地域景観チーム

豊かな社会資本の形成、及び地域振興/観光振興への貢献を目的に、沿道空間をはじめ、社会資本整備が影響する公共空間の質の向上や、利用価値の向上に資する研究を幅広く行います。具体的には、主に社会資本整備や管理における良好な景観創出や観光への利活用に関する研究を進めています。

主要研究:R4-9

地方部小都市等における歩行空間の計画・設計技術に関する研究

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地域の再生は全国において喫緊の課題です。そのような中、都市部を対象とした道路空間の活用やそれによるにぎわい創出については様々な試みが行われ、国交省の道路ビジョン「2040年、道路の景色が変わる」においても「公園のような道路に人が溢れる」などの将来像が示されたところです。

しかしながら、人口減少が進行し、「まちなかを歩くという文化」が失われている北海道などをはじめとした地方部小都市では、これまでの都市部を対象とした手法での市街地の魅力向上は実現不可能であり、異なる手法が必要と考えられます。 この手法の一つとして、自動車でのアクセスを前提とした道の駅や交通拠点、公共施設等の局所的な人の賑わいを、小都市の中心市街地における魅力・集客力の向上や、周辺に波及させていくような歩行空間を実現することが考えられますが、そのためには、道路等の空間を活用して「地域を豊かにする」方法を独自に検討していく必要があります。

そこで本研究では、市街地等の施設を利用した人々に、その施設の周辺に滞在したり、連担する位置にある施設の利用を促すような歩行空間および沿道空間のあり方について明らかにし、既存の低密度な市街地における既存のインフラや沿道施設の改修を通じて、人々の暮らしを効果的・効率的に改善していく実践の方法を示して参ります。

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主要研究:R4-9

公共事業における景観形成による効果と価値の評価・マネジメント手法に関する研究

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景観については、要求性能や目標とする性能水準、便益や効果を数値化することが現状では困難であり、このため景観形成の取組みの内容の妥当性を客観的に示すことができず、設計検討や合意形成等の際の課題となっています。

本研究では、過去の基盤研究の研究成果である「景観の効果の発現プロセスモデル」などをもとに研究を発展させ、景観形成による取組みの効果の発現を予測評価する手法の確立、景観形成による効果およびその価値を評価する手法の提案を行います。

また、実際の事業においては計画や設計の初期段階において検討・導入された景観配慮が、設計の最終段階や施工段階においてコストカットの対象となって実現されないなどのケースが見受けられます。このため、事業や工事における景観形成の目標水準を定量的に設定し、事業完了あるいは維持管理段階までマネジメントし実現する手法の開発と提案についても行います。

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主要研究:R4-9

デジタル技術を活用した街路樹マネジメントの省力化に関する研究

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街路樹管理の問題として、「緑への投資や維持管理費の削減」、「専門人材の不足」等により、樹木の生育状況が悪化し、街路樹の多様な機能が低下している。

例えば、予算をかけることができず、機能低下がみられる街路樹の機能確保のため、維持管理費を最小化する街路樹空間の再整備手法等が求められている。

また、現在、予算をかけて適正な管理が行われている街路樹も、今後の予算削減や担い手不足の顕在化が懸念され、管理者や事業者の管理業務の省力化技術が求められている。

そこで本研究では、街路樹に必要な機能を効率的に確保するため、AI等のデジタル技術を活用し、積雪寒冷地の地域特性も含めた街路樹の維持管理、再整備を省力化する街路樹マネジメント手法を提案する。

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主要研究:R4-9

郊外部における多様なニーズに応える積雪寒冷地の道路空間リデザインに関する研究

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我が国では、人口減少・超高齢社会の加速などの社会環境変化を背景として、道路に対する利活用のニーズが多様化しています。特に、人口・交通量の減少が顕著と予想される「郊外部における道路空間」に関しては、安全かつ円滑な自動車や歩行者の通行といった従来の要求にのみ適合させるだけではなく、社会環境やニーズの変化に合わせて道路空間を最適化すること(=リデザイン)が必要です。

具体には、郊外部の道路空間における「溜まり空間の創出」「標識・標示の適正配置」「サイクル走行空間の配分」の最適化の検討が求められていますが、観光利用や地域振興などを目的とした質の高い溜まり空間や、ドライブ・サイクルを楽しめる走行空間を創出するような計画・設計技術の手法が十分に示されていません。

そこで、本研究では、郊外部の道路において、社会環境の変化や観光利用やサイクルツーリズムなどの多様なニーズに応え、景観、安全、使いやすさの機能を総合的に高める道路空間リデザインの計画・設計技術を提示することを目的としています。

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主要研究:R4-9

新たな樹種構成や複合的施設配置による防雪林の機能確保・向上技術に関する研究

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近年、頻発する暴風雪により、多数の車両の立ち往生や長時間にわたる通行止めなどの障害が発生しており、これらの吹雪災害の防止・軽減のための対策が重要とされています。防雪林は、これらの対策の1つです。 また、「国土交通省技術基本計画」(H29.3)において、「グリーンインフラ」に関して国内で積極的に取り組むこととあり、その代表的事例の一つである防雪林について、主目的の防雪機能の他、景観等の社会的価値を併せた評価が求められています。

また、「新たな国土交通省技術基本計画骨子(案)」(R3.9)では、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、グリーン社会の実現に向けた技術研究開発を戦略的に取り組むべきとされています。

そこで本研究では、防雪林の景観やグリーンインフラとしての価値を含む社会的価値を明らかにすることや、新たな樹種構成による機能を確保する技術の提案などを目的としています。

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重点研究:R4-6

郊外部の無電柱化推進に資する地中化の機械施工技術に関する研究
(寒地機械技術チームと連携)

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無電柱化は近年、台風災害等での長期停電等への対策、世界遺産周辺の景観形成・観光振興への寄与など、これまでの市街地のみならず、郊外部においても推進が求められています。しかし、これまでの無電柱化は、道路管理者が主体となる電線共同溝方式が主流で、市街部を中心に整備が進められてきました。そのため、国土全体で見ると、海外に比べ大きな遅れをとっており、全体延長のうち大きな割合を占める郊外部での無電柱化推進が求められます。

そこで、これまでの研究では、郊外部における少ない需要に応じた構造や環境に適した安価で簡便な工法など、低コストで効率的な設計・施工技術の開発に取り組んでおり、これは新たな無電柱化推進計画(R3.5)にも示されました。このうち地中化工法としては、ケーブル埋設用掘削機械「トレンチャー」による施工技術に取り組んでおり、R3には実現場において試行をし、今後の普及拡大を推進しています。

しかしながら、この試行を通じ、トレンチャー施工に不向きな現場条件も把握できたことから、このニーズにも対応するため、非開削機械等の代替施工技術の活用普及が望まれている。また、これらの無電柱化施工掘削機械の効率的な運用を支援するため、ICTを活用した地中探査技術が求められています。

一方、無電柱化推進法(H28)により、新設柱の禁止措置の路線指定や、既設柱の占用更新禁止が検討されるなど、これまでの電線共同溝方式(道路管理者による複合管路施工)でない単独地中化方式(電線事業者による単独管路施工)の拡大も予想され、これに適した新たな設計・施工技術、及び効率的に推進するための計画手法が求められます。

そこで本研究では、これまでの低コストで効率的な機械施工技術の更なる進化と、単独地中化に適した技術の応用を検討することで、国土全体の無電柱化推進に貢献します。

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重点研究:R3-6

積雪寒冷地におけるラウンドアバウトの設計技術の高度化と普及促進に関する研究

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道路交通法が改正され2014年9月1日より、環状交差点(ラウンドアバウト)における環道交通車両優先の運用が開始されました。 2020年3月時点で国内では101件のラウンドアバウトが運用されています。北海道では、上ノ国町と浜頓別町で運用が開始され、今後も増加していくことが考えられます。

ラウンドアバウトには安全性向上のため適切な視線の制御が求められ、欧米では緑化やマウンドによる制御を行っており、技術基準にランドスケープの設計法が示されています。 一方、国内では7割のラウンドアバウトに植栽が導入されていますが、視線の制御を意図した中央島のランドスケープ設計事例は十分に確認できていません。

本研究では、積雪寒冷地の環境や安全と景観に配慮したラウンドアバウトの中央島ランドスケープの設計と管理技術について確立を目的としています。

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基盤研究:R6-8

土木施設の表面仕上の経年変化に関する研究

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近年、公共インフラの整備や維持にかかる予算の圧縮が命題となる中、 安価で耐久性に優れた景観材料あるいは構造物表面の仕上げ処理が必要とされています。 これらに関しては、過去30年ほどの間にも多種多様なものが開発、提案、採用されていますが、 材料や仕上げ処理としての耐久性や景観性の経年変化については知見が十分に蓄積されていません。

本研究では、これらの事例調査等を通じ、安価で耐久性に優れ、景観形成上も効果的な土木施設の表面仕上げについて提案を取りまとめます。

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基盤研究:R4-6

「道の駅」の整備効果向上に資する多様な主体との連携手法に関する研究

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「道の駅」は、2022年2月現在、全国に1194駅設置され、重要な社会インフラとなりました。今後も道路休憩施設としてだけでなく地域拠点として持続的に運営していくことが求められています。そのような中、国土交通省が設置した有識者会議の提言「道の駅第3ステージ」では、2025年までのビジョンとして、地方創生や観光を加速する拠点としての機能や効果を高めるために多様な主体との連携を面的に展開することが必要と示されました。

一方で、「道の駅」の中には地域が期待する整備効果が十分に発揮されていない事例もあり、その原因として、設置する自治体の担当者や運営者をはじめ、関係する地域の生産者や企業、住民、観光事業者等の多様な主体同士の連携不足が挙げられます。 しかしながら、どのような連携手法が効果的なのか、また、その連携をどのように構築するかのノウハウについては、多くの事例があるものの十分整理・体系化されておらず、「道の駅」の設置者や運営者が入手できる知見は、個別事例の断片的な把握に留まっている状況です。加えて、「道の駅」の置かれている状況や、目的とする整備効果によって、実現可能で効果的な連携手法は大きく異なります。

そこで本研究では、事例調査等を通じて多様な主体の連携手法における役割と繋がりのルールの違いが整備効果向上にどのように影響するかを明らかにすることで、「道の駅」が置かれている状況に応じて、設置者や運営者が「道の駅」の新設・リニューアルや運営手法の改善を検討する際に活用できる、多様な主体との連携手法と連携を構築する手法を示します。

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これまでの研究

主要研究:H28-33 (R3)

公共事業における景観検討の効率化に資する景観予測・評価技術に関する研究

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平成19年4月以降、「国土交通省所管公共事業における景観検討の基本方針 (案)」に基づき、国土交通省が行うすべての事業において景観検討の実施が原則化されました。また、近年では地域振興や地域活性化を目的として,景観を活用したまちづくりの機運も高まっています。

このような中、検討委員会の設置等の十分な景観検討体制の確保が困難な事業における、景観配慮や景観検討の普及のために、現場で採用できる景観予測・評価の手法が求められています。

このうち、景観の"予測"については、「景観検討の基本方針(案)」に各手法の特徴や留意事項が整理されているものの、事業タイプや目的に応じた具体的な予測方法は提示されていません。また、景観検討・予測結果の"評価"に関しては「景観検討の基本方針(案)」に記述がなく、担当する技術者の感覚や経験が頼りとなっており合意形成等にも課題が生じています。

本研究は、景観検討に際して、景観整備内容を検討するための技術の一環として、景観を予測・評価するための適切な技術の確立および普及を図ることを目的としています。

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主要研究:H28-33 (R3)

多様な活用に対応した沿道休憩施設の設計技術に関する研究

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現在、「道の駅」は全国1,059駅、利用者は5億人以上で地域振興の重要な施設です(H27現在)。 求められる機能や利用のされ方は、「外国人観光への対応」、「災害時の避難施設」、「福祉機能を持たせた小さな拠点」などの地域支援施設としての機能など、利用者ニーズや地域が求める機能が増大/多様化しています。

しかしながら、道の駅の計画・設計及び管理手法が、機能や魅力に寄与していない事例も少なくありあmせん。また、制度発足から20年が経過して、“建替え”や“増改築”が増加し、施設の設計・デザインに関する技術相談も増加しています。

本研究では、①「道の駅」の多様化/進化する機能や利用者ニーズに適応した、適切かつ一定水準の共通する計画・設計及び管理技術の提供、②質が高く、魅力があり、利用価値の高い、効果的で効率的な道の駅の施設や空間の整備・管理技術の提供を行う事により、設計・整備・管理レベルの底上げに貢献することを目的としています。

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主要研究:H28-33 (R3)

国際的観光地形成のための屋外公共空間の評価支援・設計及び管理技術に関する研究

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観光立国の実現は我が国の重要な政策課題のひとつです。「国土形成計画(全国計画)」(H27.8)においては、「世界に通用する魅力ある観光地づくり」が必要とされています。また、「北海道総合開発計画 中間整理(素案)」(H27.8)では、「世界水準の観光地の形成」と、そのための「良好な景観形成など観光振興に資する技術開発の推進」が、主要施策の具体的方向性として明記されました。

その際、観光振興や、観光地としての魅力向上、特に近年課題となっている滞在型観光の促進や観光地における滞在時間の向上を考える上で、景観や空間(屋外公共空間(道路、広場等のほか、これに連続する民地内の空間も含む))の質や機能は重要です。

しかしこの点で、日本の観光地は海外の観光地に大きく見劣りしているのみならず、実行されている改善の取組みの面でも効果的なものとなっていない事例が多く見られます。これには、魅力的な観光地を実現するのに真に必要な取組みや、その優先順位の判断が容易ではなく、これに必要な知見や技術の確立がなされていないことに一因があります。

そこで本研究では、日本全国における国際的観光地形成に寄与することを目的として、滞在型観光を念頭に、魅力的な観光地の条件を屋外公共空間の面から明らかにします。これにより、観光地等における屋外公共空間の課題の抽出を可能とし、効果的かつ効率的な屋外公共空間の整備・改善手法の立案を支援します。

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重点研究:H23-26

景観機能を含めた多面的評価による道路空間要素の最適配置技術に関する研究

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現在、国土交通省が実施する公共事業では景観への配慮が規定され、その技術的対応が必要となっています。また、政府の新成長戦略として観光立国の推進が打ち出される中、観光が重要産業である北海道には国内外から沿道景観を楽しむドライブ観光客が増加しており、政府や国交省の成長戦略への貢献が期待されています。

一方、近年の財政不足や社会資本ストックの増大や老朽化に伴う維持更新費の増加により、道路整備に対する投資余力が減少しています。そのため、必要な機能を確保しつつ景観にも配慮された効率的な道路整備や維持管理技術が求められています。

本研究では、まずシークエンス景観(移動景観)の評価構造の解明を通じて、道路のシークエンス景観に関する評価技術を開発します。次にこれらを基に、現在各々の設置基準等により設計、整備されている道路空間の構成要素について、景観機能に加えて、それぞれの要素が持つ機能やコストなど多面的に評価し、景観を含めた道路空間の最適化を図ることを目的としています。

 

美しい沿道景観と道路空間要素の配置例(景観疎外となっていないスノーポール)

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重点研究:H23-26

空間認識を利用した歩行空間の設計技術に関する研究

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近年、地方都市などでは、観光振興や中心市街地活性化を目的とした街路空間や駅前広場の整備が行われています。しかしながら、既存の整備の中には、歩行空間の魅力向上という観点からみた、利用者の印象評価や快適性向上などに十分配慮していないため、実際の賑わいの創出に効果的に寄与していない事例も多くみられます。

以上から、利用者の空間認識や印象評価、歩行行動等との関係性を基にした、観光地や中心市街地等の魅力向上に資する、歩行空間の評価手法や設計技術が必要となっています。

これらの背景から、本研究では現地観測や比較実験、利用者の空間認知や走行行動に対する検証などから、魅力的な歩行空間の評価手法と設計技術の提案を目指します。 その結果は、歩行空間の整備における具体の課題把握や適切な設計支援につながる技術資料として、地域振興に貢献する歩行空間づくりへの寄与が期待されます。

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重点研究:H18-22

北海道における美しく快適な沿道環境の創出に関する研究

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北海道では観光は重要な産業となっており、美しい景観などを求めて国内外から多くの観光客が訪れ、特に海外からの観光客のドライブ観光も急増しています。また、シーニックバイウェイ北海道の本格展開など、沿道景観の向上に対する社会的ニーズが高まっています。

そこで、今研究では、主な移動経路であり、重要な視点場ともなっている道路景観(内部景観)について、道路景観の評価手法や景観の向上方策の提案、及び景観や環境改善に資する道路緑化手法の提案などを行っています。

これらの研究を通じて、積雪寒冷地での沿道景観の向上に貢献することを目指しています。

 

■景観向上策

北海道の郊外では、移動中に世界レベルの美しい自然景観や農村景観を道路から眺められるところが数多く存在しています。しかし、安全・円滑な交通の確保や維持管理を目的に、防雪施設をはじめ多種多様な道路付属施設が存在し、同時にこれらの施設がその背景に広がる美しい景観を阻害していることも多いのが現状です。

このような背景から、本研究では、必要な道路機能を確保しつつ、施設を減らしていくことを目指した"引き算による景観創出"をはじめとして、積雪寒冷地における効果的な道路景観の向上を目的にコスト低減や維持管理のしやすさ景観保全にも繋がる具体的な景観向上策の提案を行っています。これらの成果を基に「道路景観データベース」や「北海道における道路景観チェックリスト(案)」などを策定しています。

 

▲背景が美しい北海道の道路景観(実際)を阻害する道路付属施設(右)

 

▲道路景観データベース

 

▲北海道における道路景観チェックリスト(案)

 

■景観評価

近年、公共事業における景観向上の取り組み事例の増加から、道路景観評価の必要性が高まっており、関係者との協議等による合意形成の必要性が増加しています。しかし、道路景観の評価手法が確立されておらず、また統一された指標や目安もないため、景観検討や合意形成に苦慮しています。そのため、道路景観の評価手法を人の主観的な感覚をある程度反映する指標として用いることができれば、景観検討や合意形成を円滑に進めるために有効なツールとなり得ます。

そこで本研究では、景観検討や合意形成のためのツールとして適用できる道路景観の評価手法の提案を目指しています。

 

道路景観評価手法の一例(人間の印象評価と定量評価手法を組合せたもの)

SD法による印象評価を反映させ、フラクタル解析における画像認識方法の改良を行い、適用性が向上しました。

 

○画像認識方法の改良

 

○比較結果

 

■道路緑化

街路樹やのり面植生などの道路の緑は、沿道景観や環境に大きく影響します。しかし、道路緑化に関しては植栽用地の確保や樹種選定など種々の問題を抱えており、特に維持管理については、植栽後長期に渡ることから多くの課題があります。緑化の効果が十分に発揮されるには維持管理の質が問われますが、昨今の維持管理費削減により、下草刈りの頻度や樹木の剪定回数を減らすため過度な剪定を行うなど沿道の緑の機能を損なわせている状況も見られます。さらに、積雪寒冷地では厳しい気象環境や機械除雪での損傷などによる生育不良、自然遷移が進みにくいなどの地域的な問題もあります。

そこで、本研究では、景観緑三法の施行や社会的要請の高まりを背景に、景観や環境、維持管理コストの縮減にも寄与する道路緑化の整備手法の提案を目指しています。

 

▲街路樹が与える効果と影響

 

▲過度に剪定された街路樹

 左:右側の自然樹形の樹木も左側の樹木のように順次剪定され、夏季に緑陰が消失している
右:電線を避けた過剰な剪定、6月でも緑が無い

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重点研究:H31-33 (R3)

郊外部および積雪寒冷地における効率的で多様な無電柱化技術の提案に関する研究

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国内における無電柱化の整備は、道路管理者が主体となって地中化を行う電線共同溝 方式が主流となっており、都市部・市街地を中心に整備を進められてきました。

国内における無電柱化は海外に比べ大きな遅れをとっており、「無電柱化推進のあり方検討委員会」中間取りまとめ(H29.8)で、整備に時間と費用を要する電線共同溝方式に 偏重した手法の限界と、これ以外の方式による整備の必要性が示されています。

国土交通省は無電柱化推進計画の改訂(H30.4)では、①景観形成・観光振興に資する道路の無電柱化、②適切な役割分担の下、多様な整備手法で無電柱化、③地方公共団体による無電柱化推進計画策定が盛り込まれており、今後、地方公共団体による無電柱化の計画策定や整備が増えることが想定され、整備手法の選定や優先度等のノウハウが求められています。

また、進展が期待される電線類地中化に伴い整備が必要となる地上機器は、設置場所 よっても景観への影響や歩行者導線に大きく影響し、特に積雪地においては、除雪作業へ影響を与えることが考えられます。

さらに、諸外国においては、沿道景観に与える影響も大きい高圧鉄塔・電線類の地中化を進められて今後、日本国内においても、高圧鉄塔・電線類の無電柱化が更に求められる事が想定されます。

本研究は、道路管理者、電線管理者等の適切な役割分担を含め、沿道環境等に応じた多様な手法についての提案及び、地上機器が景観に与える影響を改善することを目的に実施します。

  • ①電線類地中化における地上機器の景観評価および対策手法の提案
  • ②道路構造や沿道環境に応じた電線共同溝以外の多様な地中化技術の提案
  • ③高圧鉄塔/電線等に関する景観対策の提案

どちらも 魅力ある地域づくりのためのインフラの景観向上と活用に関する研究 です。

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重点研究:H27-30

再繁茂プロセスを考慮した河畔林管理技術に関する研究

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河畔林、特に河道内樹林については、流下能力阻害の低減や河川の巡視活動の効率化を目的として、伐採等による適切な管理が求められています。しかしながら、伐採された樹林が過剰に再繁茂するケースが多く、治水や維持管理の向上につながらないケースや、生物多様性や景観の観点から樹林環境の悪化を招いている事例も少なくありません。

特に、河道内樹林は伐採前後の過程で絶えず姿を変え、河川の流下能力や平面流況も絶えず変化することから、再繁茂や河道特性の変化を考慮した適切な管理に、河川管理者や地域の関係者、専門家が持続的に関わっていく手法が求められています。

以上の観点から、本研究では河川や地域の状況を踏まえた持続的な河畔林管理技術の提案を目的として、『伐採後の再繁茂状況』、『流況シミュレーション』、『生物生息環境』、河川景観および利活用』に関する調査に基づき、伐採や樹木の間引き、下枝払いなどの多様な対策手法の適用性およびその評価手法を検討しています。

※水環境保全チームとの共同研究

河道内樹林の間引き管理イメージ ※写真左側  (天塩川・筬島大橋上流)

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重点研究:H27-30

電線電柱類の景観対策手法の選定と無電柱化施工技術に関する研究

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道路からの景観は地域の印象に影響するが、沿道には多くの電線電柱類が設置され、これらが沿道景観非常に大きな影響を与えます。特に近年では、通信会社の新規参入による通信線の増加や、光ケーブルの設置に伴う重量増加に伴い、電線だけではなく電柱の増設による景観阻害が増大しています。また、沿道の電線電柱類による衝突死亡事故の発生や、除雪時や街路樹せん定の作業効率低下、維持管理費の増加など、景観以外の観点においても課題は少なくありません。

加えて、近年は防災や景観、観光等の面から無電柱化に対する社会的ニーズもとみに高まっています。しかし今後我が国で無電柱化を進めるためには、これまで対象とされてきた市街地幹線道路はもちろん、これまで対象となりづらかった農村・自然域などの郊外部における無電柱化も必要となります。そのためには、高額な整備コストの大幅な削減や施工性の向上を図るための技術開発が必須となります。

以上の課題に対し、本研究では沿道景観や対策コスト・ニーズの分析に基づいて、電線電柱類の地中化や集約、セットバックなどの多様な対策手法とその選定技術を提案します。

また、特に無電柱化施工技術に関しては、積雪寒冷地における凍結に耐えうる浅層埋設技術や、郊外部における専用機械等を用いた効率的な施工方法について検討を行います。

※H26~27は基盤研究

※H27~寒地機械技術チームとの共同研究。

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基盤研究:R3-5

経年変化と長期耐久性を考慮した土木施設の色彩設計に関する研究

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公共空間においては土木施設等の色彩が景観や施設機能に及ぼす影響は大きく、塗装が劣化した際の再塗装サイクルは防食により規定されるため、褪色等の劣化が進み、景観を損なったまま長期供用される土木施設が増加しています。 また、予防保全措置に伴い、部分的な補修による色のばらつきにより景観が損なわれる事例も増加しています。

そのため本研究では、公共空間における土木施設等について以下の①②③を行い、公共空間の景観向上を目的に積雪寒冷地の土木施設の塗装等の表面仕上げについて経年変化や長期耐久性を考慮した色彩の設計手法について明らかにすることを目的としています。

①色に着目した塗装等の劣化状況に関する事例収集・分析

②塗装等の劣化要因ごとの色の経年変化の特性の把握

③立地及び時間経過を考慮した塗装等の景観評価実験

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基盤研究:R2-4

積雪寒冷地における土木施設の歴史的価値の判断手法に関する研究

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歴史的価値を持つ土木施設には、低頻度のメンテナンスで長寿命を実現している施設があります。こうした土木施設を研究することで、より効率的、効果的なインフラの設計や維持管理技術、新材料の開発など土木技術の発展が期待されます。

また土木施設は、地域で暮らす人々の営みや地域の風土によって形作られ、地域固有の景観を構成する要素の一つです。北海道においては、近代の開拓の中で造られてきた土木施設が、地域の歴史的な魅力や特色、暮らしを物語る重要な地域資源となっており、これらの保全は地域観光やインフラツーリズム等の土木遺産の良好な利活用等に寄与します。

こうした土木施設本来の機能を保ちながら、歴史的価値を考慮した管理を行っていくには、その価値の評価や価値に則した維持管理メニューの選定など、通常の構造物の維持管理とは異なる配慮や技術が必要とされます。

そこで本研究は、歴史的価値をもつ土木施設を現役施設として、その歴史的価値を損なわないよう維持管理していくために、現場技術者が土木施設の歴史的価値を簡便に判断する手法及び、その歴史的価値を考慮した維持管理方法を適切に選定するための技術の確立を目指します。

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基盤研究:H31-33 (R3)

積雪寒冷地における景観向上に資する道路緑化に関する研究

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道路緑化には都市の景観向上や生活環境の保全など、様々な機能があり、近年、魅力ある街並みの創出など、まちづくりの観点からも、ランドマークとなる景観上重要な樹木の保全・維持など、街路樹の重要性が認識されています。

街路樹は、冬季の厳しい気象条件にも適応する樹種が植えられている等、地域特性に応じた樹種を利用することが重要とされており、街路樹の研究を行う上では、自生種等、地域に応じた樹種を踏まえて研究を行う必要があります。

街路樹維持作業の受発注者において、専門技術者や熟練技術者が不足しており、技術力低下などにより不適切な街路樹の剪定が行われている事例もみられます。

一方、厳しい財政状況の下、道路緑化の維持管理について、効果的・効率的な実施や省力化が求められています。

このように、積雪寒冷地における街路樹の過剰な強剪定を改善するためには、財政措置や人材の確保・育成もさることながら、受発注者が定量的な指標の下、維持管理を行うことが必要です。

本研究では、積雪寒冷地の道路緑化樹木や緑地帯の管理手法を提案することを目的とします。

  • ①積雪寒冷地の道路緑化樹木を対象とした定量的な剪定指標や見本の作成
  • ②積雪寒冷地の道路緑地帯の効果的・効率的な防草方法の開発
  • ③道路構造等に関する近年の状況(RAの導入等)に対応した緑化指針の改訂等の提案

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基盤研究:H29-32

土木施設等の色彩設計に関する研究

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公共空間においては土木施設等の色彩が景観や施設機能に及ぼす影響は大きく、当然、個々の土木施設には望ましい色彩が存在します。その対象は新規の土木施設のみならず、膨大な数が存在する既存土木施設の維持更新においても、色彩検討は強く求められています。

しかし、現状では公共空間における土木施設に関する色彩設計の手法について具体的なものはなく、土木技術者は施設の色彩選定に苦慮している現状です。そのため、不適切な色彩の採用による景観へのダメージだけでなく、土木施設の機能低下を招いている事例も少なくありません。

また、積雪寒冷地では積雪により景観が大きく変化するため、冬期における景観にも配慮する必要があります。さらに近年、土木施設においてコスト縮減は重要な課題であり、塗装等のコストに関する検討も求められます。

本研究では、公共空間における土木施設等について以下の①②を行い、積雪による景観変化やコストを考慮した合理的な色彩設計方法を提案することを目的としています。

  • ① 既存の土木施設等の色彩に関する現状と課題及び色彩検討事例の整理・体系化
  • ② 土木施設等の色彩と機能、環境との関係に関する評価分析

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基盤研究:H27-31

土木分野における木材活用に関する研究

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近年、地場木材の利用による環境貢献や地域振興の必要が訴えられ、土木分野においても木材活用が求められています。この背景には、適切な森林(人工林)の維持管理のために、林業の再生が必要とされており、この受け皿としての、木材の利用の拡大が急務となっていることがあげられます。平成22年には「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行され、この中で土木分野でも、木材を利用した工作物の設置の促進のために必要な措置を講ずるよう定められました。

一方で、木材は、強度や品質にばらつきがあるほか、腐朽による耐久性の問題もあり、社会資本全体の維持管理費用と手間の縮減という課題もある中で、普及は思うようには進んでいません。

そのような中、土木学会と日本森林学会、日本木材学会は連名で、平成25年3月に「土木分野における木材利用の拡大へ向けて」と題する提言を発表し、「木材利用技術の開発推進」や「設計法などの作成と規準類への掲載」などの5項目を提言し、関係省庁、関係諸団体、教育機関などの協力を求めています。

本研究は、木材利用による価値や効果と、木材利用の工作物の設置に必要となる耐久性能の評価や、それにより必要となる維持管理について明らかにし、地場木材の適用性の高い工作物やその範囲、判断基準を発注者向けに示すことを目的としています。

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基盤研究:H28-30

寒冷地における道路緑化機能を考慮した街路樹のマネジメント技術に関する研究

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景観形成や沿道環境の保全に、街路樹は大きな役割を担っており、近年は都市戦略を考える際や快適な街並みの創出に、その必要性が増しています。また道路整備が盛んに行われた時代から約40年が経過し、当時植えられた街路樹は、大きく成長しています。それに加え、老木化が進行している街路樹も少なくありません。

そのため、台風などの自然災害の多発による倒木の危険性の増加から、街路樹の健全度を適確に把握することは重要です。

一方維持管理コストの削減から、街路樹の過度なせん定による樹木の健全度の低下や、枝葉が広がりやすく、更に早生な樹種を生長の遅い樹種へ転換が行われていないため、景観向上機能などの道路緑化機能が損なわれている例も見受けられます。

以上のことから本研究では街路樹の整備、管理、更新を効率的で効果的にマネジメントすることができる技術の検討を行います。

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基盤研究:H27-29

沿道の屋外広告物の評価による景観改善に関する研究

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沿道の屋外広告物は、景観阻害や道路機能低下への影響が大きく、国交省の調査結果では、「残したくない景観」として電線電柱とともに最上位に挙げられています。

現在、全国各地の自治体で多くの条例等が定められ、広告物の設置箇所や大きさなどの、物理的な制限に基づく景観形成の取り組みが行われていますが、それらの規制は多くの地域で十分な効果を発揮しておらず、地域の景観阻害要因となっています。

また、地域の景観を阻害するような過度に華美な屋外広告物にはマイナスな印象を抱くことも少なくなく、そもそも地域の魅力を低下させる広告の「広告効果」は低いとも考えられます。

このように、屋外広告物のコントロールが地域イメージの向上に寄与すること、また、地域の景観やイメージに調和した広告の方が広告効果に優れることを示すことで、商業者や広告代理店による主体的な景観改善の理解と協力が期待でき、地域イメージの向上や行政の維持管理効率にも寄与できます

そこで本研究では、屋外広告物の影響を評価し、「沿道景観」や「地域の魅力やイメージ」と「広告効果の有効性」の関係を示すことで、広告設置サイドの主体的な取り組みによる沿道景観の改善を促し、地域の魅力向上と行政支援に貢献します。

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基盤研究:H27~29 ※萌芽研究

道路の設計・デザインにおける認知工学の活用に関する研究

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現在の道路空間には、多くの道路付属施設類が設計・設置されており、新たなニーズの発生とともに増設が検討されています。一方、施設の集約や削減が検討/実施されることはまれであり、明らかに過剰な設置と思える空間も見られます。こういった施設類の増加が、付属施設や道路空間に求められる機能の低下をはじめ、衝突事故への懸念、整備/更新コストの増、維持管理性や景観性の低下の原因ともなっています。

道路空間における付属施設の適切な機能を評価できれば、付属施設の適正な配置設計・デザインの手法を示すことができますが、施設相互の関係性も踏まえ機能がどのように発現するかは明確となっておらず、それらを評価する手法もありません。

本研究では、近年の脳科学の進歩を踏まえ、他分野でもその活用が進む認知工学を、道路の設計・デザインの評価に適用する可能性について検証します。

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基盤研究:H26-28

機能向上に資する道路施設の色彩設計に関する研究

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政府の社会資本整備重点計画の9つの政策課題に対応した計18プログラムに「良好なランドスケープを有する美しい国土・地域作りの推進」と「国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成」が示されています。

近年、良好な景観形成が重要となっていますが、道路に設置されている付属施設(道路施設)の色彩は、沿道景観へ大きな影響を及ぼします。

本来、道路施設には、その役割や期待される機能から、望ましい色彩が存在します。

同時に施設単体の機能発揮だけでなく、整備するインフラ全体としての機能の最適化にも配慮する必要があります。しかし、道路施設に関する色彩設計の方法について具体に示されているものはないため、不適切な色彩の採用による景観へのダメージだけでなく、施設の機能低下に繋がっている事例も少なくありません。

そのため、本研究では、色彩に求められる機能や性能についての調査や評価実験などから、道路施設の機能発揮に貢献し、景観にも配慮した効果的な色彩設計を提案することにより、道路空間の機能増進と景観向上に貢献することを目的としています。

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基盤研究:H25-27

北海道における街路樹の景観機能を考慮したせん定技術に関する研究

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街路樹は都市の景観形成や周辺の環境の保全に大きく寄与するとともに、近年においては、地球温暖化対策などその必要性が増大しています。しかし一方で、維持管理コストの大幅な縮減が求められており、剪定期間が長期化され、各地で街路樹の過度な剪定を招き、景観形成機能をはじめ街路樹に求められる機能の低下がみられます。また、落葉等に対する沿道住民からの苦情対応としての落葉期前の剪定も問題となっており、不適切な強剪定はマスコミに取り上げられ、社会問題ともなっています。

街路樹の剪定作業は、道路植栽の維持管理費のうち、大きな割合を占める重要な管理項目であり、街路樹の機能を維持・保持しつつ、効率的で適切な剪定が必要です。また、過剰な剪定は街路樹に求められる機能を損なううえ、樹勢を弱め、枯死する場合もあります。しかし、施工管理や完了検査に当たる土木技術者が簡易に剪定の「適切さ」を判定できる基準がなく、道路管理者が苦慮している状況にあります。

本研究では、北海道の街路樹として植栽されている主要な樹種について、景観形成機能をはじめとする道路植栽の機能を維持保全する、効率的で適切な剪定方法を提案し、道路管理者が簡易に剪定の適切性を判定する指標を提案することを目的とします。

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基盤研究:H22-26

北海道における景観の社会的効果に関する研究

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近年、景観緑三法、観光立国推進基本法の施行など、社会資本整備においても景観向上、地域活性化、観光産業促進への支援が求められています。一方、公共事業への投資が難しい状況から、各事業について、事業成果の明示などの必要性が高まってきています。

このような背景から、本研究では北海道のような地方部を対象として、良好な景観や景観向上策が地域に及ぼしている影響、効果を抽出、体系的に整理し、さらに個別の景観形成による価値向上、波及効果についての指標を検討することにより、良好な景観の社会的効果の体系的な把握を目指します。これらの成果は、景観事業やまちづくりにおける合意形成時の支援などへの貢献が期待されます。

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基盤研究:H23-25

郊外部における電線電柱の景観への影響と効果的な景観向上策に関する研究

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観光立国推進基本法の制定(2008年)など、観光振興による地方活性化への期待や国際観光の振興が政府の新成長戦略に位置づけられ、観光地などでの沿道景観向上への社会的ニーズが高まっています。

道路からの景観は地域の印象に大きく影響しますが、沿道には多くの電線電柱が設置され、これらが沿道景観へ大きく影響しています。特に、道路背景に美しい景観を有する北海道ではその影響は大きく、地域の魅力を損なっています。

また、沿道の電柱類は、交通安全や維持管理の支障となるなどの課題も少なくありません。そのため、市街地での無電柱化などが行われていますが、郊外部における電線電柱類の景観対策はほとんど行われていません。

一方、郊外部では無電柱化以外にも景観向上可能な手法が少なくないことや、公共事業費の交付金化による地方独自の取り組みが可能になるなど、郊外部における電線電柱の景観対策の研究は、これらの課題に貢献出来る可能性が高いと考えられます。

そこで、北海道の郊外部などにおいて、電線電柱類の景観阻害を小さくする効果的な手法について、現地調査や景観への影響の分析などを基に、現状の課題の整理・体系化や効果的と考えられる景観改善方法の提案などを通じて研究を進めます。

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基盤研究:H23-25

分かりやすい案内誘導と公共空間のデザインに関する研究

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政府の新成長戦略における「観光立国による地域活性化」や、新たな北海道総合開発計画における「国際競争力の高い観光地づくり」が主要な政策目標の一つとされています。また、地域振興への期待から、近年、全国をはじめ道内においても観光を通じた「まちづくり」の動きが多くみられます。

このような背景のもと、北海道などでは国内外からのレンタカー観光が増加しており、特に、外国人によるドライブ観光は近年急増中で、さらなる増加が予想されます。また、高齢ドライバーも毎年増加しています。そのため、外国人や高齢者にも判断しやすいユニバーサルな案内誘導が求められ、これは魅力的な観光地づくりにも貢献します。

しかし、現行の案内標識に関する基準等の制定は古く、現在では国内外からの観光交通の増加と多様化に対する対応が十分ではないため、地域では案内誘導に関する独自の取り組みが行われている事例もあります。他方で、分かりやすく案内しようとする余り、標識の乱立によりかえって案内効果が薄れたり、観光地での景観阻害が発生したりするなどの事例も見られます。この課題については、国土交通省の委員会等でも指摘されています。

一方、案内サインによる誘導だけでは限界があり、空間構造やその他の施設との補完による分かりやすい空間デザインが必要となります。 そこで、本研究では主に観光交通におけるユーザー視点からみた案内誘導の課題の整理・体系化、景観にも配慮した効果的な案内誘導の検討、空間の分かりやすさの調査、空間デザインと組み合わせた効果的な案内誘導手法の提案などを行っていきます。

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基盤研究:H24-26

道の駅の防災機能向上に関する研究

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平成16年の新潟県中越沖地震において、道の駅が災害時に被災者支援や地域復興に大きく貢献したことから、道の駅の防災機能が注目されるようになりました。そのような中、平成23年には東日本大震災が発生し、被災者支援などへの貢献が再認識され、国土交通省の主要施策(災害に強い国土づくり)でも道の駅の防災拠点化が更に進められることとなりました。

地域景観チームでは、これまで行ってきた調査などから、防災機能のみに特化した整備は平常時の機能などを低下させてしまうおそれがあること、平常時の魅力的な施設や様々な取り組みが災害時においても被災者支援などに大きく役立ったこと等を把握しました。

これらのことから、本研究では災害リスクの体系化や現地調査などを行い、平常時の機能向上が防災機能と両立及び相乗効果を与える方法の提案を目指し調査研究を進めています。

 

東日本大震災の時には、快適な避難場所を提供するなど、被災者支援などに大きく貢献した道の駅(道の駅 津山:宮城県)

 

東日本大震災の時には、多くの方が避難し避難所として大きく貢献した。ここでは、平常時では素晴らしい景色を楽しめることが、震災時には津波の状況を確認することに活用できた(道の駅 厚岸グルメパーク:北海道)

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基盤研究:H18-22

北海道における道路関連情報の高度活用に関する研究

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北海道には国内外からの多くの方がドライブ観光に訪れており、外国人を中心にその数は増加しています。しかし、来道観光客には、地理に不案内であったり距離感がわからないことや、春秋期の峠部の降雪などの情報が十分でないため、無理な工程での旅行計画が少なくなく、交通安全の観点からもドライブ計画を支援する情報提供が求められています。

一方、北海道は冬期の吹雪による通行止めや多重衝突事故などが発生しており、厳しい気象条件のもと道路利用者が安全・安心・快適に移動ができるような情報提供も必要となっています。

このような背景から、本研究では行政の道路情報と地域情報を高度に組み合わせ、四季を通じて、利用場面や利用者ニーズに応じた情報提供手法の提案を行います。

 

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基盤研究:H21-22

国際的ロードツーリズムから視たツーリング環境創出に関する研究

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近年、北海道では外国人観光客によるドライブ観光が急増しており、今後もさらなる増加が期待されています。そのため、外国人からみた魅力的なドライブ環境の実現は、北海道観光の国際競争力の向上につながり、地域の観光振興にも貢献が期待されます。一方、観光先進国などでは外国人観光客に対するロードツーリズムに積極的に取り組んでいます。

そこで、北海道や我が国における国際的ロードツーリズムの振興の視点から、国際競争力のあるドライブ観光の実現を目的に、ユニバーサルで魅力あるツーリング環境の実現に繋がる研究を行います。

また、北海道の地方部では公共交通が十分でないため高齢ドライバーが多く、これらの研究は同じようにバリアのある高齢者にとっても重要なものとなります。

 

新千歳空港周辺の外国人レンタカー貸出台数
※千歳空港レンタカー協会及び札幌レンタカー協会調べ

ドライブが「とても満足」とした外国人観光客のうち各項目を「とても満足」とした割合

 

国名 ドイツ フランス イギリス オースト
ラリア
ニュージー
ランド
アメリカ カナダ
プログラム等の名称 ドイツ
観光街道
(休暇街道)
フランスの
美しい道
ドライビング・
イン・ブリテン
遺産街道と
ツーリングルート
ニュージーランド8街道 シーニック・
バイウェイ・
プログラム
観光街道
主体 ドイツ政府観光局自治体等 フランス政府観光局エールフランス 英国政府観光庁 タスマニア州観光・芸術・環境省 政府観光局陸運輸送庁 連邦道路庁US.DOT オンタリオ州観光局
開始時期 1927年
(1950年に本格化)
2005年
(2年間のキャンペーン)
2005年 2003年 2000年
(約7年間のキャンペーンで2006年に終了)
1989年
(取り組み)1996年(指定)
1990年代
ルート数 150以上
(地域や自治体レベルで選定するものもあるため正確な数は不明)
10 5 11 8 126
(連邦指定)
18
(オンタリオ州TouristRoutes)
指定の性格 主体が独自に選定 主体が独自に選定 主体が独自に選定 主体が研究をふまえ選定 主体が独自に選定 地元等の取り組みを主体が評価して認定 主体が独自に選定
取り組みの
性格
・内発的取り組み
・関連組織による一部日本に向けた強力なプロモーション
・関連組織による日本向けプロモーション ・関連組織による日本向けプロモーション ・内発的取り組み
・関連組織によるプロモーション
・関連組織による研究
・関連組織による日本向けプロモーション ・内発的取り組み
・関連組織によるプロモーション
・関連組織による一部日本に向けた強力なプロモーション
情報発信元 政府観光局 政府観光局 政府観光庁 州観光局 政府観光局 連邦交通省 政府観光局州観光局
広報・PR手法 ・Webサイト
・ガイドブック
(6つの観光街道が対象/ロマンチック街道は別途詳細有)
・Webサイト
・ガイドブック
・Webサイト
・ガイドブック
・Webサイト ・Webサイト ・Webサイト
・ガイドブック
・Webサイト
Webサイトの
内容
・ドライブルート
・観光案内
・詳細マップ
・簡易的な観光案内 ・簡易的な観光案内 ・簡単なドライブルート
・簡単な観光案内
・ドライブルート
・簡単な観光案内
・ドライブルート
・観光案内
・詳細マップ
・ドライブルート
(メープル街道のみ)
・観光案内
ガイドブックの内容 ・ドライブルート
・観光案内
・詳細マップ
・簡易的なドライブルート
・充実した観光案内
・ドライブルート
・観光案内
*** *** ・ドライブルート
・観光案内
・取り組み概要
***
Webの使用言語(国数カウント) 26カ国に対応
(日本語有り)
37カ国に対応
(日本語有り)
42カ国に対応
(日本語有り)
9カ国に対応
(日本語有り)
10カ国に対応
(日本語有り)
日本語対応無し 10カ国に対応
(日本語有り)

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基盤研究:H21-23

沿道の休憩施設や駐停車空間の魅力向上に関する研究

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観光が重要産業である北海道では、来道者のレンタカー観光が年々増加しています。特に来道外国人のドライブ観光は急増し、国際的にも競争力がある分野です。このうち移動距離の長い北海道では、道の駅は重要な沿道休憩施設としてニーズが高く、これまでの研究からもドライブ観光の満足度にも大きく影響することが分かっています。しかし、現状では、物販や飲食の提供に力を入れるあまり、休憩ニーズへの対応が十分でない状況にあります。

このような背景から本研究では、道の駅の利用実態調査やヒアリング調査などを行い、休憩施設としての具体的な魅力向上方策を提案していくとともに、沿道の魅力的な駐車施設の整備手法の提案を行います。

 

研究紹介パンフレット

 沿道の休憩施設や駐停車空間の魅力向上に関する研究(その1)

 沿道の休憩施設や駐停車空間の魅力向上に関する研究(その2)

 

「道の駅」の評価や経営に大きく貢献する、快適な休憩空間

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基盤研究:H22-24

地域資源を活用したフットパスに関する研究

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近年、北海道では地域住民が主体となり、各地でフットパスの整備が進められています。一方、新たな北海道総合計画でも「北海道の自然環境を活かしたフットパスなどの整備を促進する」ことが戦略目標となっており、今後のフットパスの整備に、社会資本空間の利活用が大きく貢献すると期待されています。

このような背景から、本研究では、社会資本空間のより効果的な利活用の観点で、フットパス整備の社会的効果の把握や、道路や河川整備/管理における移動のバリア低減や空間の魅力向上などについて研究を行います。

 

多くの市民に利用されている都市内河川沿いのフットパス
(オーストラリア:メルボルン)

道路空間を活用した富良野市のフットパス

フットパスとして活用されている白老町ウヨロ川の護岸ブロック

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土木研究所の研究カテゴリーについて

 

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