北海道の「道の駅」を対象に調査を行った結果を基に考察した。 [論 文] 公共事業における効率的な景観検討のための景観評価技術について 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第31回日本道路会議 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 国土交通省の「国土交通省所管公共事業における景観検討の基本方針 (案)」に基づく、すべての事業を対象とした景観検討実施の原則化や、地域における景観まちづくりへの取り組みの活発化を背景として、事業にあたっての景観の検討・予測・評価の必要性が高まっている。しかし、現場で景観検討に対応できる人材は限られており、専門家を交えた委員会レベルの検討ではない一般的な水準の事業においては、景観検討の実施が未だ困難な状況にある。そのため、現場レベルで採用できる簡易な景観評価技術を確立することにより、景観配慮や景観検討の普及を図っていく必要がある。 そこで、景観分野でも客観的かつ定量的な評価手法として古くから用いられ、空間評価に対する一定の有効性が確認されているSD法(Semantic Differential法)に着目し、現場で採用可能な技術として調査設計から分析までをパッケージ化しマニュアルとして提示するために、解決すべき課題を整理しパッケージ化に向けた調査を開始したので、現在取り組んでいる検討項目とこれまでに得られた知見について報告する。 [論 文] 北海道における道路付属物の最適配置に関する実道実験 宗廣 一徳(寒地交通チーム)/髙田 哲哉(寒地交通チーム)/二ノ宮 清志(地域景観ユニット) 交通工学 2015.10 (地域景観ユニット) ●概要 「美しい国づくり政策大綱」の策定や「景観法」の公布を受け,景観に配慮した道路整備が求められている。しかし,近年,地方部の道路では,視認性の高い視線誘導施設や道路標識が乱立し過剰配置となる事例や,景観性を阻害する要因となる事例も散見されている。 本研究は,北海道郊外部の実道を対象とし,被験者20名の参加により,道路付属物の配置と沿道景観との調和性に関する実験を行った。実験は,実走行実験及びフォトモンタージュを用いた室内実験の2種類を行った。対象とした道路付属物は,区画線,視線誘導標,警戒標識,シェブロン,固定式視線誘導柱,案内標識等とした。実験ケースは,夏期・冬期の昼間及び夜間の4ケースとした。実験の結果,景観との調和性も考慮し,道路付属物配置は最小化することが望ましいことが示された。 [論 文] 河川空間の樹林等の維持管理における景観評価手法の活用 柏谷 和久(水環境保全チーム)/藤浪 武史(研究連携推進監)/ 岩田 圭佑(地域景観ユニット) 土木学会 第70回年次学術講演会 2015.9 (地域景観ユニット) ●概要 (準備中) [報 文] 沿道景観を考慮したカーブ区間の案内誘導に関する標識配置実験 髙田 哲哉(寒地交通チーム)/宗廣 一徳(寒地交通チーム)/二ノ宮 清志(地域景観ユニット) 第51回土木計画学研究発表会 2015.6 (地域景観ユニット) ●概要 日本風景街道やシーニックバイウェイ北海道の登録ルートは地域活性化や観光振興に寄与しており、快適な道路空間の整備は魅力ある地域を創生する上でも不可欠な要素である。他方、道路交通の円滑化の観点では、沿道風景に配慮しつつも標識等の道路付属物を基準に則して整備する必要がある。しかし、事故が懸念されるカーブ区間では、施設相互の関連性が考慮されずに多数の道路付属物の整備が進められ、情報過多となっている箇所も見受けられる。 本実験は、良好な沿道景観と標識等の道路付属物の適切な案内誘導機能の構築を目的として、当研究所が所有する苫小牧寒地試験道路のカーブ区間にて、道路付属物の配置変化に伴うドライバーの印象把握及び運転挙動の計測を実施した。結果、道路付属物の過度な配置数増加に伴い、情報判断量及び景観性の印象は低下した。カーブ認識地点はより遠方へ変化したが、車両の減速開始地点には大きな変化は見られなかった。 [論 文] 道路付属施設の機能評価からみた沿道景観の向上に関する考察 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/髙田 哲哉(寒地交通チーム)/宗廣 一徳(寒地交通チーム) 第51回 土木計画学研究発表会 (春大会) 2015.6 (地域景観ユニット) ●概要 「シーニックバイウェイ北海道」や「日本風景街道」のような地域振興施策にみられるように、優れた道路景観は重要な観光資源である。しかし、道路空間には案内誘導や注意喚起などの様々な道路付属施設が計画・整備され、これらが景観を損ねる要因ともなっている。さらに施設同士の重複・煩雑により走行しづらい・分かりづらいなど、道路機能の低下をもたらしている例もみられる。観光に資する道路を考えたとき、景観に優れ、道路付属施設の機能も適切に発揮された、快適で安全な道路環境が求められる。 本報告は、実道における被験者走行実験から、道路空間内の評価と道路付属施設類の設置状況を比較分析し、施設類の数や大きさ等が道路空間全体の評価と相関性が高いことを明らかにした。 [論 文] 評価形容詞対を用いた印象評価実験による魅力的な歩行空間の要件に関する研究 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第51回 土木計画学研究発表会 (春大会) 2015.6 (地域景観ユニット) ●概要 近年、地域活性化がさまざまな地域で切実な課題となり、歩行空間の魅力向上にも関心が高まっている。しかし一方で、歩行空間の整備内容と歩行空間の魅力との関係については、これまで十分に解明されておらず、魅力向上に効果的でないと考えられる歩行空間の整備も散見される。 本研究では、様々な歩行空間の実例写真や、それらを基にしたモンタージュ写真を刺激として、評価形容詞対を用いた印象評価実験を行い、歩行空間の魅力と、歩行空間の印象評価との関係について分析を行った。この結果から、歩行空間の魅力には、「自然的な」「つつまれた」「開放的な」の各印象が寄与していることを明らかにし、さらに、この歩行空間の評価構造について複数の歩行空間のタイプ別に比較検証することにより、その一般性を確認した。 [論 文] ルーラルエリアにおける通信線の景観への影響と単独埋設の有効性について 松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/井上 利一(NPO法人電線のない街づくりネットワーク) 第51回 土木計画学研究発表会 (春大会) 2015.6 (地域景観ユニット) ●概要 主な交通路である道路からの景観は、地域の印象に大きく影響する。しかし、我が国の沿道には多くの電線電柱類が設置され、これらが沿道景観の魅力を大きく低下させ、観光振興にも影響を与えている。さらに、近年の通信需要への対応などにより通信線が増加して新たな電柱も設置され、ますます景観悪化を招いている。特に自然域や田園地域など、沿道施設がほとんどなく開放的な沿道景観を有する地域ではその影響は大きい。しかし、無電柱化事業は極めて高額なコストなどから、市街地や伝建地区以外での事例は少ない。一方、通信線は配電線より低い位置にあり、太くより目立つが、通信線は配電線に比べて無電柱化の整備コストも大幅に安く、管理面からも整備のハードルは低い。 本稿では、景観への影響が大きく、現在増加している通信線を対象に、ルーラルエリアにおける景観への影響や、無電柱化を含めた効果的な対策手法とその有効性について考察した。 【平成26年度】 [論 文] 景観の効果の発現モデル試案に基づく景観整備効果の発現傾向の分析と試案の検証 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 土木学会論文集D3・特集号(土木計画学研究・論文集) 2015.2 (地域景観ユニット) ●概要 近年、公共事業の効率性がより求められる中、整備効果の明示や、事業や施策の妥当性や必要性に関する明確な説明が重要になってきている。これに対応するため、景観に関する事業や施策についても、その効果に関する評価手法の確立が期待されている。 本研究は、筆者らの先行研究において提案した、景観の効果の発現プロセスに関する試案の検証およびそれら効果の発現状況の評価手法について検討を行うためのものである。全国の優れた景観形成の取組み事例について、自治体担当者を対象としたアンケート調査から、景観の効果の発現状況について調査・分析を行い、試案の妥当性について確認した。また、それら分析結果から、景観の効果の評価に適した評価指標について考察を行った。 [論 文] 街路樹の景観機能と管理状態に関する評価について 上田 真代(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット) 第56回(平成26年度)北海道開発技術研究発表会 2015.2 (地域景観ユニット) ●概要 街路樹は都市の景観形成や環境保全に寄与している。しかし近年、維持管理費の大幅な縮減により、剪定期間の長期化などから、過剰な剪定が行われ、樹勢や景観形成などの機能の低下がみられる。そこで、街路樹の景観機能と管理状態の関係について評価するため、スクリーンに投影した写真について被験者実験を行った。その結果、景観形成機能をはじめとする街路樹の機能を維持した効率的な管理が重要であることが明らかとなった。 [論 文] 地域特性を考慮した災害時の「道の駅」の役割と必要な機能について 吉田 智(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高田 尚人(地域景観ユニット) 第56回(平成26年度)北海道開発技術研究発表会 2015.2 (地域景観ユニット) ●概要 地震や暴風雪など、これまでの災害時には「防災拠点化の有無」や「施設の規模」などに関係なく、道路利用者が「道の駅」に避難している。しかし、災害対応の経験がない「道の駅」などでは、災害時の利用者行動やニーズ、必要な対応などについて理解されていない状況にある。 そこで、本報告では現地調査や関係者ヒアリング、利用者アンケートなどから、災害時における「道の駅」の役割や必要となる防災機能について考察する。 [論 文] 道路空間の評価と道路付属施設に関する関連性について -郊外部における走行実験の結果から- 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高田 哲哉(寒地交通チーム) 第56回(平成26年度)北海道開発技術研究発表会 2015.2 (地域景観ユニット) ●概要 諸外国に比べ、我が国の道路空間には多数の道路付属施設が存在するが、それぞれの基準や目的によって設計され、新たなニーズと共に増加している例もみられる。一方、これらは相互の関係性が考慮されてなく、重複や錯綜等により機能の低下をはじめ、景観へ負の影響も大きい。このため、実験により道路空間の評価と道路付属施設との関連性について分析し、機能、コスト、景観などが調和した道路空間の構築に向けた考察を行った。 [論 文] 事例分析に基づく景観形成の取組みの効果に関する分析整理 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第56回(平成26年度)北海道開発技術研究発表会 2015.2 (地域景観ユニット) ●概要 近年、公共事業における景観関連の施策の拡充が進んでいるが、景観形成に取組む意義や目的、あるいはその効果に関する理解は行政の内部において十分に進んでおらず、これが景観に関する取組みの推進・普及上の課題となっている。このため、景観に関する既往の取組み事例の収集と分析を基に、景観の性状や景観形成の目的別のタイプ分類作業を行い、景観に関する取組みの意義や目的について整理と解説を試みたので報告する。 [論 文] 無電柱化事業の課題と必要な技術開発について 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/井上 利一(NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク) 第56回(平成26年度)北海道開発技術研究発表会 2015.2 (地域景観ユニット) ●概要 我が国の無電柱化率は諸外国と比べ極めて低い中、近年防災や景観、観光等の面から無電柱化に対する社会的ニーズがとみに高まっている。今後、我が国で無電柱化を進めるには、高額な整備コストの大幅な低減が必須となる。そのためには、簡易な埋設技術や専用機械を用いた効率的な施工法の導入などが必要となる。本研究では、無電柱化事業における土木技術的課題や参考となる国内外の事例調査から、必要な技術開発について考察する。 [論 文] 暴風雪災害における「道の駅」の防災機能に関する考察 吉田 智(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/高田 尚人(寒地技術推進室道北支所) 第27回 ゆきみらい研究発表会 2015.1 (地域景観ユニット) ●概要 2004年新潟県中越地震、2011年の東日本大震災では、「道の駅」は避難者支援施設として貢献し、2013年、2014年に北海道で発生した暴風雪災害においても、道路利用者などの避難場所として活用された。そのため、“防災機能”が「道の駅」の新たな機能として注目され、国土交通省では2007年度より一部の「道の駅」で防災拠点化を進めている。 そこで、「道の駅」の防災機能の向上を目的に暴風雪災害で避難者支援を経験した「道の駅」関係者への現地調査やヒアリングおよび利用者アンケートを行い、災害時の受け入れや支援の状況を把握した。これらをふまえ、暴風雪災害等に貢献する「道の駅」の効果的な防災機能に関して考察した。 [論 文] 景観が地域にもたらす効果の体系に関する論考 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第10回土木学会景観・デザイン研究発表会(デザイン研究講演集 No.10) 2014.12 (地域景観ユニット) ●概要 公共事業の実施や地域の魅力向上のための取組みに際しては、景観への適切な配慮や検討の実施が必要となっているが、良好な景観が地域にもたらす効果を、評価・比較しやすい形で示すための手法は確立されておらず、これが景観に関する取組みの実施や合意形成を難しいものとする一因となっている。 本研究は、筆者らが先行研究において提案した「景観の効果の発現モデル」について、当該モデルにおける効果の体系では網羅しきれていなかった景観の効果項目の抽出を行い、それらをもとに、当該モデルの拡張と再構築を行ったものである。これにより、既往の研究で指摘されている良好な景観形成がもたらす効果の項目をほぼすべてを網羅する、景観の効果の体系を提案することができた。 [論文:ポスター発表] 道路付属施設の機能評価からみた景観と交通機能の両立する最適配置に向けた一考察 二ノ宮 清志(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 第10回土木学会景観・デザイン研究発表会 2014.12 (地域景観ユニット) ●概要 標識類などの道路付属施設は、道路の景観や、整備・維持管理コストに大きな影響を与えるものであるため、「最適な配置」に向けた検討が必要であり、その手段の一つとして集約や削減が考えられる。しかしながら、道路空間には道路利用者が安全かつ快適に走行する上での「機能」が求められ、各施設はその「機能を発揮するもの」として設置されているため、改良にあたっては慎重な検討が必要である。 本発表は、景観と交通機能の両立した「道路空間の最適化」へ向けて、現道における道路付属施設の有する多面的な機能を評価するための被験者走行実験を実施し、被験者が評価した道路付属施設の各機能と、景観性、安全性、認知性、走行性などの関連性について考察したものである。 [論文:ポスター発表] 無電柱化事業の課題と今後の技術開発について 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/井上 利一(NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク) 第10回土木学会景観・デザイン研究発表会 2014.12 (地域景観ユニット) ●概要 防災・景観・観光の観点から電線電柱類の対策が求められる中、我が国ではこれまで主に市街地の幹線道路や観光地の歴史的街並み、民間による住宅開発地などを対象とした無電柱化事業(主に電線地中化)が進められてきた。しかしながら、先進諸外国並の無電柱化率を目指すためには、高額な整備コストの大幅な削減や施工性の飛躍的向上を図り、市街地の非幹線道路や郊外部など、地域の実情や投入できるコストにあわせた多様な対策を進めるための技術開発や関係者間の協働、支援制度の構築が必須となる。 そこで本研究では、国内外の事例収集に基づき、我が国における無電柱化事業の課題を整理し、今後望まれる低コスト化や施工性の向上にむけた埋設・施工技術開発に関する考察を行った。 [論文:ポスター発表] 公共事業における景観検討の効率化のための景観評価技術の確立にむけて 小栗 ひとみ(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット) 第10回土木学会景観・デザイン研究発表会 2014.12 (地域景観ユニット) ●概要 国土交通省における「国土交通省所管公共事業における景観検討の基本方針 (案)」に基づく、すべての事業を対象とした景観検討実施の原則化や、地域における景観まちづくりへの取り組みの活発化を背景として、事業にあたっての景観の検討・予測・評価の実施が必要とされている。しかし、現場で景観検討に対応できる人材は限られ、一般的な事業での景観検討の実施は未だ困難な状況であり、景観配慮や景観検討の普及のために、現場レベルで採用できる景観評価の手法が求められている。 そこで、客観的かつ定量的な評価手法として古くから用いられ、一定の有効性が確認されているSD法(Semantic Differential法)に着目し、現場レベルで採用できる簡易な手法とし て、調査方法から分析までをパッケージ化してマニュアルとして提示するための研究を進めている。本発表では、SD法による景観評価の現状と課題、現場に適用する上で解決すべき事項について報告する。 [論文:ポスター発表] 街路樹の景観機能と管理状態に関する被験者実験について 上田 真代(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/小栗 ひとみ(地域景観ユニット) 第10回土木学会景観・デザイン研究発表会 2014.12 (地域景観ユニット) ●概要 街路樹は都市の景観形成や環境保全に寄与している。しかし近年、維持管理費の大幅な縮減により、剪定期間が長期化されたことなどから、過剰な剪定が行われ、樹勢の低下や景観形成などの機能の低下が見られる。 そこで、街路樹の景観機能と管理状態の関係について評価するため、スクリーンに投影した写真について被験者実験を行った。高評価の写真に着目すると、緑量が多く、樹形も良好なものが多かった。また、フォトモンタージュ写真を用い、街路樹が無い状態、強剪定された状態、自然樹形に近い状態に管理された場合の比較を行うと、自然樹形に近い管理状態の場合は、他者に比べ評価が高い結果となった。これらのことから、街路樹の維持管理においては、景観形成機能をはじめとする街路樹の機能を維持した効率的な管理が重要であると考えられる。 [論文:ポスター発表] 電線電柱類が農村・自然域の景観に与える影響と効果的な対策手法について 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 日本都市計画学会北海道支部 研究発表会 2014.11 (地域景観ユニット) ●概要 電線電柱類が沿道の景観に与える影響に与える影響は、道路背景に美しい景観を有する北海道では特に大きく、地域の魅力を損なっている事例が少なくない。 本研究では、北海道の郊外部、特に農村・自然域を対象として、電線電柱類の景観阻害を低減する効果的な景観向上策について検討することを目的とする。 [論文:ポスター発表] 街路樹が道路景観に与える影響に関する被験者実験 上田 真代(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/太田 広(北海道開発局) 平成26年度日本造園学会北海道支部大会 2014.10 (地域景観ユニット) ●概要 街路樹の景観機能と管理状態の関係について評価するため、スクリーンに投影した写真約80枚について、被験者実験を行った。好評価された写真に着目すると、緑量が多く、樹形も良好なものが多かった。また、フォトモンタージュ写真を用い、街路樹が無い状態、強剪定された状態、自然樹形に近い状態に管理された場合の比較を行った。自然樹形に近い管理状態の場合は、他者に比べ評価が高い結果となった。これらのことから、街路樹の景観機能は樹形の影響を大きく受け、街路空間の景観向上のためには街路樹の管理が重要であることが確認できた。 [論 文] 道路空間の機能向上と維持管理の軽減にむけた道路付属施設の集約・削減手法の検討 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/兵庫 利勇(稚内開発建設部) H26年度土木学会全国大会 第69回年次学術講演会 2014.9 ●概要 近年、道路付属施設が過剰に設置され、道路空間本来の機能性や安全性を損ねている事例が多く、景観阻害にも繋がっている。そのため、道路付属施設の適切な機能評価を行い、現場条件に適した集約・削減手法を提示することで、道路空間本来の機能や景観の向上、維持管理性向上を考える必要がある。 そこで本研究では、主な道路付属施設を対象とし、「機能性」「認知性」「安全性」「景観性」という指標を想定した印象評価実験を行い、道路付属施設を段階的に集約・削減した配置パターンと印象評価の関係性を把握することで、道路空間の機能や景観の向上につながる道路付属施設の集約・削減手法について基礎的検討を行った。本研究のようなアプローチは、今後道路付属施設の維持管理を通じ、道路空間の機能や景観の向上を一つのデザインにまとめ上げていく際の評価手法として寄与できると考える。 [論 文] 災害事例からみた「道の駅」の防災機能のニーズと課題、効果的な向上策について 松田 泰明(地域景観ユニット)/高田 尚人(寒地技術推進室道北支所)/新井 健(北海道地区道の駅連絡会) H26年度土木学会全国大会 第69回年次学術講演会 2014.9 ●概要 2004年新潟県中越地震において、被災地及びその周辺の道の駅が避難場所や災害復旧、情報拠点施設として活用された。この経験から国土交通省では、休憩・情報提供・地域連携の3つの機能に加え、一部の道の駅について2007年より防災拠点化を進めている。また、多くの道の駅が防災拠点化されていない中で、2011年3月の東日本大震災をはじめ、台風や暴風雪災害においても避難施設として活用されるなど、避難者支援や復旧支援に大きく貢献した。このため、「社会資本整備重点計画(2012年8月31日閣議決定)」や、「国土強靱化政策大綱(2013.12)」においても、「道の駅の防災拠点化」が示されている。 本報告では、これら二つの地震災害に加え、2013年3月に発生した北海道オホーツク地域暴風雪災害時(死亡者9名)の道の駅の避難者支援の状況を含めた現地調査の結果から、道の駅の防災機能向上に向けた課題やニーズ、有効な方策などについて考察した。 [報 文] 良好な景観が地域にもたらす効果の発現プロセスと把握モデルについて 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) No.734 2014.7 (地域景観ユニット) ●概要 近年、公共事業の実施に際しては、美しい国づくり政策大綱以来の施策等の拡充や、景観に対する市民意識の高まりを受け、景観への配慮やその検討の必要性が高まっている。しかしながら、良好な景観が地域にもたらす効果を、評価・比較しやすい形で示すための手法は確立されておらず、これが景観に関する取組みの実施や合意形成を難しいものとしている。 本論文は、景観が地域にもたらす効果に関する研究の一環として、都市再生整備計画事業の事後評価結果に関する分析などをもとに、その評価指標のあり方などについて検討した結果を報告するものである。 調査対象とした186の都市再生整備計画事業の事後評価結果からは、商工観光や人口関連の統計的指標の達成度が相対的に低いことが確認されたが、一方で、これら統計的指標の達成度と「満足度・好感度」に分類される指標の達成度との間に、他の評価指標間と比較してより強い関連性のあることがわかった。 これらの調査結果や、消費者の意思決定プロセスを示す「CAB」モデルなどの考え方をもとに、景観の効果の発現プロセスについて検討を行い、景観の効果の発現を「認識・意欲・行動・統計・供給」の5 段階によって把握するモデルを提案した。 [論 文] 災害時における道路利用者の安全な避難などに貢献する「道の駅」の防災機能に関する考察 高田 尚人(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第49回土木計画学研究発表会(春大会) 2014.6 (地域景観ユニット) ●概要 「道の駅」は現在1000駅を超え、道路利用者にとって重要な沿道の休憩施設となっている。2004年の新潟中越地震や2011年の東日本大震災において交通網が寸断されるなか、「道の駅」は道路利用者や地域住民の避難場所や道路情報などの発信拠点として貢献した。更に、暴風雨や暴風雪など比較的起こりやすい災害においても貢献している。 そのため、「道の駅」の防災機能は新たな機能として期待され、国土交通省では「道の駅」の防災拠点化を進めている。 このように、災害時における交通ネットワーク障害発生時には、「道の駅」が道路利用者の安全な避難及び適切な誘導、ルート判断などに貢献すると考えられる。 そこで本報告では、災害を経験した道の駅の現地調査や「道の駅」関係者へのヒアリングを行い、被災時の受け入れ状況や復旧支援拠点となった状況などを把握した。また、これらをふまえて災害時の交通障害に貢献するのに効果的な「道の駅」の防災機能向上策に関して考察した。 [論 文] 田園地域における道路のシークエンス景観の印象評価に関する考察 兵庫 利勇(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/岩田 圭佑(地域景観ユニット)/二ノ宮 清志(地域景観ユニット) 第49回土木計画学研究発表会(春大会) 2014.6 (地域景観ユニット) ●概要 魅力的な沿道景観は重要な観光資源の一つとして地域振興に貢献している。そのため、シーニックバイウェイ北海道や日本風景街道のように、沿道景観を生かした地域振興施策も進められている。一方、必要な機能を担う道路施設は、背景に広がる魅力的な沿道景観に大きく影響する。そのため、道路からの景観を良好なものとするには、道路利用者が安全快適に走行できるよう必要な道路機能を確保しながら、良好な道路景観にも資する道路空間を目指すことが必要と考えられる。 本研究では、社会インフラからの富の引き出し方の一つとして道路景観と観光振興に着目し、必要な道路機能を確保しながら、より効果的・効率的な道路景観の向上手法の提案を目指している。そこで本報告では、道路景観の評価手法の提案を目的として、道路走行中に道路利用者が体験するシークエンス景観の印象評価の実験をもとに、被験者に共通する道路景観の評価や景観に影響を与えている要因や要素について考察する。 [論 文] 田園地域の沿道景観向上に向けた電線電柱類の効果的な景観向上策に関する研究 岩田 圭佑(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット)/兵庫 利勇(地域景観ユニット) 第49回土木計画学研究発表会(春大会) 2014.6 (地域景観ユニット) ●概要 まちづくりや観光振興を目的とした景観向上の機運の高まりを受け、これまで主に市街地における電線電柱類の景観対策が行われてきた。一方、市街地と比較し農村部や山間部のような田園地帯における電線電柱類の景観対策はほとんど行われていない。しかしながら、電線電柱類が景観へ与える影響はこのような田園地域においても大きく、特に観光地などでは景観対策のニーズが潜在的に高い。また、土地利用の制約が小さい非市街地では、電線地中化以外にも低コストで効果の高い多様な景観対策が可能である。 本研究では、北海道の田園地帯を対象に電線電柱類が景観へ与える影響や課題を調査し、効果的な電線電柱類の景観対策手法として「配線ルートの変更」「片寄せ」「セットバック」等の特徴を整理した。またこれらの対策について、景観向上効果に基づく対策優先度を検討し、沿道環境に適応した効果的な景観対策の選定手法について、対策コスト等を考慮した考察を行った。 [論 文] 良好な景観が地域にもたらす効果とその評価手法に関する考察 笠間 聡(地域景観ユニット)/松田 泰明(地域景観ユニット) 第49回土木計画学研究発表会(春大会) 2014.6 (地域景観ユニット) ●概要 近年、公共事業の効率性がより求められる中、整備効果の明示や、事業や施策の妥当性や必要性に関する明確な説明が重要になってきている。これに対応するため、景観に関する事業や施策についても、その効果に関する評価手法の確立が期待されている。 本発表では、それら景観の効果の考え方とその評価手法について、既往の都市再生整備計画事業の事後評価結果の分析や、全国の自治体を対象として行ったアンケート調査やヒアリング調査の結果などをもとに、考察を行った成果を発表する。 また、これらを通じ、費用対効果的な視点から議論されがちな事業や施策の効果について、個人の意識や行動の変化をもとにした評価を行うことの有効性についても言及する。 【平成25年度】 [論 文] 郊外部における電線電柱類の効果的な景観対策手法に関する研究 岩田 圭佑 ・ 松田 泰明 ・ 兵庫 利勇 平成25年度 土木学会北海道支部 年次技術研究発表会 2014.2 (地域景観ユニット) ●概要 これまで電線電柱類の景観対策が進められてきた市街地と比較し、郊外部における電線電柱類の景観対策はほとんど行われていない。しかし、郊外部においても電線電柱類の景観への影響は大きく、特に道路の背景に開放的で魅力的な景観を有する区間ではむしろ市街地よりもその影響が大きい。 本論文では、自然域や農村地帯などの、沿道に住居や商業施設が少ない北海道の郊外部を対象として、電線電柱類の景観への影響や課題、効果的な手法を整理し、効果的な景観対策手法について考察した。 [論 文] 良好な歩行空間の整備に向けた設計技術資料の課題と考察 松田 泰明 ・ 笠間 聡 平成25年度 土木学会北海道支部 年次技術研究発表会 2014.2 (地域景観ユニット) ●概要 公共事業における景観検討の実施、良好な景観形成の推進の重要性はますます高まっており、設計・計画を担当する技術者や自治体担当者を支援するための設計マニュアル等の充実が期待されるところである。しかしながら、公共事業の現場において景観に関する技術基準等の活用は進んでいない。これには、それら既存の技術基準等が、技術者や自治体担当者を支援するのに適切なものとなっていないことも一因にあると考えられる。 本研究は、このような背景のもと、景観設計を支援するための既存の設計技術等に焦点をあて、その特性や課題について検証を行ったものである。 [論 文] 良好な景観が地域にもたらす効果とその評価の考え方について 笠間 聡 ・ 松田 泰明 第57回 北海道開発技術研究発表会 2014.2 (地域景観ユニット) ●概要 まちの魅力向上や地域活性化への要請から、良好な景観形成や景観を活かしたまちづくりの取組み事例は増加しており、これらに期待されるところも大きい。当研究所では、良好な景観が地域にもたらす価値や効果と、その評価手法に関する研究に取り組んでおり、種々の調査や評価の試行を行ってきた。 本報告は、これらの調査結果をもとに、景観の効果とその評価について、考え方や課題を整理したものである。 [論 文] 郊外部道路におけるシークエンス景観の印象評価に関する考察 兵庫 利勇 ・ 松田 泰明 ・ 岩田 圭佑 第57回 北海道開発技術研究発表会 2014.2 (地域景観ユニット) ●概要 沿道景観は北海道観光の重要な要素となっている。そのため、良好な景観創出に資する効果的な道路整備や管理を行っていくことが重要である。 本研究では、道路のシークエンス景観の評価手法の提案を目的として、実道における被験者走行実験を行い、道路景観の印象評価を左右する特定区間やその要素の抽出を試みた。 [論 文] 郊外部における電線電柱類の効果的な景観対策手法に関する研究 岩田 圭佑 ・ 松田 泰明 ・ 兵庫 利勇 第57回 北海道開発技術研究発表会 2014.2 (地域景観ユニット) ●概要 電線電柱類の景観対策はこれまで主に市街地で行われてきたが、景観への影響は郊外部においても大きく、このような地域でも、観光振興等を目的とした景観対策のニーズも高まっている。また、郊外部は土地利用の制約が少なく、より多様で効果的な景観対策が可能である。 そこで本報告では、郊外部における電線電柱類の課題を把握し、景観印象評価実験に基づいて、効果的な景観対策手法の検討を行った。 [論 文] 平時の機能向上にも有効な「道の駅」の防災機能向上策について 高田 尚人 ・ 松田 泰明 第57回 北海道開発技術研究発表会 2014.2 (地域景観ユニット) ●概要 「道の駅」は2004年の新潟中越地震をきっかけに、防災拠点化が進められる中、東日本大震災や台風、暴風雪災害においても避難施設として活用されるなど、新たに防災機能への期待が高まっている。しかし、現状の防災機能の向上策には道の駅にとって重要である平時の機能や魅力に影響を与える事例もみられる。 そこで、本報告では現地調査や関係者ヒアリング、利用者アンケートなどから、平時の機能や魅力向上にもつながる防災機能向上策について考察した。 [論文:ポスター発表] 平時の魅力につながる効果的な道の駅の防災機能向上策に関する一考察 高田 尚人 ・ 松田 泰明 ・ 笠間 聡 第9回土木学会景観・デザイン研究発表会 2013.12 (地域景観ユニット) ●概要 「道の駅」は現在1000駅を超え、道路利用者の快適な休憩や地域の活性化に貢献する重要な施設となっている。一方、2004年の新潟県中越地震において被災者支援や復旧拠点として「道の駅」が大きく貢献したことから、国土交通省では「道の駅」の防災拠点化を進めている。 「道の駅」は休憩や観光交流のための施設であり、防災機能の向上にあたっては平時の魅力と両立する必要がある。しかし、現状の対策の中には、防災機能を向上させようとするあまり、平時の魅力を損なってしまう事例がみられる。 そこで本報告では、現地調査や「道の駅」管理者へのヒアリング、利用者へのアンケート調査などから、平時の魅力につながる防災機能向上策について考察を行った。 [論文:ポスター発表] 景観配慮に関するマニュアル等における記述内容の分析と良好な歩行空間整備に向けた課題について 笠間 聡 ・ 松田 泰明 第9回土木学会景観・デザイン研究発表会 2013.12 (地域景観ユニット) ●概要 まちの歩行空間は、"地域の玄関"となり、"沿道施設へのアプローチ"となるだけでなく、"人々の回遊・滞留のための空間"としての役割も持ち、まちの魅力に大きく影響する。このため、観光地や商店街などでは、魅力向上のための歩行空間の環境整備がこれまでも広く行われてきた。しかしながら、それらの整備の中には、景観的な配慮が適当ではなく、歩行空間全体の魅力向上につながっていない事例も見受けられる。 本研究では、既存の景観配慮に関するマニュアル等を対象に記述内容の調査を行い、それらの分類整理を通じて、具体の技術支援内容について分析を行った。併せて、歩行空間整備に関与する行政機関へのヒアリング調査や、北海道内における近年の景観整備事例に関する調査を行い、これらの実情を踏まえた上で、今後の良好な歩行空間整備の普及促進に向けた設計支援の充実の観点から、その課題について考察を行った。 [論文:ポスター発表] 電線電柱類に関する郊外部での効果的な景観対策手法の提案に向けて 岩田 圭佑 ・ 松田 泰明 ・ 兵庫 利勇 第9回土木学会景観・デザイン研究発表会 2013.12 (地域景観ユニット) ●概要 まちづくりや観光振興を目的とした景観向上の機運の高まりを受けて、これまで主に市街地を対象として、電線電柱類が道路景観へ与える影響を改善するための景観対策が行われてきた。一方で、観光地などの郊外部における電線電柱類の景観対策事例は少ないが、土地利用の制約が小さい郊外部では、電線電柱類に関する多様な景観対策が考えられる。 そこで著者らは、これまで郊外部を対象とした景観対策や電気通信、道路占用の運用に着目し、資料調査やヒアリング、事例分析を通じて課題を把握し、効果的な景観対策手法について考察を行ってきた。本発表では、郊外部における電線電柱類の景観対策を想定した印象評価実験及び対策優先度分析の結果を考察し、効果的で効率的な景観対策手法の提案に向けて検討を行ったので報告する。 [論文:ポスター発表] 北海道の郊外部におけるシークエンス景観の印象評価に関する一考察 兵庫 利勇 ・ 松田 泰明 ・ 岩田 圭佑 第9回土木学会景観・デザイン研究発表会 2013.12 (地域景観ユニット) ●概要 良好な道路景観の計画・設計にあたり、道路利用者が安全かつ快適に走行できるよう必要な道路機能を確保しながら、良好な景観創出にも資する効果的なインフラ整備を行っていくことが重要である。そのためには、実際の車窓からのシークエンス景観について、道路利用者がどのように景観を評価し、その景観評価にどのような要因が影響しているのかを把握する必要がある。 そこで本研究では、道路のシークエンス景観の効果的な評価手法の提案を目的として、シーニックバイウェイ大雪・富良野ルートを対象として、実道における被験者走行実験を行い、道路利用者が車窓から体験するシークエンス景観の印象を調査し、道路のシークエンス景観を左右する特定区間やその要素の抽出を試みた。 本発表では、道路利用者が感じる景観の印象や景観の変化より、路線全体の特徴や景観に影響を与えている要因について考察した。 [論文:ポスター発表] 分かりやすい案内誘導と公共空間のデザインに関する研究 高田 尚人 ・ 松田 泰明 第29回寒地技術シンポジウム 2013.11 (地域景観ユニット) ●概要 PDFファイル(準備中) 道路を利用しての移動では、目的地までの分かりやすくスムーズな案内誘導をすることは重要であり、そのために道路標識は「必要不可欠」な施設である。さらに、道路標識は交通安全や景観など周辺への影響が大きい施設でもある。しかし、わかりにくいとの道路利用者からの意見もあり、必要以上の多言語化や乱立などを招き、案内誘導効果の低下や景観阻害などの課題がある。 そこで、本研究では「効率的な整備・コスト低減・安全対策・景観の向上」などに寄与する、わかりやすく効率的な案内誘導の検討を行っている。本発表は、道内外の文献調査や改善に向けた取り組み事例調査などからみた課題や配慮すべき事項を整理し、改善に向けた考え方について述べるものである。 [論 文] 景観配慮を伴う道路の歩道設計に関する課題と必要な技術資料について 笠間 聡 ・ 松田 泰明 第30回日本道路会議 2013.10 (地域景観ユニット) ●概要 地方自治体が実施する事業や、規模の小さな事業の場合、景観配慮に十分な検討体制が確保されないまま設計・整備が行われ、景観配慮が十分でなかったり、あるいは適切でなかったりするケースも見受けられる。そのような中では、十分な検討体制が確保されない事業にあっても必要な景観配慮が適切に行われるように、景観配慮の基本やその検討方法あるいは検討例を整理し、担当者や技術者が参照、理解しやすいような形で取りまとめておくことが有効と考えられる。 このような背景の下、道路の歩道等に関するものを対象として、その設計・整備時の景観配慮に参考となるマニュアル類のレビューを行い、適切な景観配慮の促進のための技術情報の充実といった観点から、記述内容の整理と課題点の抽出を行った。 [論 文] 郊外部の電線電柱類の景観対策における課題と景観向上策について 兵庫 利勇 ・ 松田 泰明 ・ 南 朋恵(つくば中央研究所 技術推進本部) 第30回日本道路会議 2013.10 (地域景観ユニット) ●概要 道路からの景観は地域の印象に大きく影響するが、沿道には多くの電線電柱が設置され、これらが沿道景観へ与える影響は大きい。特に道路背景に美しい景観を有する北海道においてその影響は大きく、地域の魅力を損なっている事例がある。また、沿道の電柱類は、景観阻害はもとより見通しの悪さによる交通事故の誘発、電柱への衝突による交通事故の高い致死率、冬期除雪の支障となるなどの課題も多い。そのため、国土交通省では無電柱化推進計画を策定しているが、郊外部における電線電柱類の景観対策はほとんど進められていない。 一方、最近の社会資本整備総合交付金制度の導入により、地方自治体による郊外部での電線電柱類の景観対策に交付金を活用しやすくなり、今後この交付金を活用した景観対策が期待される。 そこで、北海道の郊外部の電線電柱類の景観対策における課題を踏まえ、電線電柱類の景観阻害を低減する効果的な手法に関する主な景観向上策について報告する。 [論 文] 道の駅の防災機能向上に向けた課題と方策 松田 泰明 ・ 高田 尚人 ・ 新井 健(北海道地区「道の駅」連絡会事務局) 第30回日本道路会議 2013.10 (地域景観ユニット) ●概要 2004年に発生した新潟県中越地震において、被災地及びその周辺の道の駅が避難場所や災害復旧、情報拠点施設として活用された。この経験から国土交通省では、休憩・情報提供・地域連携の3つの機能に加え、2007年より一部の道の駅について防災拠点化を進めている。また、2011年3月の東日本大震災の際にも、多くの道の駅が防災拠点化されていない中、避難者支援や復旧支援に大きく貢献した。このため防災機能は道の駅の第4の機能として近年期待されている。 本報告では、これら二つの災害に加え、2013年3月に発生した北海道オホーツク地域暴風雪災害時(死亡者9名)の道の駅の避難者支援の状況を含めた現地調査の結果から、道の駅の防災機能向上に向けた課題と有効な方策について考察した。 [論 文] わかりやすい案内誘導に向けた道路案内標識の課題と改善の考え方 高田 尚人 ・ 松田 泰明 第30回日本道路会議 2013.10 (地域景観ユニット) ●概要 二次交通の弱い北海道ではビジネスや物流、観光において車両での移動が主流となっている。特に観光は北海道において重要な産業の一つであるが、近年観光客数が伸び悩んでいる。一方で、北海道外からの観光客をはじめとした、レンタカーや自家用車を利用したドライブ観光が増加している。また、「社会資本整備重点計画(平成24年度)」においては、社会資本の観光への貢献が求められている。 このような中、安全で快適な運転環境の創出につなげるためには、誰にでもわかりやすい案内誘導が必要であり、社会資本である道路案内標識も重要な役割を担っている。しかし、道路案内標識については道路利用者などからわかりにくいとの指摘があるほか、国土交通省の検討会の提言においても、「同定性確保の欠落」など、様々な課題が述べられている。 本報告は、国土交通省の検討会の提言を踏まえつつ、既往の研究や資料を基に、さらに北海道内でのわかりやすい案内誘導への取り組み事例などから、道路案内標識に関する現状の課題を整理し、改善に向けた考え方について考察したものである。 [論 文] 利用者評価からみた道の駅の休憩機能の重要性 松田 泰明 ・ 高田 尚人 ・ 新井 健(北海道地区「道の駅」連絡会事務局) 第47回土木計画学研究発表会(春大会) 2013.6 (地域景観ユニット) ●概要 本来、社会資本が観光に及ぼす影響は大きいが、近年の国や地方においては積極的な観光振興が取り組まれており、社会資本整備における観光への貢献がこれまで以上に求められている。このような中、北海道では近年国内外からのレンタカー観光客が増加し、道の駅がドライブ観光の重要な社会資本施設となっている。しかし、沿道の快適な休憩施設として整備されてきた道の駅であるが、利用者にとって快適な休憩空間を提供していない現状がみられる。 そこで、本報告では「魅力ある観光地づくり」に貢献することを目的に、道の駅の利用者評価や利用行動などから、休憩施設としての課題や快適な休憩空間の提供の重要性などについて考察した。 [論 文] 道路利用者の評価構造と空間要素の関係 南 朋恵 ・ 兵庫 利勇 ・ 松田 泰明 第47回土木計画学研究発表会(春大会) 2013.6 (地域景観ユニット) ●概要 美しい国づくり政策大綱が施行され10年が経過し、現在、直轄事業においては計画段階から維持管理段階まで、全ての道路事業において景観検討を行うこととされている。一方、社会資本の整備や管理運営において、コスト縮減などの効率化だけでなく、人口減少を見据えた戦略が求められている。この人口減少下では交流人口の増加が必要となるが、魅力的な沿道景観が地域振興に寄与している事例も多い。 本研究では社会インフラからの富の引き出し方の一つとして道路景観と観光振興に着目し、必要な道路機能を確保しながら、より効果的、効率的な道路景観の向上手法の提案を目指している。 そこで本報告では、(1)シークエンス景観における路線全体の印象とこれに影響する特定区間や景観要素の関係、(2)印象評価に影響する要素と印象評価時の注視行動の関係を把握するために。走行実験と屋内映像実験を実施した。 [論 文] 社会資本整備の景観配慮に関する技術情報の充実にかかる課題の抽出と整理 笠間 聡 ・ 松田 泰明 第47回土木計画学研究発表会(春大会) 2013.6 (地域景観ユニット) ●概要 都市間、地域間競争の時代にあって、フットパス、グリーンツーリズムなどの新たな観光にも注目が集まる中、これまで観光や集客に縁がなかった地域においても、地域の魅力向上は重要な観点となっている。そのような中では、十分な検討体制が確保されない事業にあっても、適切に景観配慮が進められるように、景観配慮の基本やその検討方法あるいは検討例を整理し、理解しやすい形で取りまとめておくことが必要とされている。 そこで、本研究では、地域の顔ともなり玄関ともなる街路・道路空間を対象とし、国土交通省の景観形成ガイドラインや「道路構造令の解説と運用」などの一般的な土木技術者であっても参照頻度の高い資料と、「街路の景観設計」、「景観用語事典」などをはじめとする既存の景観に関する指南書、手引書のレビューを行い、景観配慮の方策に関する技術情報の充実にかかる課題について抽出・整理を行った。 [論 文] 観光地における道路案内標識の課題と北海道の取り組み事例からみた改善手法に関する一考察 高田 尚人 ・ 松田 泰明 第47回土木計画学研究発表会(春大会) 2013.6 (地域景観ユニット) ●概要 北海道の重要な産業の一つである観光では、カントリーサイドに魅力的な観光資源が豊富にあること、その観光資源までの2次交通が脆弱であること、加えて旅行形態が団体から個人型へ変化していることなどから、自動車観光の重要性が高まっている。これらのドライブ観光客、特に北海道外からのドライバーに対し目的地までの適切な案内誘導は重要である。他方では観光地等においてドライバーから分かりにくいなどの指摘があり、国土交通省の「わかりやすい道路案内標識に関する検討会」の提言などでも様々な課題、対応方針とその必要性が述べられている。しかし、この提言において案内誘導の具体的な改善手法は示されていない。 そこで本報告では、既往研究や北海道内の改善取り組み事例、当研究所での調査結果、外国人ドライバーの評価などから案内誘導に関する具体の課題を整理体系化した。また、これらをふまえて効果的な改善に向けて考察を行った。 【平成24年度】 [論 文] 東日本大震災からみた効果的な「道の駅」の防災機能向上策について 松田 泰明 ・ 高田 尚人 ・ 新井 健(北海道地区「道の駅」連絡会事務局) 平成24年度 土木学会北海道支部 年次技術研究発表会 2013.02 (地域景観ユニット) ●概要 2011年3月11日に東日本大震災(以下:震災)が発生し、東北地方の太平洋岸を中心に多くの道の駅が被災した。一方、防災拠点化の有無にかかわらず、数多くの道路利用者や地域住民が道の駅に避難してきたが、その際に避難者の受け入れや物資の提供、復旧支援などにも貢献した。そこで震災時に道の駅が実際に果たした役割や課題などを把握するため、東北地区の道の駅の現地調査および道の駅担当者へのヒアリングを行った。 本報告は、現地での調査結果をもとに効果的な道の駅の防災機能の向上策について考察を行ったものである。 [論 文] 北海道における良好な景観が地域にもたらす効果に関する調査 笠間 聡 ・ 松田 泰明 ・ 太田 広 平成24年度 土木学会北海道支部 年次技術研究発表会 2013.02 (地域景観ユニット) ●概要 国土交通省では、「美しい国づくり政策大綱」で美しい国づくりのための具体的施策のひとつとして掲げられた「公共事業における景観アセスメント(景観評価)システムの確立」に対応するものとして、2007年に「国土交通省所管公共事業における景観検討の基本方針(案)」(2009年改正)、2009年に「公共事業における景観整備に関する事後評価の手引き(案)」を定めている。 しかしながら、これらは、 "景観への配慮が十分であるか、十分であったか" を判断・評価するためには非常に有意義と考えられるものの、景観への配慮が必要十分であったか、つまり、費用対効果の面も含め景観への投資が適当であったかの判断・評価するためのツールとはなっていない。また、市街地の景観を対象とした事例調査から導き出されたもので、北海道において特徴的な自然景観や農村景観が、地域にもたらす効果やその価値の評価に対応するものとはなっていない。 本論文では、景観形成が地域にもたらす効果の範囲あるいは項目を把握するための調査・分析の結果について述べる。 [論 文] 道路空間要素に対する注視行動と路線の印象との関係 南 朋恵 ・ 松田 泰明 ・ 太田 広 平成24年度 土木学会北海道支部 年次技術研究発表会 2013.02 (地域景観ユニット) ●概要 昨今の道路整備には、「量的な拡充」だけではなく「質の向上」や「効率化」が求められているが、道路空間の質の向上として良好な道路景観の整備を考えるとき、求められる全ての箇所で景観整備を実施することは難しく、効率的な整備の観点から重点的に投資する区間を選定できる手法が求められている。 そこで、乗車中の被験者に対して、印象の判定やアンケート、ヒアリング、アイマークカメラによる注視行動の計測などを実施し、道路景観の印象や、評価理由とその分析を試みた。 [論 文] 自然景観・営農景観地域における良好な景観が地域にもたらす効果について 笠間 聡 ・ 松田 泰明 第56回(平成24年度)北海道開発技術研究発表会 2013.02 (地域景観ユニット) ●概要 近年、公共投資が十分に行われない中、景観整備においても、事業評価の必要性が高まってきている。これに対応するものとして、国交省の「事後評価の手引き(案)」がまとめられているが、景観の効果、特に北海道において特徴的な自然景観や農業景観の効果や価値に関しては示されていない。 そこで本報告では、道内市町村の総合計画や景観計画での評価などを基に、景観が地域にもたらす効果について調査、分析を行った。 [論 文] 北海道における道路案内誘導の課題と改善に関する一考察 高田 尚人 ・ 松田 泰明 第56回(平成24年度)北海道開発技術研究発表会 2013.02 (地域景観ユニット) ●概要 北海道では旅行形態の個人型への変化などから、ドライブ観光の重要性が高まっている。これらの観光客に対する適切な案内誘導は重要であるが、他方では観光地等において利用者から分かりにくいなどの指摘があり、国土交通省の「わかりやすい道路案内標識に関する検討会」でも様々な課題が指摘されている。 そこで本報告では、既往研究や北海道内の改善取り組み事例、当研究所での調査研究結果から案内誘導に関する具体の課題を整理した。併せて効果的な改善に向けての考え方を述べる。 [論文:ポスター発表] 歩行空間の印象や空間認識に影響を与える歩行空間の構成要素に関する研究 高田 尚人 ・ 笠間 聡 ・ 松田 泰明 2012年度日本都市計画学会北海道支部研究発表会 2012.12 (地域景観ユニット) ●概要 中心市街地や観光地などでの歩行空間において、魅力向上へのニーズは高い。そこで本報告では、歩行空間における効果的な賑わい創出の実現に向け、SD法による印象評価などから、歩行空間の構成要素が利用者の印象に与える影響の把握を試みた。 PDFファイル(準備中) [論文:ポスター発表] 郊外部の電線電柱類の景観対策における課題と効果的な対策手法に関する一考察 松田 泰明 ・ 南 朋恵 第8回土木学会景観・デザイン研究発表会 2012.12 (地域景観ユニット) ●概要 最近の社会資本整備総合交付金化に伴い、まちづくりや観光振興を目的に自治体による電線電柱類の景観対策のニーズが高まっている。この際、従来の電線共同溝事業の主な対象であった市街地だけでなく、観光地や郊外部での景観対策の増加が予想される。 また、近年の電線類の多線化や通信線の光ケーブル化に伴う様々な景観上の課題も発生している。 そこで本報告では、近年の現状を踏まえた電線電柱類の及ぼす景観への影響や郊外部などでの景観対策における課題について述べる。また、郊外部においては無電柱化以外にも多様な手法が有効であると考えられるため、これらの効果的な景観対策手法についても考察した。 PDFファイル(準備中) [論文:ポスター発表] 歩行空間の印象評価に基づいた設計技術に関する研究 ~歩行空間の構成要素が利用者の注視行動および印象評価に与える影響~ 笠間 聡 ・ 松田 泰明 ・ 太田 広 第8回土木学会景観・デザイン研究発表会 2012.12 (地域景観ユニット) ●概要 各地の観光地や地方都市では、観光振興や中心市街地活性化を目的に歩行空間の景観整備が行われているが、公共投資の効率化が求められる中では、魅力向上や賑わい向上に資するよう、それらの整備がもたらす利用者の印象変化や行動変化を踏まえた効果的・効率的な設計を行っていく必要がある。 本研究では、既存の歩行空間の設計技術体系上の課題の把握を行ったほか、舗装や植栽などの歩行空間の空間構成要素が、歩行者の空間体験に与える影響を把握するため、アイトラッカーによる注視行動の変化や、SD法による印象評価の変化を指標とする被験者実験を行った。 その結果、被験者実験から、フォトモンタージュ写真を用いて、舗装の素材や色調を変更した場合に、被験者の注視傾向や印象評価の結果に特徴的な変化のあることが確認された。 PDFファイル(準備中) [論文:ポスター発表] 路線の印象に影響を与える要素と注視行動の関係について -北海道内のシーニック路線を事例として- 南 朋恵 ・ 松田 泰明 ・ 太田 広 第8回土木学会景観・デザイン研究発表会 2012.12 (地域景観ユニット) ●概要 昨今の道路整備には,「量的な拡充」から「質の向上」や「効率化」が求められている。道路空間の質の向上として,良好な道路景観の整備を考えるとき、求められる全ての箇所で実施することは難しく、効率的な整備の観点から重点的に投資する区間を選定できる手法が必要とされている。 そこで本研究では、地域のイメージとなっている路線において、利用者の印象に残る区間、その区間において印象の評価に影響を与える道路付属物などの要素を抽出するための被験者実験を実施した。その結果、アイマークカメラにより把握した注視対象物やその注視時間、被験者へのヒアリングなどから、注視行動に変化のみられる道路空間要素の印象が、路線全体の印象に大きく影響を与えることが分かった。 PDFファイル(準備中) [論 文] 国際的観光地形成のための公共空間の整備に関する基礎的研究 南 朋恵 ・ 小町谷 信彦 ・ 太田 広 ・ 松田 泰明 平成24年度日本計画行政学会北海道支部研究会 2012.11 (地域景観ユニット) ●概要 2012年3月に「観光立国推進基本計画」が閣議決定されるなど、国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成が求められているが、観光地とりわけ観光地域の公共空間(広場、道路、街路など)が魅力あるものになっていないのが現状である。 そこで、公共空間の魅力や快適性に着目し、快適な公共空間の整備により発現する効果も勘案した空間の評価手法を明確化することにより、魅力的で整備効果の高い公共空間の創出を図ることを目的として、「公共事業における景観整備に関する事後評価の手引き(案)」の中の景観向上効果の分類と主な効果例を活用し、指標としての関連性を検討した。 PDFファイル(準備中) [論 文] 北海道におけるフットパスの土地利用特性について 南 朋恵 ・ 太田 広 ・ 松田 泰明 平成24年度日本造園学会北海道支部大会 2012.10 (地域景観ユニット) ●概要 近年、北海道において、地域が主体となりフットパスの整備が進められている。 本報告では、フットパスのルートを設定する際に課題となっている「土地所有者との調整」を考える上での基礎資料として、既存ルートの土地所有者や土地利用特性について調査し、現状と通行(使用)にあたっての許可経緯等について整理した。 その結果、整備主体により公共空間の活用割合が異なる、許可申請などの協議に行政が関わることで許可が得やすくなるといった現状や、フットパスを継続的に管理、運営していくためには文書等により許可内容を残すことなどの課題を把握した。 PDFファイル(準備中) [論 文] Webを活用したフットパスの広報に関する研究 西原 照雅 ・ 村上 泰啓 平成24年度日本造園学会北海道支部大会 2012.10 (地域景観ユニット) ●概要 昨今のスローライフの流行や健康志向の増大、地域文化や歴史の再発見・利活用の動きを受け、地域資源を活用して観光を活性化させる方法として、フットパスの取り組みが北海道の各所で行われている。しかし、フットパスを運営している団体は、人員や予算等の規模が様々であり、規模の小さい団体では、運営しているフットパスの情報や周辺の観光情報等を発信できていないフットパスもある。 そこで、本研究では、比較的安価で効率良く情報発信が可能と考えられるWebを活用した広報の方法について検討を行い、フットパスの運営団体の規模に応じた広報の方法を提案した。 PDFファイル(準備中) 【平成23年度】 [論 文] 景観整備効果の評価手法に関する研究 -小樽運河地区の景観整備をケーススタディとして- 笠間 聡・福島 秀哉・南 朋恵 第55回(平成23年度)北海道開発技術研究発表会 2012.02 (地域景観ユニット) [論 文] 人間の印象評価を反映した定量評価手法の改良について -北海道の道路景観を事例として- 南 朋恵・松田 泰明 第55回(平成23年度)北海道開発技術研究発表会 2012.02 (地域景観ユニット) [論 文] 国際競争力の高いロードツーリズムの実現に向けて -来道外国人ドライバーから視たツーリング環境の評価と考察- 高田 尚人・松田 泰明 第55回(平成23年度)北海道開発技術研究発表会 2012.02 (地域景観ユニット) [論 文] 地域性種苗を用いた切土のり面の樹林化について ―実現場施工と追跡調査結果を踏まえた改善点― 横山 博之・黒川 暁夫・松田 泰明 第55回(平成23年度)北海道開発技術研究発表会 2012.02 (室蘭道路事務所・地域景観ユニット) [論 文] 公共事業における景観整備効果の経済評価手法に関する一考察 福島 秀哉・松田 泰明・阿部 貴弘 第7回景観・デザイン研究発表会 2011.12 (地域景観ユニット・国土技術政策総合研究所) [論 文] 景観機能からみた積雪寒冷地の舗装に関する一考察 福島 秀哉・松田 泰明・石田 樹 平成23年度国土交通省国土技術研究会 2011.10 (地域景観ユニット・室蘭開発建設部) 【平成22年度】 【平成21年度】 [論 文] 道路の切土のり面への中低木導入の重要性と適用樹種選定 横山 博之・吾田 洋一 ・松田 泰明 第53回(平成21年度)北海道開発局技術研究発表会 2010.02 (道央支所・地域景観ユニット) [論 文] 道路の切り土のり面への樹木導入事例調査報告 吾田 洋一・横山 博之・上田 真代 第53回(平成21年度)北海道開発局技術研究発表会 2010.02 (道央支所・地域景観ユニット) [論 文] 社会資本整備における良好な景観形成の社会的効果について(第1報) 三好 達夫・松田 泰明 第53回(平成21年度)北海道開発局技術研究発表会 2010.02 (地域景観ユニット) [論 文] 国際競争力の高いロードツーリズムの振興に向けて 高田 尚人・松田 泰明・樫尾 大 第53回(平成21年度)北海道開発局技術研究発表会 2010.02 (地域景観ユニット・北海道開発局) [論 文] 沿道の緑の維持管理に関する意識について -地域住民および道路管理者を対象とした意識調査- 上田 真代・松田 泰明・三好 達夫 第53回(平成21年度)北海道開発局技術研究発表会 2010.02 (地域景観ユニット) [論 文] 地域資源を活用したフットパスに関する考察 鳥谷部 寿人・村上 泰啓・高田 尚人 第53回(平成21年度)北海道開発局技術研究発表会 2010.02 (地域景観ユニット) [論 文] 積雪寒冷地における中低木を用いたのり面緑化の重要性と適用樹種について 横山 博之・松田 泰明・上田 真代 第28回日本道路会議 2009.10 (道央支所・地域景観ユニット) [報 文] 北海道の外国人ドライブ観光における情報ニーズとその課題について 松島哲郎・松田泰明・加治屋安彦・緒方聡 No.671 2009.04 (地域景観ユニット・特別研究監(地域景観ユニットリーダー)) 【平成20年度】 [報 文] 北海道における効果的な道路情報提供 -北の道ナビでの10年に渡る道路情報提供に関する調査研究の成果から- 緒方 聡・松田 泰明・松島 哲朗 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (地域景観ユニット) [報 文] 北海道の地域特性を考慮した道路整備に関する研究 -道路デザインの手法による環境保全について- 北海道開発局・地域景観ユニット 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (北海道開発局・地域景観ユニット) [報 文] 道路の切り土のり面への樹木導入事例調査報告 吾田 洋一・横山 博之・上田 真代 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (道央支所・地域景観ユニット) [報 文] 道の駅の休憩場所としての魅力向上の重要性について 高田 尚人・三好 達夫・松田 泰明 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (地域景観ユニット) [報 文] 構造の工夫と岩盤への低木緑化による景観に配慮した雪崩対策事例 横山 博之・松田 泰明・新岡 勝彦 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (地域景観ユニット) [報 文] 道の駅の休憩場所としての魅力向上の重要性について 高田 尚人・三好 達夫・松田 泰明 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (地域景観ユニット) [報 文] 北海道の道路景観の魅力に影響する要素と景観評価について - 道路景観の評価手法に関する一考察 - 三好 達夫・草間 祥吾・松田 泰明 第52回(平成20年度)北海道開発局技術研究発表会 2009.02 (地域景観ユニット) [報 文] 「北の道ナビ」に見る経路に沿った道路情報提供の効果について 松島哲郎・加治屋安彦・松田泰明・緒方聡 No.663 2008.08 (雪氷チーム・地域景観ユニット) 【平成19年度】 [論 文] 国際競争力のあるロードツーリズムの実現に向けて 松山 雄馬/松田 泰明/加治屋 安彦 平成19年度技術研究発表会 2008.2 (地域景観ユニット) [論 文] 景観に配慮した道路案内標識の設置方式と機能について 三好達夫・松田泰明・石田眞二(北海道工業大学 社会基盤工学科) 平成19年度技術研究発表会 2008.2 (地域景観ユニット・北海道工業大学) 【平成18年度】 [論 文] 道路附属施設と沿道景観との関係について 三好達夫・松田泰明・加治屋安彦 平成18年度技術研究発表会 2007.2 (雪氷チーム・地域景観ユニット) [論 文] 道路景観の定量評価に関する一考察 三原慎弘・松田泰明・加治屋安彦 平成18年度技術研究発表会 2007.2 (雪氷チーム・地域景観ユニット) [報 文] しりべしe街道 ~冬期道路情報の収集・提供における官民連携~ 松島哲郎・加治屋安彦・松田泰明・山際祐司 No.642 2006.11 (雪氷チーム・地域景観ユニット) [報 文] 冬期間及び災害時における道路情報提供について 松島哲郎・加治屋安彦・松田泰明・山際祐司 No.641 2006.10 (雪氷チーム・地域景観ユニット) |